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【特集】専門学校の『特化アプリ』で就活変わる!? 実は未だに「紙の求人票」が当たり前の世界

2020年12月22日(火)放送

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高校卒業と同時に特定の業界で活躍することを目指すのが“専門学校”。ですが、その就職活動はちょっと古めかしい方法が続いていました。「紙の求人票」そして「企業と生徒との距離感」。こうした点を改善しようと、専門学校生の就活に特化したアプリが注目を集めています。

専門学校の就職活動 情報源は「紙の求人票」で「専願」が基本

プロの料理人を育てる辻調理師専門学校(大阪市阿倍野区)。ここで日本料理を専攻する2年の喜田慎二さん(20)は、ドキュメンタリー番組で出張料理人を見て、プロを志しました。

(辻調理師専門学校2年生 喜田慎二さん)
「世界中飛び回って、その地域の特産などを料理して、お客さまに提供して食べていただく。食べ物1つでも人の捉え方が違うので、食べた人が必ずおいしいと言う料理を提供しているのがすごいと思った。」
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喜田さんはいろいろな店を食べ歩いて独自にメモを作成。調理の世界に憧れが増していく中、いよいよ就職活動を迎えました。

この日は学校のキャリアセンターの先生と面接の練習ですが…ちょっと緊張しているようです。

【面接の練習】
(喜田さん)「失礼します。本日、面接…えー…」
  (先生)「『本日、面接に来ました…』」
(喜田さん)「…来ました。辻調理師専門学校の喜田慎二と申します。」
  (先生)「喜田君の将来の夢は何ですか?」
(喜田さん)「海外に出て、海外の各地の料理と日本料理のスキルを合わせて、新しいものを作っていければなと。」

夢への一歩となる就職活動。ただ、専門学校生の就活は大学生とはちょっと違っています。大学生の場合、多くの業種や職種が掲載されている就職情報サイトなどを使って個人で応募し、内定が出た企業の中から就職先を決めるのが一般的です。一方、専門学校生の場合、学んだ技術を活かした仕事を探すため、業界にパイプを持つ学校を経由して就職先を1社選び、その1社に専願するのが基本となります。
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(辻調理師専門学校・就職担当 金内孔二さん)
「飲食関係は個人店が多いんですね。内定辞退を見越して採用するというのがない。応募して採用していただいたら、そこに就職しますよと。その代わりぜひ採用してください、というのがこの業界では一般的かなと。」
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しかも、情報源は主に「紙の求人票」だといいます。

(辻調理師専門学校・就職担当 金内孔二さん)
「生徒は求人情報を探すのに、学校に来て、求人ファイルを見て、1枚1枚めくって活動していた。」

辻調理師専門学校に来る求人は年間約3300件。それらが都道府県別に並んでファイリングされていて、そこから興味のある店を探していました。

自宅にいながら求人検索できる『キャリアマップ』に注目

しかし2019年、ようやく変化がありました。それが『キャリアマップ』です。『キャリアマップ』とは求人情報が見られる就職情報アプリで、学校ごとに管理されます。例えば、辻調理師専門学校のキャリアマップに企業が求人情報を入力すれば、そこに通う生徒だけに公開することができます。いわば学校専用の就職情報サイトです。

(辻調理師専門学校・2年生 喜田慎二さん)
「便利で助かっていますね。紙だけだったらもっと遅れてるのではないかなと。今はスマートフォンで調べられるので、あってよかったなと、本当に思います。」

コロナ禍の今だからこそ有効な面もあるといいます。

(辻調理師専門学校・就職担当 金内孔二さん)
「自宅にいながらでも求人検索ができる。紙ベースだったら、それこそ就職活動できなかったということになりますね。学校に来ないと求人が見られない状態だったということになりますので、そう考えると導入していてよかったなと。」

生徒自身の「料理」をアピールできる機能も

キャリアマップは、大阪で求人広告などを制作する会社が5年前に開発。現在は67校が導入していますが、それまで専門学校に特化した就職情報サービスはなかったといいます。

(キャリアマップの運営会社 杉岡充敏社長)
「専門学校においては学校に届く求人票が生徒にとって最も重要な情報源だったんですよね。それを時間や場所を問わずに自身のスマートフォンでアプリから検索できるようにしようと。」

キャリアマップには探す以外にも便利な機能があります。その機能が「ポートフォリオ」といい、生徒が実習などで作った作品を写真で直接アピールできます。しかも、企業はそれにコメントをつけることができ、今までにないつながりが生まれました。コロナ禍で実技試験や企業訪問が難しい今の時代にマッチしているとも言えます。

(キャリアマップの運営会社 杉岡充敏社長)
「どれだけ授業を真剣に受けているか、この職業に対してどれほどの思いを持っているかを、写真で伝えていただく。学校と社会を結ぶ、そういったコミュニケーションをより活性化させうるサービスにしたい。それをつなぐことで、お互いの働く意欲や成長の意欲を高めるサービスにしたいなと。」

採用する企業は「興味ある」 一方で“格差”懸念

採用する側の企業にも話を聞きました。大阪で34年続くイタリアンレストラン『ポンテベッキオ』(大阪市中央区)では、今年は10人程度の新卒採用を見込んでいて、オーナーシェフの山根大助さんは、専門学校生と直接つながれる点などに期待を寄せています。

(ポンテベッキオ 山根大助オーナーシェフ)
「生徒は企業から『君、面白いからうち来てね』って言ってもらえるチャンスはなかった。自分が作った料理を見てくれ、とアピールする人がいたら、興味がありますね。」

一方、地域の個人店舗などは店をいかにアピールするか、真価が問われるといいます。

(ポンテベッキオ 山根大助オーナーシェフ)
「ネットにどんなステキな記事が載っていても、それでいく(応募)となったら、リゾートホテルとか大きな組織しかない。街中のレストランが情報をきっちり見せるのはそう簡単ではないし。求人状況にかなり格差ができている現状に拍車をかける可能性もあるなと思っています。」

生徒だけでなく、企業側も…。専門学校生をめぐる就職活動は、ようやく新しい一歩を踏み出しました。

(12月22日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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