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【特集】オオワシの「おばあちゃん」が今年も琵琶湖に来てくれた!なぜ1羽だけ北海道ではなく滋賀へ?

2020年12月16日(水)放送

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遠く離れたロシアの東部に住む『オオワシ』。通常、冬になると北海道にやってくるそうです。しかし、1羽だけ、越冬の地に選んだのは…人間界では「住みやすさランキング上位」の滋賀県でした。違いのわかるオオワシを今年も地元の人たちが待ちわびていました。

『山本山のおばあちゃん』が今年も滋賀へやって来た!

滋賀県の琵琶湖。その北東部は全国有数の水鳥の生息地として知られ、毎年、様々な渡り鳥が訪れてきます。
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そんな場所で、琵琶湖と反対側の小高い山に向け、カメラを構える人たちの姿がありました。その先にいるのが…。

(カメラを構える人)
「『山本山のおばあちゃん』というので通っている。」
「『山本山のおばあちゃん』かっこいいです。」

『山本山のおばあちゃん』とは、冬場にこの山で過ごすメスのオオワシのこと。人間でいえば80歳以上とも言われています。天然記念物に指定されていて、羽を広げると2m以上もあります。初めて滋賀県長浜市にやってきてから、今年で23年目になりました。

“恋人”を毎日撮る男性 魅力は?

そんなおばあちゃんをずっと見守り続けている男性がいました。近くに住む山岡和芳さん(74)。会社員だったころに趣味でカメラを始め、おばあちゃんが初めて飛来した1998年から、冬場は毎日のように撮影を続けています。
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(山岡和芳さん)
「おはよう。きょうも元気か。オオワシに朝来た時にいつも話しかけるんです。たまに答えてくれる時もあるんですよ。真上をぴゅーっと飛んでくれる時もある。」
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山岡さんがカメラで捉えたオオワシの姿。鋭いまなざしで力強く飛び立つ様子は、とてもおばあちゃんには見えません。

(山岡和芳さん)
「オオワシの魅力はやっぱり大きさ。それから白と黒と黄色の姿。私にとったら“恋人が毎年来てくれる”、そんな感じがしていますね。私は“おばちゃん”と呼んでいる。“おばあちゃん”ではちょっと失礼やろうと。」

ところで、いまオオワシはどこにいるのでしょうか。山を見ても記者には全くわかりませんが…。山岡さんが教えてくれました。

(山岡さん)「電柱と電柱の真ん中をまっすぐ、ずっと上に上がっていくと、一点だけ白いのがちらっと見えています。とりあえず照準器見てください。」
  (記者)「あー、あそこですか、白いのが。」
(山岡さん)「あれがオオワシです。」
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山岡さんに教えてもらったその先に…いました!オオワシのおばあちゃんです。でも、ずっと同じ場所にとまっているだけで、飛び立つ気配はありません。山岡さんもオオワシが空を舞う様子を撮影するため、待ち続けていますが…。

(山岡和芳さん)
「天候的には風がないし、よく晴れているし、という日はあまり飛ばない。“8日間通っていて1回も飛んだのを見たことがない”という気の毒な方もいます。」

“異例”の飛来 どうして琵琶湖に?

近くにある「湖北野鳥センター」(滋賀・長浜市)によりますと、オオワシが毎年滋賀県に飛来するのは、異例なことなんだそうです。

(湖北野鳥センター 植田潤主査)
「夏場はロシアのオホーツク海沿岸からカムチャッカ半島で子育てをして、冬になると北海道周辺まで降りてくる、という生態の持ち主です。ただ、このオオワシだけは北海道を飛び越えて、湖北までやってくる変わり者です。」
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では、北海道からわざわざ1000km程も余計に飛んでまで、おばあちゃんが滋賀を選んだ理由は?

(湖北野鳥センター 植田潤主査)
「コイとかフナは、冬の間は湖の深いところで冬眠するので、本来ならばたくさんはとれないんです。ですが、ブラックバスやブルーギルは水面ぎりぎりのところで冬でも生活するので、オオワシはそれに目を付けたんだと思います。」

年齢とともに変化した“色”

おばあちゃんの食欲はいまも変わらないものの、年齢とともに変化したこともあると山岡さんは言います。2枚のおばあちゃんの写真を見せてくれました。

(山岡和芳さん)
「15~16年前の写真、(首のあたりが)黒いでしょう、こっちの方が。もう1枚は3年ほど前の写真、見ている限りはちょっと白っぽくなっている感じ。年齢でしょうね。」

見比べると、首のあたりの羽根の色が若干薄くなってきているように見えます。人間でいえば白髪のようなものでしょうか。

優雅に旋回するオオワシのおばあちゃん

山岡さんがカメラを構えてから約3時間。オオワシのおばあちゃんに動きがありました。

(山岡和芳さん)
「向き変えましたね。こっち向いているね。」
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ファインダーをのぞきこむ山岡さん。次の瞬間…
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(山岡和芳さん)
「飛んだ。飛んだ。飛びました。頭の上!」
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山岡さんのはるか上空を、ゆっくりと、ゆっくりと、優雅に旋回しています。

(山岡和芳さん)
「そこに池があるんですよ。その上を回っているのだと思う。大サービスですよ。『きれいに写してね』って。」
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この日、撮影できた写真。羽を水平に広げた“恋人”は、まるで山岡さんへと向かって来たかのようでした。


【「オオワシの詩」 作:山岡和芳】
 北の国の大地から
 風に乗ってやって来る
 冬の使者のオオワシは
 旅の疲れも何のその
 疾風の如く駆け巡る

おばあちゃん、来年も待ってます

変わらず元気な姿を見せたオオワシのおばあちゃん。冬が終われば、また北へと帰っていきます。

(山岡和芳さん)
「ちょっと来る時期が遅いと、みなさん『大丈夫だろうか?』と心配されるんですけれど、私は『必ず来ます』と。もうその一点。曇りなし、ということで、信じている。それでずっと来てくれるし。来年も来てくれるように祈りながら、また見送りたいと思いますよ。」

おばあちゃん、来年も琵琶湖畔で待っています。

(12月16日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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