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【特集】水路に廃タイヤ200本...撤去翌日にさらに200本の不法投棄が!?背景に深刻なタイヤ処理問題

2020年12月14日(月)放送

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京野菜の九条ねぎなどが栽培されている農地につながる水路で、“タイヤ”が不法投棄されているのが見つかりました。一体誰が投棄したのでしょうか?取材を進めると、タイヤの処理をめぐる深刻な問題が見えてきました。

京野菜栽培の農地とつながる排水路に大量のタイヤ

京都市など3つの市や町にまたがって広がる約1000ヘクタールの農地「巨椋池(おぐらいけ)土地改良区」。ここでは、米作りのほか、九条ねぎや淀大根など地元特産の京野菜が盛んに栽培されています。
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そんな農地につながる排水路で、今年10月に“事件”が起こりました。

(排水路を管理する巨椋池土地改良区 池垣明彦事務局長)
「橋の上から投棄されたと思われます。192本のタイヤが捨てられていたということですね。なんということをしてくれるねんと。農業用の排水路ですので、もし詰まってしまったら排水が流れなくなります。速やかに取り除かなければならない。」
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当時の様子を撮影した写真を見ると、水路に大量のタイヤが置かれています。その数は約200本で、何者かが不法投棄したとみられています。
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排水路を管理する池垣さんらは、すぐに業者に依頼し、捨てられたタイヤ全てを排水路から引き上げました。

撤去した翌日にまた不法投棄…「許せない」「怒り心頭」

しかし、これで終わりではなかったのです。

(池垣明彦事務局長)
「撤去して安心して確認に来たら、またここであったと。」
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なんと、タイヤを撤去した翌日に、同じ排水路の20mほど離れた場所で、新たに200本のタイヤが水路をふさぐように捨てられていたのです。

(池垣明彦事務局長)
「九条ねぎ・淀大根・伏見とうがらしなどの京野菜もこちらでは多く栽培されています。大変許せないことだと思います。」
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2日にわたって捨てられた約400本のタイヤ。水路からは引き上げたものの、処分することができず、今も農地の近くにブルーシートがかけられた状態でタイヤが積み置かれています。

(池垣明彦事務局長)
「タイヤの中に水路の泥が入っていますので、我々これを処理するわけですけど、処理業者の方からは『通常よりも割高で処理費はかかる』と言われています。こんなきれいな農地の中にタイヤがあること自体が申し訳ないと思いますし、1日も早く撤去できるように頑張りたいです。」
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手塩にかけて育てた野菜に影響を及ぼしかねない廃タイヤの不法投棄について、農家の人たちに話を聞きました。

(農家 塚原奈良彦さん)
「水路がちゃんと活用できないということになりますと、本当にみんなに迷惑がかかる。主には米ですが、水がないと栽培できないので、死活問題になりますよね。もう怒り心頭ですよね。それしかないですよね。」
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地元の組合では、「2度あることは3度ある」として、水路周辺に防犯カメラを設置。さらに、これまではたまにしか行っていなかった見回りを毎日行うようにしていて、不審なトラックがいないかどうか確認するなど対策を取っています。

タイヤ処理業の厳しい現状「やればやるほど赤字」

では、一体誰がこのような不法投棄を行ったのか。取材班はその手掛かりを探るため、廃タイヤの引き取りなどを行う大阪府堺市の中間処理業者「SRSロードサービス」を訪ねました。
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ここでは廃タイヤを燃料として再利用してもらうため、専用の機械を使ってタイヤを細かく切断し、製紙工場などに販売していました。しかし、元々5台あった機械を2台にまで減らしているといいます。タイヤの処理業を20年以上営んでいる嶋田公博さんは次のように語ります。
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(SRSロードサービス 嶋田公博さん)
「この業界は儲けるどころか悲鳴を上げています。やればやるほど赤字になるから、(廃タイヤが)いくら入ってきてもお断りしているんですよ。もうここから行き先がない。だから我々も小さいタイヤ業者はみんな撤退して、やめていっています。」
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嶋田さんの会社では、これまで中古タイヤをタイヤ販売店などから1本あたり200円程度で買い取り、タイヤを切断するなどの処理をした上で、製紙工場などに燃料として販売し、利益を得てきました。しかし、近年は温暖化の問題や、タイヤは熱量が高いために燃焼する際に煙突が劣化するなどの理由から、燃料として引き受ける工場が少なくなったというのです。
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嶋田さんの会社でも、今年から廃タイヤの引き受けを全てストップし、従業員の3分の2にあたる20人を解雇して、事業を大幅に縮小。今は買い取り先がないため、処分費用を払って埋め立て地に持っていくほかないといいます。

(嶋田公博さん)
「本当に手間暇がかかって、処分代払ってやから、採算が合わないですよ。処分先がないからね、うちも積んでいるんですよ、タイヤをね。」

「罪になることは同じ業界としてもやめてほしい」

嶋田さんは、タイヤを大量に不法投棄しているのは、処分先が見つからないタイヤ回収業者ではないかと話します。

(嶋田公博さん)
「200本を一度に捨てるというのは同じ引き取り業者ですわ。一般のユーザーじゃなくて。まず200本というのはなかなか集められない。処分代が高くなった、処分先がなくなった、原因はそこです。処理費はかかるけど、そういう罪になることは絶対にやめてほしい。同じ業界としてもお願いしたいです。」
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京都の農地の水路に不法投棄された400本の廃タイヤ。地元の組合によると、タイヤが処理される日が決まらない状況が続いているということです。今後もこうした廃タイヤの不法投棄が増えていくのか。タイヤ処理業者からは行政側の支援などを求める声も上がっています。

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