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【特集】"見える世相"リサイクル業者に運び込まれる『厨房機器』たち 相次ぐコロナ倒産で

2020年12月09日(水)放送

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新型コロナウイルスの影響で関西では飲食店の倒産件数が過去最多となる見込みです。その影響で今、使われなくなった大量の厨房機器が、リサイクル業者の倉庫にあふれています。コロナ禍ゆえの光景といえるかもしれませんが、早くも“商機”ととらえる人たちも出てきているようです。

関西の飲食店の倒産件数 過去最多の見通し

12月7日、大阪市内のビジネス街にある居酒屋から、ガスコンロや大型冷蔵庫などが次々と外に運び出されていました。閉店により、リサイクル業者が買い取ったといいます。

(テンポスバスターズ 作業員)
「買い取りは絶え間なく続いていますね。第3波が来て、12月を待たずに辞める方も結構多いと聞きましたね。」

コロナ禍で相次ぐ飲食店の倒産。帝国データバンクによりますと、2020年1月~11月までの関西の飲食店の倒産件数は計249件に上り、リーマンショック直後の2009年を超え、過去最多となる見込みです。街の人は…。

(街の人)「(Q知り合いで閉店している飲食店はある?)ありますね。5~6軒、僕の知っているだけで。おじいちゃんおばあちゃんがね、来てくれる所で、みんな泣いていました。行く所が無いわと言って。」
(街の人)「飲みに行く回数とか、友達と会って食事をする回数が、まったく減りましたね。」

大量の「厨房機器」であふれる倉庫

大阪市内で買い取られた厨房機器は、リサイクル業者「テンポスバスターズ」の東大阪市にある倉庫へと運ばれていきました。ここには関西一円から買い取った厨房機器が集まっていて、業務用食洗器や給水機などの飲食店でよく見かけるものが。中には油汚れなどがこびりついている機器もあり、長い間飲食店で使われていたものであることがわかります。

「テンポスバスターズ」の倉庫には、閉店した飲食店から毎月500点ほどの厨房機器が運ばれてくるといいます。緊急事態宣言以前は月300点ほどだったそうです。
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(テンポスバスターズ 丸山隆行エリアマネージャー)
「こちらは氷を作る機械です。大型の物だと、普通の飲食店では無いので、タピオカ屋さんとかから引き上げさせてもらうことが多い。新品だと100万円以上ですかね、結構高額な商品になっています。」

2019年に大流行したタピオカ。陰でブームを支えていたであろう大型の製氷機は、ぽつんと佇んでいました。さらに…

(テンポスバスターズ 丸山隆行エリアマネージャー)
「こちらの看板は、テイクアウト業態の、飲み物屋さんというか、バナナジュース屋ですね。流行りとかに関しては競争もあると思いますので、しかもコロナの状況でということで、残念ながら閉めてしまったお店だと思います。」

タピオカの次にブームが来ていると言われているバナナジュース。でしたが、すでに閉店する店も出てきているようです。
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他にも『お持ち帰りできます』と大きく書かれた食券機。コロナ禍でテイクアウトを始めたものの、儚くもこの倉庫にたどり着いたようです。
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(テンポスバスターズ 丸山隆行エリアマネージャー)
「緊急事態宣言ぐらいの時から急激に増えまして、その時期は全国で言うと去年の倍近くの件数の買い取り依頼をいただいていました。居酒屋をされているとか、店内で飲食をされるようなお店が、今回コロナの関係で流石に厳しくなってきてしまった、というようなご依頼を当社に数多くいただいていました。」

厨房機器を中古品として販売 求める飲食店も“増加”

もちろん、ずっと倉庫に放置されるわけではありません。買い取った厨房機器は、必要な修理をした上できれいに洗浄し、中古品として販売されます。東大阪店の品数は新品も含めて約10万点。例えば、製氷機は新品だと100万円ですが、中古なら24万円に。食券機も新品だと100万円ですが、中古であれば目安として60万円程度だといいます。コロナ禍で、こうした中古の厨房機器を求める飲食店が増えているといいます。

(介護事業者)
「中古で出物があればと、まずは中古から攻めている。そりゃあもう、安いですから。予算が限られているし。今はもうこんな時代なのでなかなかね。」
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厨房機器に加えてイスなども買い取られます。これが意外と人気商品なんだとか。

(飲食店経営)
「店を片付けて、一旦閉めようと思いましたけども、もう一回ちょっとやり直そうと思って。カウンターのイスを捨てたから、イスを買いに来ました。」

中古の厨房機器を活用し、新たに飲食店を始める人も

閉店が相次ぐ一方、中古の厨房機器を活用して、新しく飲食店を始める人もいます。12月4日、大阪府枚方市内にあるオープン前の居酒屋「駒」に、中古の厨房機器などが次々と搬入されていきます。
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搬入作業は約2時間で終了。空っぽだった店内が厨房機器で埋まりました。

(居酒屋「駒」 駒月隆さん(38))
「ここでそばを打つ予定です。そばを打ちます、修行して。(Q一国一城の主に?)そうですね、入ったらわかりますね。気持ちがぐっと引き締まる。」
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先行きが不透明な中での開業。中古の厨房機器が充実していたことだけは幸いだったようです。

(居酒屋「駒」 駒月隆さん(38))
「(Q中古品も使った方が良い?)もちろんです。その時に合うやつがあれば。安かったです、安かったです。(Q今後の見通しは?)それはわからないですね。色々やっていきます、地道に。」

コロナ後を見据え今後も買い取りを強化へ

東大阪市の倉庫には連日、閉店した飲食店から厨房機器が運び込まれ、修理や清掃によって再生されていきます。必要とする店でまた使ってほしい…倉庫を増やして、今後も買い取りを強化する予定だといいます。

(テンポスバスターズ 丸山隆行エリアマネージャー)
「コロナが収まった時に、お客さまが必要な時に商品があるような状態にしておくことが、私たちの仕事でありますので、変わらず買い取りは続けていきます。厳しい状況はおそらく続くと思うんですけれど、飲食店の方は熱意を持ってやられているので、このまま黙っているわけではないと思います。こういうピンチをチャンスに捉えてと前向きに考えている方もいますので、サポートさせてもらいながら、飲食店の方々の少しでもお力になれればと。」

コロナ禍で倉庫にたどり着いた大量の厨房機器は、きょうも出番を待ち続けています。

(12月9日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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