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【特集】教室に"キノコ"...「小学校の雨漏り」なぜ放置?何も決められない『町議会』置き去りにされる住民

2020年11月30日(月)放送

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京都府大山崎町の小学校では、校舎に亀裂が入り教室では5年以上前から雨漏りが続いています。学校側は改修を求めていますが、町長と議会が対立していて、何も決められない事態に陥っています。

小学校の外壁のあちらこちらに亀裂 教室では雨漏り はがれ落ちた天井

京都府と大阪府の境目に位置する人口約1万6000人の大山崎町。町には2つの小学校がありますが今、ある問題に直面しているといいます。地元住民に聞くと…。

(地元住民)
「(小学校が)もうカビだらけですわ。そして漏れているんですよ、雨漏り。中がね、キノコがはえている。」
「子どもたちがかわいそうなん。なんとかしてやれよと。」
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一体、何が起きているのか?取材班が第二大山崎小学校へ向かってみると…校舎の外壁のあちこちにひび割れがありました。音楽室や教室の柱にも亀裂があるのが確認できます。さらに…
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(第二大山崎小学校 山本美由紀校長)
「(教室の)天井の膨らんだ所。あそこから落ちていたんです。バケツでそのたびに受けていたんですけど。」
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子どもたちが学ぶ教室では、雨漏りが5年以上前から続いていて、天井がはがれ落ちるといった事態も起きていました。
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(山本美由紀校長)
「雨が落ちてくる教室で勉強するというのは、やっぱり気になりますよね。集中できないこともあるだろうと思うので。大きな地震があった時にどうなるだろうという危機感はあります。」

衛生面が心配な給食室 キノコが自生する教室

こうした老朽化の問題は、もう1つの大山崎小学校でも起きています。築50年ほどの給食室では、手洗い設備や冷蔵庫の台数などが長年、衛生管理基準を満たしていない状態になっています。

(大山崎小学校・栄養士 田中佐世子さん)
「つくりを改修したいという気持ちはすごくあります。何かあった時に後悔したくないと思うので。今のつくりだと虫が入ることや、外部からの侵入物が多いかなという気がするので。衛生面ですね。」
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さらに、教室の中にはこんなものが…。雨漏りの影響か、キノコが自生していました。なぜこのような事態に陥っているのか?町民に事情を聞くと…。

(地元住民)
「もうずっとやもん、ここは。議会の中の話し合いができないというのがあれやね。しないんだもん。」
「あんまりケンカばっかりしてもしょうがないと思うんやけど。」
「なんでメンツとか、そんなものにこだわって、子どものことを考えてやらないのかなと。その辺りがわけわからん。」

問題の根源。それは「大山崎町議会」でした。

「議会のねじれ」(1)学校の外壁改修や雨漏り工事承認されず

大山崎町では、2年前に共産党が支援する前川光町長が町長選で勝利。しかし、議会では前川町長を支持する与党側の町議が6人、野党側も6人と勢力は同じで、与党側から議長1人が選ばれているため、議決権を持つ町議は与党が5人、野党が6人となり「ねじれの構図」となっているのです。

前川町長は2020年3月の町議会で学校の外壁の改修や雨漏りの工事など、約1億6000万円の予算案を提出しましたが、多数派の野党側が認めず、結局、緊急性の高い部分の応急的な修理費580万円だけが承認されました。野党側はなぜ、予算案に反対したのか?山中一成町議に話を聞くと…
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(野党系 山中一成町議)
「試験しなさいよと。安心安全考えたらそこでしょ。それしかないんちゃいますの。僕ら何も調査せずにようやれませんわ。子どもたちの安心安全考えた時に。それを実行しなかったのは行政側ですから。」

野党側は、工事計画の前提とするコンクリート強度の調査データが17年前のものと古く、大規模改修の前に再調査が必要だと主張しているのです。

「議会のねじれ」(2)計画通りに始まらない給食

町議会の激しい対立による影響は、中学校にも及んでいました。大山崎中学校に娘を通わせている吉田友美さん。中学校が給食ではないため、毎朝6時に起きて弁当作りに追われています。

(保護者 吉田友美さん)
「きょうは親子どんぶりです。白菜が入っています。お弁当はその時間だけではなく、前の日に材料を買って、とか。持って帰ってきた弁当箱を洗わないといけないし。」

町では家庭の負担を減らそうと2016年度に給食にすることを町民に示し、2020年度から給食が始まるはずでした。

(吉田友美さん)
「出来るって言われていたのに延期になったのは、(周囲の保護者の)落胆は大きいですね。」
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計画通り給食が始まらない…。その原因も「議会のねじれ」だといいます。前の町長が野党系だったため、野党側は以前から町内3つの小中学校の給食を1か所で作る「給食センター方式」で計画を進めていて、2020年9月から開始されるはずでした。しかし、2年前に給食をそれぞれの学校内で作る「給食自校方式」を公約に掲げた前川町長が当選したことで、計画が頓挫したのです。

野党系の計画だった「給食センター」ができるはずだった土地は、今も空き地のままとなっています。この現状に野党系の町議は…。

(野党系 山中一成町議)
「なんの議会に問いかけもなしに変えてしまったんですよ、方針を。そこが、そもそもの問題の起点なんですよ。僕らにしてみたらセンター方式で決まったものを自校方式に急転換して、なんの説明もなしに自校方式だって一点張りでこられて、どう思います?」
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これに対して、町長を支持する与党系の町議は…。

(与党系 朝子直美町議)
「うがった見方かもしれないけど、(町長に)実績を作らせたくないところもあるのかなと。共産党が推している町長やからアカンみたいなことに、結局なっちゃっているのかなと。」

前川町長は「自校方式」の方が「センター方式」よりも5億円安く運用できると主張していますが、野党側は「試算方法が異なる」などと主張し、今も平行線のままです。

大山崎町の町長は?

何も決められない大山崎町議会。前川光町長はこの現状を一体、どう考えているのか。取材班が直撃しました。まず、一連の問題は誰に責任があるのか聞くと…。

(大山崎町 前川光町長)
「私が提案して、それを理解してもらう努力をしていなかったので、努力が足らなかったことは反省していますんで。校舎に関しては実現したかったんですけど、ちょっと遅れましたけど、実現しますのでやっていきたいと思っていますけど。」

給食問題については?

「センター方式。何回も言うけど、まぁ20点やね。私は別に結果が自校方式の方が(センター方式より費用が)高くても、自校方式を選ぶつもりでいましたから。子どもには作り立てを食べさす。それは基本でございます。」

そして、町議会の混乱についてはどう思っているのか?

「与党6議席、野党6議席なだけに、強気な所と弱気な所、両方を織り交ぜてというのが本音ですね。与党4議席、野党8議席やったら、もうにっちもさっちも、もうよろしくお願いします。」

「町議会」の議長が決まらず

そして、11月26日。取材班が町議会を訪れると…。

(与党系 波多野庇砂町議)
「慣例通りにやりますと、はっきり明言したらいいじゃないですか。」

大山崎町議会では議長が2年で変わる慣例があり10月、2年務めた与党系の議長が辞職を申し出たものの、双方が新たな議長を出さない睨み合いの事態になっていました。

(与党系 波多野庇砂町議)
「何を駄々こねているんですか。」
(野党系 北村吉史町議)
「我々は何も、駄々なんてこねてないよ。こねられているのはあなた方ですよ。」

混乱を極める町議会とリーダーシップを発揮できない町のトップ。誰のための町づくりなのか、住民が置き去りにされています。

(11月30日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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