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【特集】水道の基本料金"無料"のはずが...なぜ?大阪市の減免措置を「受けていない人」がいる実態

2020年11月26日(木)放送

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大阪市では、コロナ禍での経済支援のために、今年7月からの3か月間、水道料金の基本料などが無料になる措置が行われた。全市民が対象とされた救済措置。しかし無料になっていない市民がいた。一体なぜなのか、その真相に迫った。

大阪市民なのに無料になっていない!マンション管理会社に確認してみると…

今年9月、取材班の元に1通のメールが届いた。そこには、大阪市による“上下水道の基本料金を無料にする措置が取られていない”と書かれていた。メールをくれた大阪市内に住むAさんに直接電話で話を聞いた。

(Aさん)
「大阪市が水道料金を減免しているという事実を知りまして。うちのマンションも減免されるかなと待っていたのですが、減免が確認できなかったんですね。」
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大阪市では、新型コロナウイルスによる経済的な影響を踏まえて、上下水道の基本料金を減免する措置を行っていた。大阪市民であれば、1か月あたりの水道料金の基本料金935円と下水道使用料の基本額605円の合わせて1540円が、7月分から9月分までの3か月間、手続きなしで無料になっていた。
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しかし、大阪市内に住むAさんは“無料になっていない”というのだ。一体、なぜなのか。Aさんがマンション管理会社に問い合わせた音声が残っている。

【Aさんがマンション管理会社に問い合わせ時の音声より】
 (Aさん)「7月から9月検針分ですかね。これって、減額はマンションはされないんですか?」
(管理会社)「基本的には減額というのはしてないですけども。もう9月分の水道代、お家賃含めてお支払いはお済みですかね?」
 (Aさん)「そうですね。引き落としされていましたね。」
(管理会社)「ちょっとお待ちくださいね…。水道料金の2000円から減額引いた額で引き落としの方をかけさせていただきます。」

Aさんがマンション管理会社に確認したところ、大阪市が実施する減免措置が適用された。

(Aさん)
「『申告すれば減免してあげるよ』という方針をとっているとはさすがに誰も想像つかないと思うんですよね。大阪市が水道料金を減免している事実を知らない方もいらっしゃるでしょうし。そういう対応はどうなのかなと。」

“無料になる人”と“無料にならない人”の違いは?

大阪市の減免措置を受けていない市民は他にもいるのだろうか。Aさんと同じ管理会社のマンションの住人を取材すると、思わぬ実態が見えてきた。

(減免された市民)
「(水道料金は)減っているなとは思っていましたよ。なんでこんなに少ないんだろうと思っただけで、どれくらい少なかったかは覚えていないです。」

また、別の市民は…

(減免された市民)
「7月は3200円で普通。10月はえらい低いなと思っていてんけど、178円。」

この人が7月に支払った水道料金は3278円だったのに対して、10月に支払ったのは178円と、確かに減額されている。取材班が調べると、大阪市と直接給水契約を結んでいる人は減免措置を受けていた。
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一方で…

(減免されていない市民)
「(Qお支払いされている額は?)変わらずですね。変わらず払っています。通知は来てないと思うんです。管理費の中に一括で(水道料金が)入っているので、それで毎月振り込ませていただいている形です。家賃と一緒にです。」

減免措置を受けていないというこの人は、水道代が家賃に含まれていて、本来であれば水道料金の減免分1540円が引かれているはずだが、通帳を見せてもらうと、8月も9月もこれまでと同じ定額の家賃を支払っていた。

大阪市は管理会社などに“お願い”の文書を送付

減免措置の対象は大阪市と直接契約している人だけなのか。大阪市に確認してみた。

(大阪市水道局総務部 北山昌彦課長代理)
「管理会社さんについては、お願いというところで文書なりを送らせていただいて、(入居者全員に)減免をお願いしている。今回の減免につきましては、建物全体で使った分の部分から基本料金×戸数分(の減額分)を引いてくださいということでお願いしております。」
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大阪市によると、賃貸マンションなどで家賃に水道料金が含まれた定額制になっている場合、大阪市と給水契約をしているのは管理会社やオーナーになるという。大阪市は減免額の1540円を入居世帯分割り引き、管理会社やオーナーに請求しているというが、入居者に減免分が還元されていない可能性があるというのだ。

管理会社が住人に還元できていない理由

取材班は、Aさんのマンション管理会社を含めた10の業者に電話をかけ、“住人に減免分を還元しているのか”を聞いてみた。すると、10の業者のうち、「還元している」と回答したのが5社、「還元していない」が2社、残りの3社が「答えられない」と回答した。

(Aさんのマンション管理会社)
「メディアの方からの協力の依頼は基本的にお受けしていないということで、申し訳ないがお断りするようにということで。」
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その後、さらに取材を続けると、マンションの管理なども請け負う大阪市内の不動産会社から、取材に応じるという連絡が入った。そこで話を聞いた。

(エイトコーポレーション 赤山聡社長)
「賃貸マンションで、元々定額であったものは還元されていないですね。入居申し込みの段階で、共益費も水道代も一緒にしてくれと、そういう契約書にしている場合があるので、そういう分は還元できていません。」

赤山社長によると、膨大な契約者の中で1人1人の契約を確認し直す作業はかなりの時間を要するため、還元できていない業者もいるのでは、と話した。

(エイトコーポレーション 赤山聡社長)
「月1500円くらいのお金かな。返すべしを返さずに会社の利益にしようなんて考えは毛頭ありませんので。オーナーさんとも相談して、必要とあれば返していけばいいのかなと今思いました。」
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大阪市の減免措置を受けていない人がいる実態。法律の専門家は「管理会社側に瑕疵があるとまではいえない」と指摘する。

(なにわ総合法律事務所 吉岡康博弁護士)
「非常に難しい問題なんですけれど、大阪市からオーナー賃貸人に対して出されている文章というのは、あくまでも大阪市からのお願いなんですよね。大阪市からお願いがあったからといって、オーナー賃貸人と賃借人との契約が変わるということはございませんので。法的には当然還元する関係にはないと思っています。」
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大阪市内では2万6000件ほどのマンションで管理会社やオーナーが市と給水契約している。全住民が対象とされた減免措置を受けていない市民がいる以上、制度に問題がなかったのか検証が必要ではないだろうか。

大阪市水道局は「減免期間は7月~9月検針分だが、減免されていない市民は水道局に連絡してほしい。改めて減免分を還元するよう管理会社などにお願いをする」としている。

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