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【特集】『貨物便』が実は活況!閑散の関空で...貨物便が"1.6倍"飛ぶのはナゼ?最新機を導入する企業も!

2020年11月24日(火)放送

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新型コロナウイルスの影響が直撃している航空業界。“インバウンドの玄関口”関西空港への影響も計り知れませんが、その関西空港に今、人知れず活気づくエリアがあります。今回特別に許可をもらって、関西空港の「別の顔」を取材しました。

閑散としている関西空港

10月27日午後1時ごろの関西空港。閑散としています。コロナ前は1日約8万人が利用する国際空港として存在感を示していましたが、現在の利用者はごくごくわずかです。

(利用客)
「めっちゃ店が閉まっていて、ちょっとさびしいなと思いました。ほんまに廃墟みないな感じで。」
(利用客)
「主人が今、上海に住んでいるので、そこに帰るんです。今も見たら(国際線が)3便しかなかったのでびっくりしました。こんな関空見たことないです。」

「通常期の貨物便の1.6倍くらい飛んでいる」

まさに未曽有の危機ですが、そんな状況にあっても活気に沸く場所があるというので、取材班も同行させてもらいました。

(関西エアポート・貨物事業開発グループ 新宮早人さん)
「ここからが国際貨物地区ですね。特別に許可をもらった人しか入れない地域です。」

それが関西空港・国際貨物エリアです。24時間空港ならではの利点を生かし、終日、空輸に向けた作業が行われています。
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新型コロナウイルスの影響で、一時期は自動車関連部品などの輸出が減少しました。しかし、世界の経済活動が徐々に再開し、マスクなどの感染防止グッズや巣ごもり需要で海外のネット通販利用が増加するなど、取扱量はピーク時の9割程度まで持ち直しました。
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(新宮早人さん)
「コロナ当初はですね、マスクや防護服が非常に多く動いていましたが、だいぶ経済活動が戻りつつある中で、これまで通り半導体関係の部品や自動車関係の部品が多く動き出しています。」
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一方で課題もあります。世界の貨物輸送の約50%を担っているのは実は旅客機です。旅客が乗るエリアの下部“おなか部分”に貨物が載せられているのです。しかし今、世界のほぼ全ての旅客便は運休しています。

(新宮早人さん)
「貨物便が今、非常に増えています。定期便以外にチャーター便・臨時便が増えていまして、(今は)通常期の貨物便の1.6倍くらい飛んでいるような状況ですね。」

需要が伸びても、賄いきれない状況なのです。

貨物便の価格上昇…ボージョレ・ヌーボーは“陸路”で

その余波が思わぬところに。毎年11月の第3木曜日に解禁されるボージョレ・ヌーボーです。長年、ワインなどの輸入・販売を手掛ける「徳岡」。例年ならば飛行機で輸入されますが、今年は初めて“陸路”で輸入してきたということです。
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(徳岡グループ 徳岡豊裕会長)
「今、貨物便しかほとんどない状態。この貨物便が取り合いになっている、だから値段が上がると。だいたい3割くらい上がっています。」
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陸路にしたことで価格を3分の1程度に抑えられたといいますが、9500km先の日本を目指してフランスを出たボージョレ・ヌーボーは、東ヨーロッパのベラルーシで約1週間、さらにカザフスタンでも約1週間、税関手続きのために足止めされました。最後は中国でも3日間留め置かれ、日本に届いたのは予定より15日遅れで、ボージョレ・ヌーボー解禁のわずか2日前でした。

(徳岡豊裕会長)
「もう本当にこんなストレスを近年感じたことがなかったです。やっと本当にほっとしています。」

ちなみに徳岡会長も解禁日にはしっかりその味を堪能していました。

(徳岡豊裕会長)
「今年のボージョレは全然違うね!」

貨物専用機を大型の最新機に変更する企業も

高まる貨物需要に攻めの姿勢を見せる企業もあります。10月27日、ドイツの航空会社「ルフトハンザ カーゴ」は、関西空港で運航する貨物機6機全てを、より大型の最新機B777Fに更新すると発表しました。

(「ルフトハンザ カーゴ」ハッソ・シュミット日本支社長)
「貨物専用機を現行のMD11から最新型のB777Fに更新する。新型機の積載量は25%アップし、直行便で関西空港とヨーロッパを結ぶ。」

新型機に初潜入 20tアップ、湿度管理も徹底、人数も省力化

11月4日未明の関西空港。そこに「ルフトハンザ カーゴ」が導入したばかりの新型機が到着しました。この日、日本メディアとして初めて機内の取材が許可されました。
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(ルフトハンザ カーゴ 塩谷和浩部長)
「ここから中に入ります。」
(記者)
「(入り口は)けっこう狭いんですね。」
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一歩中に入ると、真っ白で広大な空間が広がっていました

(塩谷和浩部長)
「ちょうど真ん中の部分が一番高くなっている。一番高いところで3m5cmくらい。」
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従来の機体より20t多い100tを積めるようになったといい、無駄なスペースをださないように荷物は機体の形状に沿った形に固定されています。さらに。

(塩谷和浩部長)
「以前の飛行機ですと、床面の3分の1程度しかモーターがなかったのですが、今回は全面についています。これが導入されたことによって、少ない人数で、省力化が図れた形になります。」

機内は温度管理も徹底されているため、動物の輸送も可能だといいます。約45分、あっという間に積み込みが完了しました。
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(塩谷和浩部長)
「年末商戦に向けて、企業の輸出入が非常に多くなる時期なので、この時期というのは1年の中でも貨物の量が多くなります。経済を止めないという意味で、我々が果たす役割は大きいと思いますので、こういったものを今後とも続けていきたいと思います。」

ワクチンなどの医薬品輸送にも注目

旅客便再開のめどが立たない中、否が応にも貨物への期待が高まる関西空港。さらなる伸びしろとして注目されるのが、“ワクチンなどの医薬品輸送”です。

(関西エアポート・貨物事業開発グループ 新宮早人さん)
「ここがKIXメディカと言いまして、医薬品専用の定温庫です。」

関西空港は医薬品専用定温庫を備えていて、今、世界で開発中の新型コロナウイルスのワクチンが承認されれば、政府は全国民分を確保する方針で、そうなれば大量のワクチンを輸入して、関西空港で受け入れる可能性が高いと言います。
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(新宮早人さん)
「ワクチンに関しては、どういうふうなものが生産されるのか、どういうふうな温度帯で輸送されるのか、あまり決まってはいないが、関西空港でも輸入されることになれば、ここで扱えるのではと思います。関西が元気になって、航空貨物が動いていけば、日本の経済も世界の経済も戻ってくるのかなと。」

インバウンドの玄関口だった関西空港。コロナ禍でこれまで気づかなかった別の顔が見えてきました。

(11月24日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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