MBS 毎日放送

ミント! ミント!

放送終了放送終了

憤懣本舗

【特集】「密」な小学校がさらに「密」に?保護者から「不安」の声 大規模マンション建設中でさらに児童増加見込み...堺市の対策は?

2020年11月16日(月)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

コロナ禍で「密を防ぐこと」が求められる中、堺市のある小学校では児童の数が増え続けていて、保護者から「密すぎる」と不安の声が上がっています。校区内では新たに大規模マンションが建設中で、市議会でも対応を巡って紛糾しています。

教室も運動場も「密」な小学校 休み時間の運動場も学年で“日替わり”で

創立79年の堺市立榎小学校。児童数が年々増えていて過密状態になっているといいます。大阪府堺市に住む東智枝美さん(38)は小学2年生の長男・牧太朗くん(7)を通わせています。
3.jpg
(東智枝美さん)
「右側のグレーの建物が新校舎。教室数が人数多すぎて足りないということで。運動場は見てのとおり。フェンスで囲われているのでこれだけのスペースしかない状態。まだコロナがおさまったわけではないので、運動場ですら密になるという状況はやっぱり不安でしかないですね。」
6.jpg
堺市立榎小学校。児童数は859人で1、2年生のクラスは5組まであるなど、堺区内で一番の大規模校です。3年生の教室を訪ねてみると…。隣同士の間隔が狭く、机も壁ギリギリまで配置されています。まさに密状態。児童の数は38人で、堺市で決められた上限いっぱいいっぱいです。榎小学校ではここ3年で100人ほど児童が増えていて、学校側も限られた空間で対応しているといいます。
7.jpg
(榎小学校 二橋崇浩校長)
「もともとは壁がなかったんですけど、2教室を作るために、ここに壁をつけて仕切って教室を2つ作りました。今となったらそれでなんとか教室が足りていますので。」
8.jpg
小学校では、今後も児童が増えることを見越して運動場に新たな校舎を建設しています。その結果、運動場は市内で一番狭くなり、児童1人当たりの面積は保育所の認可基準にも満たない広さとなるのです。
10.jpg
体育の時間で2年生150人が集まると、この状態です。休み時間も児童全員が運動場には出られないので、日替わりで使える学年が決められています。

(榎小学校 二橋崇浩校長)
「事故の防止であるとか思い切って遊ばせてあげたいと思うなかで、(日替わりにすることを)決めました。少しでも子どもたちが思い切って運動場でも活動できるように考えていきたいなと思っています。」

4年後には児童1000人超予想 さらに「密」になる懸念

自由に運動場が使えないという問題を抱える中、さらに「密」になる可能性が。榎小学校の校区内に建設中の大規模タワーマンションです。300戸以上が販売されていて、新たに60人ほどの児童が小学校に通うと推測されています。ほかにも建設予定のマンションがあるなど、4年後には児童数が1000人を超えるとみられています。

長男の牧太朗くんを榎小学校に通わせている東さん。1歳の來光ちゃんもいずれは榎小学校に行くことになり、不安だといいます。
16.jpg
17.jpg
(東智枝美さん)
「のびのびと楽しく行ってほしいだけなのに、あんなに密になっていると不安しかない。榎小学校の状況、本当に市の人知ってます?みたいな。(スマホの写真を見せて)運動会の時こんなんでしたね。座るの禁止されているので、もちろん日傘もダメなんです。本当にひたすら密なんですよね。この子(來光ちゃん)のとき、本当にどうなるんだろうと思っていますね。」

「大規模タワーマンションの校区を変更しては?」議論続く

こうした保護者らからの訴えもあり、堺市議会では1年以上も前から榎小学校の過密問題を巡って、ある議論が続いています。

(渕上猛志堺市議 堺市議会文教委員会 2020年9月)
「大規模マンションの校区設定について議論をしてまいりました。校区の境にあるこの工事現場を熊野(ゆや)小学校区に移してははどうか。」

実は、大規模タワーマンションの建設場所は、隣の熊野小学校の校区とのちょうど境目にあります。熊野小学校の児童数は305人で、1学年2クラスしかなく、大規模タワーマンションの校区を熊野小学校に変更してはどうかと議論が続いているのです。
20.jpg
取材班が熊野小学校を訪ねてみると、運動場も榎小学校より2000平方メートル以上広いことがわかりました。熊野小学校に通う児童は…

(熊野小学校の児童)
「増えたら楽しい。だって運動場で遊ぶ人いっぱいおるやん。(Q榎小は休み時間、自由に運動場に出られないが?)そうなん。やばいな。」

堺市は一貫して「校区の変更はしない」

議会で議論が続く中、堺市は一貫して「校区の変更はしない」と主張しているといいます。その理由とは…。

(堺市教委 上岡英夫学務課長)
「校区は1つの社会基盤、コミュニティーと考えます。当マンションはコミュニティーの構成要素の1つです。連続性が断たれることになりコミュニティーの分断と考えます。」

「コミュニティーが分断する」というのです。

既に学童保育も“過密状態”…「これからどうなるのか不安は本当に大きい」の声

(渕上猛志堺市議)
「誰と誰が分断されるのかさっぱりわからないです。まだ誰も住んでいない。校区の中にあるマンションであれば(校区変更は)できないが、境界線上。むしろ、熊野小学校に移したほうが、通学路や教育環境の観点で子どもたちのためになる。」
26.jpg
渕上市議によりますと、建設中のタワーマンションから榎小学校に通うためには朝のラッシュ時に5分ほど遮断機が下りる踏切を通らなければなりません。一方、熊野小学校へは幅広い歩道で通学できるといいます。さらに…。

(渕上猛志堺市議)
「放課後の学童保育・のびのびルームに関しては、すでに居室数が不足していて相当な過密状態になっています。」

10月、取材班が榎小学校の学童保育を訪れると…。学童保育には10月時点で約220人の児童が在籍していて、専用教室2部屋では足りず、日によって家庭科室や地域会館などを借りてなんとか運営している状況です。しかし、6年後にはさらに170人ほど増えるとの予想も…。
32.jpg
(榎小学校 のびのびルーム 谷口文美主任)
「『この子が絶対この部屋にいる』というのが決まっていなくて、その日の人数で動いているので、私はどこに行ったらいいんやろうと、子どもたちがうろうろしなければいけないのが一番かわいそう。今は追われている状態なので、子どもたちともゆっくり関わりたいし、これからどうなっていくんだろうなという部分の不安は、本当に大きいですね。」
34.jpg
こうした学校の児童数の偏りを軽減するにはどうすればいいのか。教育の専門家は。

(近畿大学 丸岡俊之教授)
「小学校の敷地をそこから拡大して施設を増設することもあるでしょうし、校区の見直しを検討するということ。(校区外の)学校選択を導入されている地域もあるかと思いますので、そういう手法も検討のそ上にはあると思いますね。」

堺市の見解は?

堺市では市内42の地域で校区外の学校を選択できる制度が導入されています。運動場を狭くして新たな校舎を建てることが最善の策なのでしょうか?堺市は。

(堺市教育委員会 上岡英夫学務課長)
「基本的には、子どもたちの受け入れに対して校舎を増築したなかで受け入れできるという判断にたちましたので、校区は変えない。(マンションの)販売が進んでいると聞いています。もちろん未入居ですが、入居される方のコミュニティーは形成されるものと私たちは考えているところなんですね。(Q入居していないので生活のコミュニティーはまだ形成されていないのでは?)まだですね。(Qまだであれば問題ないのでは?)そういうお考えもあるかと思うのですが、私たちの考えからすると、住んでいる住んでいないかかわらず、一連として榎小学校区としてのコミュニティーが形成されてきた経過がある。」

堺市は学校選択制については「児童数の調整にはならない」と話します。
42.jpg
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、政府の専門家会議(教育再生実行会議)では、少人数学級の実現が検討されていて、各自治体には先を見据えた対応が求められています。

(11月16日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

最近の記事

バックナンバー