MBS 毎日放送

ミント! ミント!

放送終了放送終了

特集記事

【特集】先生も奔走『GIGAスクール構想』上々? 教育現場に「通信」と「情報」

2020年11月06日(金)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

学校に高速ネットワーク環境と1人1台のパソコンを整備するという『GIGAスクール構想』が、新型コロナウイルスの影響を受けて急ピッチで進められています。オンライン授業など様々な可能性を秘めていますが、既にほぼ全ての児童・生徒にデジタル端末が整備されたのが奈良県です。フロントランナーから見えた可能性、そして課題とは。

生徒全員にタブレット配布 回答が先生の端末に瞬時に反映

奈良市立春日中学校では、今年9月から生徒全員にタブレット型の端末を配布して、英語・国語・数学などほぼ全ての科目で使用しています。そのきっかけとなったのが…

(萩生田光一文部科学大臣 4月7日の会見)
「GIGAスクール構想の加速による学びの保障として、補正予算案に総額2292億円を計上しております。」
5.jpg
新型コロナウイルスによる一斉休校などを受け、政府は全国の小中学生1人につき1台の学習用端末などを整備する『GIGAスクール構想』の早期実現を目指しているのです。タブレット型端末などを使い授業に通信を活用する方法は「ICT教育」と呼ばれています。
8.jpg
例えば、テストでは生徒たちの回答が先生の端末に瞬時に反映されるため、採点をする必要はありません。

(英語の教員)
「採点はかなり時間がかかることなので、そこがカットされるのと、データとして残してくれるのは、私たちの仕事を減らしてくれるかなと思います。」

生徒側も…

(中学1年生)
「紙で書いたりしたら、自分の中でもごまかしたりとかしちゃうところがあるから、タブレットだとごまかしたりができないから、頭に入りやすくていいと思います。」

体育の授業でも活用 一方でタブレットの操作に集中しすぎて…

さらに、タブレット型端末とは一見無縁そうな「体育」の授業でも、活用されています。マット運動を行う生徒たちは、お互いをタブレット型端末で撮影。そして…

【撮影した動画を確認する生徒たち】
「足が曲がってる。」
「あー!最後のとこ?」
「うん。」
16.jpg
動画を見て、自分ができていないところを確認し合います。

(中学1年生)
「前よりも先生の話がわかりやすくなりました。」
「タブレットを使った方が映像とか見て練習できるので、使った方が僕はわかりやすいです。」
18.jpg
とはいえ、先生には気になっていることがありました。

(体育の教員)
「どうしても見ることに一生懸命になって。体育だから運動してほしいが、運動よりも見る方に集中してしまって、実際の実技回数が少ないというのが新たな課題かなと思っています。」
20.jpg
実は奈良県は“教員のコンピューター整備率”が2011年から9年連続で全国最下位でした(※文部科学省調べ)。そこで、教員への研修を強化して、GIGAスクール構想を機にいち早くタブレット型端末を揃えました。

(奈良県立教育研究所 小崎誠二主幹)
「研修会を受けている先生は結構いるんですよ、奈良県は。先生たちが自信をもって、いつモノ(PC)がきてもできるようにしておこうよということで、取り組みを始めている。」

「楽しくなった」「便利」と話す児童たち 先生は連絡ツールとしても活用

奈良市の中心部から車で40分、山間部にある奈良市立柳生小学校は、全校児童が39人ですが、ここでも全ての児童にタブレット型端末が渡されています。奈良県では既に9割の自治体でタブレット型端末の配布が完了しているのです。自宅でも使えるように通信機器の貸し出しも行っています。

(小学5年生)
「授業が楽しくなった。紙とかに書くのがちょっと面倒くさかったけど、機械とかでできるのが楽しい。」
「わからないことをGoogleとかで調べられて便利。」

全ての児童・生徒に学習用端末の配布が完了している自治体は全国で1割程度とみられ、奈良県の力の入れ方がわかります。
23.jpg
柳生小学校では、授業だけでなく、児童との連絡ツールにも活用しているといいます。

(5年生の担任)
「警報が出た時の連絡って今まで電話でしていたんですけれど、アプリに『気象警報のため臨時休校になりました』とか書いたら、子どもたちが『連絡ありがとうございます』とか返してくれるので、繋がれるというものになっています。」
24.jpg
宿題もタブレット型端末を活用していました。

(5年生の担任)
「アプリ上には、僕が作った宿題が表示され、『送信』をすると僕の方に届くんですよ。そして、提出が何人とか、100点満点のうち何点とれたのかが表示される。テスト前に、テストに出るような問題やってきてと言ったら、子どもたちは喜んでやります。」

これには校長も思わず…

(校長)
「僕らの子どものころにはないです。そんなこと考えられないです。今何かやれって言われたら、担任じゃなくてよかったなーみたいな。。(笑)」

子どもたちに渡す前に先生も操作を勉強 研修会の様子は…

これから端末を導入するという学校も取材しました。奈良県の川西町立川西小学校には、今年10月下旬にタブレット型端末が届きました。

(教頭)
「子どもたちがこれを開けた時にどんな表情で触れていくのかなっていうのが今からすごく楽しみです。」
27.jpg
早速、放課後に先生たちの研修会が行われました。しかし、先生たちにとっても初めてのことで、なかなか思うようには進みません。

【研修会の様子】
(先生)「そんなん難しいってー。」
(先生)「ほら、もう間違えたで。」
(先生)「字探すのも大変やわ。」

そして、意外なことが先生たちを困惑させていました。

【研修会の様子】
(講師役の先生)「パスワードの基本になるのは、推測されやすいものや自分だとわかりやすいものは避けて、設定をするように伝えていただけたらと思います。」
    (先生)「何かこう、パスワード向きのごろ合わせじゃないんだけど、良い知恵はないかな?誕生日あかんとか言われたら…。」
(講師役の先生)「私らもパスワードをいろいろと持っていると思いますが、それを伝えて例を示すわけにはなかなかいかないのが難しいところだなと思っていまして。」
34.jpg
1時間半の研修を終えた先生たちは…

(小学2年生の担任)
「アルファベットをまだ習っていないので、どのように伝えていったらいいのかなっていうのはすごく心配しているので、時間を取ってしっかり考えていきたいと思います。」
(小学5年生の担任)
「不安もあるっていうのは正直なところで。本当にやってみて、出たとこ勝負じゃあかんとは思いながらも、実際そういう状況になるのかなっていうのが正直な気持ち。」

一方、保護者からも自宅での使い方をめぐり心配する声が…

(小学1年生の児童の保護者)
「家に帰ってYouTubeとか見られるようにしてしまうので、それを簡単に覚えてしまうのはどうかなっていうのはあります。」
(小学1年生・小学4年生の児童の保護者)
「変なものを見ないでねとは言っているんですけど、実際に見ている子はたくさんいるみたいで、学校からはそういうことをしないようにというのは注意は入っていますけど、止められないんじゃないかなと思います。」
35.jpg
ただ、奈良県はタブレット型端末の使用方法についてルール作りはしないといいます。

(奈良県立教育研究所 小崎誠二主幹)
「大人が決めるんじゃなくて、子どもたちにルールを決めさせたいです。子どもたちの意見を取り入れたルールにしてほしい、そういうミッションがある。」
36.jpg
先生の研修が終わった川西小学校では、児童らにタブレット型端末が配布されました。

(小学6年生)
「いよいよタブレットを使えるっていう感じで、それもそれで楽しみだし、学習にも使いたいけど、他にもカメラで友達と写真を撮ったりもしてみたいと思います。」
「パスワードを忘れないかが不安。もし使い間違えたりして大変なことにならないかっていうのが少し不安なところです。」

可能性を秘めるICT教育。端末の普及だけでなく、どのように活用するのか注目です。

最近の記事

バックナンバー