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【特集】「#お金貸してください」SNSで横行する『個人間融資』 法外金利に個人情報流出リスク...それでも"コロナ禍の生活困窮"で利用する人が

2020年10月22日(木)放送

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新型コロナウイルスの影響で収入が激減し、見ず知らずの人からSNSを通じて融資を受ける『個人間融資』が横行している。法外な利息を要求されたり、個人情報がネット上に晒されたりするなど、トラブルが相次ぐ新時代の「ヤミ金」の実態に迫る。

持病の医療費で借金…Kと名乗る人物に『個人間融資』申し込んだAさん

(30代の会社員・Aさん)
「最後の頼みの綱というか、思いついたように、そういえばツイッターで借りられないかなと思って…。」

30代の会社員・Aさん。持病の医療費を支払うために消費者金融から借り入れるなどして、200万円の借金を抱えていた。すでに借り入れは限度額に達していて、途方に暮れる中、SNSでこんな書き込みにたどり着いたという。
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【SNSの書き込み・一部抜粋】
『ん~と、12年個人融資してるよ~詐欺には注意してね~ブラックOKだよ』

(Aさん)
「携帯電話代とクレジットカードの請求。追い詰められていましたね。頼れる人もいないなというところで、わらにもすがる思いで書き込みましたね。」

Aさんには月25万円ほどの収入があるものの、借金の返済や医療費などで首が回らず、SNSでやり取りした見ず知らずのKと名乗る人物から1万5000円を借り入れたという。

1万5000円借りて1週間後の返済は“3万5000円” 詳細な個人情報も要求

AさんがK氏と結んだ契約。初回は少額での融資しか応じないと言われ、Aさんに提示された額は1万5000円。返済は1週間後で、返済額は倍以上の3万5000円を要求してきた。金利は約130%で、年利換算すると上限金利の300倍を超える法外なものだった。(上限金利は年利20%)

(Aさん)
「正直、うわって思ったんですけど、厳しい条件と思ったんですけど、『借りられるなら』という考えが頭の中で一番だったので。もういいや、とりあえず借りよう、という感じでしたね。」
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融資を希望すると、Aさんのもとにはこんなメッセージが届いた。住所・年齢・勤務先の情報、さらには顔写真や家族の携帯電話の番号まで、30項目以上にわたって個人情報を送るよう求めてきたのだ。

(Aさん)
「正直、そこでやめようかなとも思ったんですけど、それでも送ってしまいました。バカだったなと悔いていますね。」

Aさんはその後もK氏から融資を受けたが、今は頼る先が見つかったため、連絡を絶っている。しかし、家族の情報などが犯罪に利用されないか、不安は消えないという。

コロナ禍で国民生活センターに『個人間融資』の相談相次ぐ

今、SNS上にはAさんのように融資を求める書き込みがあふれている。

【SNS上の書き込み・一部抜粋】
『もう4日も何も食べてません どなたかお金貸してくれませんか?』
『コロナの影響で、先月の給料が少なくて 助けてください。』

国民生活センターによると、新型コロナウイルスで職を失うなどして生活が困窮し、SNSを通じて見知らぬ相手から金を借りる『個人間融資』の相談が数多く寄せられているという。
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個人間融資は犯罪には当たらないのだろうか?専門家に話を聞くと。

(やました法務事務所 山下正悟司法書士)
「個人間だからいいのではないのか、という主張をされるんですけれども、SNSで不特定多数の方に呼びかけて貸そうとする行為自体は、完全に貸金業として認定されますので。『貸金業法違反』に抵触しますし、法外な金利を設定して貸し付けることになれば、『出資法違反』という形になります。」

見ず知らずの個人間融資は立派な「ヤミ金」に該当するという。

取材班がK氏にコンタクト 堂々と「ヤミ金」語る

では、Aさんに金を貸したK氏とは一体どんな人物なのだろうか?取材班は、身分を伏せた上で、融資の相談を持ち掛けてみた。

(記者リポート)
「こちらからDMを送ったところ、LINEのQRコードが送られてきました。」
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すぐにLINEでのやり取りが始まった。初回は1週間後に返済で1万円から2万円。仮に2万円借りると、4万円の返済が必要だと吹っ掛けてきた。

取材班はK氏に直接電話で話を聞くことにした。

(K氏)「もしもし。Kです。お世話になります。」
(記者)「2万円借りた場合の利息は?」
(K氏)「利息は初回は10割になっちゃうんですよ。1万円借りたら2万円。2万円借りたら4万円(の返済)。」

やはり、1週間後の返済額は借りた金額の倍になるという。さらに…。

(K氏)「初期費用というのもかかってくるので、5000円かかるんですね。なので2万円を今日お貸しします。手元には1万5000円しか行かないんだけども、1週間後4万円で返してくださいね。」

K氏は“初期費用”が必要として、結局、1万5000円の融資で4万円を返済するように求めてきた。実質、金利は160%以上になる。さらにK氏は饒舌になっていく。

(K氏)「いわゆるヤミ金みたいなもんですよ。借りられない人たちが貸してくれと言って、多少利息が法外であっても今必要だから貸してくれって言って、僕らがレスポンスを見せて上手くやっているわけなので。」
(記者)「借りられない人たちのための?」
(K氏)「ためのというよりは、ビジネスでやっているんで。人助けというわけでは(ない)。まあ助かればいいですよ。喜ばれているから仕事になるので。」
(記者)「違法ではある?」
(K氏)「違法ですよ。完全に。」

堂々と違法な「ヤミ金」だと話すK氏。ここで記者であることを伝えると…。

(記者)「犯罪になるとはわかった上でやっている?」
(K氏)「もちろんです。貸してくれって言うから貸しているだけなので、全然罪悪感はないです。先に情報提供料くださいよ、ハハハ。僕も暇じゃないんでね。」
(記者)「業者でやられているんですか?」
(K氏)「(電話が切れる)」

取材班が「お金を貸してほしい」と書き込むと、わずか10分ほどで「力になります」などというメッセージが立て続けに届いた。その全てが違法な「ヤミ金」か「詐欺業者」とみられている。SNS上では貸し借りのやり取りが繰り広げられる一方で、返済しなかったとみられる人たちの個人情報が晒されるという事態も起きている。金融庁などは、安易に「個人間融資」に手を出さないよう呼び掛けている。

(10月22日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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