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【特集】「7歳です。健康なメスです」雨の中で捨てられていた犬も...コロナ禍で増える「飼育放棄」

2020年10月19日(月)放送

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新型コロナウイルスによる「巣ごもり生活」や、「癒し」を求めてペットを飼う人が増えています。その一方で、安易にペットを購入してすぐに手放す人もいます。コロナに翻弄される動物保護の現場を取材しました。

“巣ごもり需要”で小型犬や猫を飼う人が増加

大阪市中央区にあるペットショップ「トータルペットサービスNone清水谷店」。トイプードル(約45万円)やマルチーズ(約35万円)といった犬のほか、猫のマンチカン(約26万円)などが販売され、売り上げは右肩上がりだといいます。
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(トータルペットサービスNone 大倉一機代表)
「5月くらいから電話はけっこう鳴るようにはなりました。『小型犬いますか?』がほとんどでしたね。ファミリー層の方が多くて、子どももどこにも遊びに行けないとなったときに、ワンちゃんとか猫ちゃんを飼って思い出を作りたいというイメージが強いですね。」
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新型コロナウイルスの巣ごもり需要で室内で飼える小型犬や猫を飼う人が増えていて、売り上げは去年の2倍ほどになっています。

引き取った猫の胃の中には大量の「石」や「砂」が

高まるペット需要。一方で、新たな問題も浮上しています。滋賀県で10年以上前から動物保護のボランティア活動を行っている藤原久美さんによると、今年はペットを捨てる人が増えているということです。

(滋賀県動物愛護推進員 藤原久美さん)
「簡単に飼っては捨てているのかな。モノと一緒、傘と一緒、おもちゃと一緒。(9月の)4連休明けもセンターにひっきりなしに引き取りの電話がかかってきたみたいなので。『引き取ってくれ』と、飼い主が放棄。」
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滋賀県では、飼育放棄された犬や猫、野良犬や野良猫などは動物保護管理センターに収容されます。保護期間は2週間ほどで、引き取り先がないと判断されれば、殺処分の対象になることもあります。滋賀の施設では年間700頭以上が殺処分されています。
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藤原さんはセンターから猫だけではなくモルモットやウサギなども引き取っていて、一時的に飼育した後、新たな飼い主に仲介するなどの活動を行っています。ある子猫の様子について、藤原さんはこう話します。
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(滋賀県動物愛護推進員 藤原久美さん)
「目も“死んでいた”し、生きる気力をなくしているんですよね。あと、背中の部分に切り傷が入っていた。そして、後ろ足がペタンて曲がって、前足だけで歩く形に。」
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藤原さんが引き取って約3か月。今は治療を行い歩けるようになりましたが、引き取った時は胃の中に大量の石や砂が詰まっていたこともわかり、飼い主から虐待を受けていた可能性が高いといいます。
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(滋賀県動物愛護推進員 藤原久美さん)
「全くノミ・ダニがなかったです。耳もめっちゃ綺麗で。私も野良猫を保護したことがあるんですけど、すごく素早く逃げるし、シャーってなるけど、この子は全くならへん。だいたいセンターで収容されている子はそういう子が多いです。飼われていたか、誰かから譲渡されてやったか。」

ペットを「置き去り」にして立ち去る人も

今年8月、千葉県内にあるショッピングモールの防犯カメラが“ある様子”を捉えました。カメラの映像では、帽子を被ってかごのようなものを持った1人の女性がショッピングモールに現れます。次の瞬間、かごを看板の下に隠すように置き、立ち去りました。
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その後、かごの中を確認すると、中には2匹の子猫が入っていました。近くには捨て猫などを保護するカフェがあり、引き取ってもらおうと置き去りにしたとみられています。
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全国で動物の保護活動をするNPOに話を聞くと、こうしたペットの飼育放棄が全国的にも急増しているといいます。

(NPO法人・みなしご救援隊 副理事)
「4月・5月・6月は特にひどくて、ペットショップで買って1週間くらいで手放す人が続出しました。無計画だったということでしょうね。コロナで金銭的・経済的なものであったとしても、例えば自分がもし不意の出来事で飼えなくなった場合に飼ってくれる方をストッパーとして常に考えて話をしておくべきです。」

保護シェルターの収容能力も満杯に近づく

犬や猫の保護活動を行うNPOが運営している滋賀県高島市にある動物シェルターを訪れました。
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こちらでは、主に関西の動物保護センターに収容された動物たちを引き取っています。
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(NPO法人・動物愛護団体「ANGELS」 林俊彦理事長)
「我々がこの子たちを救護しなければ、100%保健所で殺処分されてしまう。今いるのは300頭ちょいくらいかな。だいたいキャパが350頭くらい。目的はいいと思うんですよ、いわゆる癒しを求めるということは。テレワークとかステイホームでペットを飼って大事に育てあげてくれるなら問題ないですけど、コロナが収まった段階で『こんなはずじゃなかった』と捨てる方が増えているみたいなんです。怒りを通り越して本当に情けない。」

新たな飼い主につなげる「譲渡会」そこに一匹の犬が…

NPOでは、こうして全国で引き取った動物を新たな飼い主につなげる取り組みも行っています。9月、大阪市内では「譲渡会」が行われ、滋賀県のシェルターにいた犬や猫たちが運ばれてきました。
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譲渡会は定期的に行われていて、コロナの影響で今年は例年より多くの人が集まるといいます。

(参加者に説明するスタッフ)
「必ず条件としては不妊手術・去勢手術をしてもらうことを絶対としていますので、証明書を必ず提出してください。」
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譲渡会では気に入った動物がいれば、主催するNPO側と面談を行い、さらに、ミスマッチを防ぐために2週間自宅で飼育するトライアル期間が設けられます。その期間に飼い主になつけば譲渡が成立します。

(参加者)
「いろいろコロナの状況とかあって家で過ごす時間が増えましたので、それで家族に相談して犬を飼おうかと。もし我が家で飼えなくなったらどうするかという話をしたんですけど、親戚とかに『お願いできませんか』という話はしてきたので。」
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新たな家族として迎えられるペットたち。その一方で、この日、“ある犬”が突然会場に持ち込まれました。持ち込まれた犬は、譲渡会の2日前に雨の中の公園で捨てられていたのを近所の人が見つけたというのです。

    (スタッフ)「こんなかわいそうな。」
(犬を届けに来た人)「“これ”がぶら下がっていて…」
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犬の首には紙がかけられ、『7歳です。健康なメスです。心優しい方どうか宜しくお願いします』と書かれていました。

(NPO法人・動物愛護団体「ANGELS」 林俊彦理事長)
「夜に雨の中、公園でくくられていた。それも紙を付けて『この子を大事にしてください』とそんな他人任せ。家族として迎えた命です。それをどんな理由があろうとも手放してはダメだと思う。」

コロナ禍で癒しを求めて高まるペット需要。その一方で、犬や猫たちが直面しているコロナによる受難。こうした事態は今後も続くと懸念されています。

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