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【特集】『地元で修学旅行』子ども達のために...大人たちも奮闘 知らなかった「和歌山のええとこ」

2020年10月16日(金)放送

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学校生活の一番の思い出といえば、運動会や卒業式はもちろんですが、「修学旅行」という人も多いのではないでしょうか。しかし、新型コロナウイルスの影響で今年は中止となった学校も少なくはありません。そんな中、子どもたちのために修学旅行をなんとか実施したいと、行き先を『地元』に変更にした自治体があります。初めての「地元の旅」を取材しました。

地元・和歌山で修学旅行!「いつもは奈良・京都」だが児童らは?

(先生)「いつもどこ行ってたかな?」
(児童)「奈良、京都。」
(先生)「奈良、京都行っていたよね。奈良、京都行けないから、今年は…和歌山になります。」

和歌山市にある市立中之島小学校が選んだ修学旅行の行き先は同じ和歌山県内でした。例年だと、奈良と京都を1泊2日で訪れ、奈良公園や太秦映画村などを巡りますが、都市部での感染増加を受け、行き先の変更を余儀なくされました。児童たちはどう思ったのでしょうか。

(児童)「まじか…って思った。映画村にめっちゃ行きたかったから。」
(児童)「正直、京都行きたかった。」
(児童)「でも、行けるだけましやと思う。」
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こんな時だからこそ、市内51校の校長らが協議して、行き先を地元・和歌山に決めました。

(和歌山市小学校長会 岡本晶彦会長)
「世界遺産もあるので、和歌山のことを知ってもらう良い機会になるなと思って、勝浦など南の方面、白浜の方に行こうかとなった。」

“高齢者向け”ガイドがほとんどの受け入れ側も少々戸惑い

白羽の矢が立った町の1つが那智勝浦町。2019年に修学旅行で訪れた学校は10校だけでしたが、2020年は9月~12月で100校以上に。その約8割が県内の学校です。思わぬ修学旅行ブームに少々戸惑ったといいます。
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(那智勝浦観光機構 西村和薫さん)
「大丈夫?できるかな?って不安もありました。特に京都なんて、行ったらなんでもある。それに対してこの小さな町で、どこまで求めているものに対応できるのか。」
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ガイドの皆さんも対応に追われます。というのも、コロナ前は高齢者向けのガイドツアーがほとんどだったためです。どうガイドすれば小学生でもわかるのか、念入りに打ち合わせます。

(熊野・那智ガイドの会)
「普段通りの案内は難しいですね。歴史上の難しい言葉は入れない。」
(熊野・那智ガイドの会)
「和歌山県内にいるが、南部の熊野の方には来たことがない児童・生徒がほとんどで、新鮮な感覚で来てくれるのが非常にありがたいですね。」

コロナ禍の修学旅行スタート!1日目は「串本海中公園」と「熊野古道」

迎えた修学旅行当日。朝7時過ぎ、いつもより大きなバッグを抱え、子どもたちが登校してきます。そして校長先生が挨拶します。

(校長先生)
「今年は紀南方面への修学旅行です。一生の思い出に残る素敵な修学旅行にしてほしいなと思っています。」
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体温や健康状態をチェックし、アルコール消毒をしてからバスに乗り込みます。バスの座席も1席ずつ間隔を空けて座ります。

(児童)「しゃべりにくい。」
(児童)「なんかちょっと緊張する感じ。」

そして地元巡りの修学旅行に出発です。2時間半かけて、まず到着したのは串本町の「串本海中公園」。串本にいる魚だけが展示されていて“地元を知る旅”にはうってつけの場所です。修学旅行の引率は4回目という先生も初めての行き先にドキドキです。

(6年生の担任)
「京都・奈良は行き慣れているんですけど…どうなるのかなというのはちょっと…。」
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先生の心配をよそに、子どもらはカメのエサやりなどに大はしゃぎ。

(児童)
「おー食べた食べた!結構食べてくれるので楽しいです。」

続いて向かったのは、日本三大古道の一つ「熊野古道・大門坂」です。ガイドの皆さんは児童らを案内するための対策を練っていました。
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(ガイド)「和歌山県のヤギは小さいころから“梅”の実を食べて育つねん。その証拠に鳴き声が“ウメー”。」
 (児童)「・・・」
(ガイド)「もうひとつか…。ほな行こうか!」

この日のガイド役・河原さんが思いついた方法はダジャレでした。

(ガイド)「“苔が無くなってん”けど、おっちゃんらはどういうか言ったら、“コケなくなった”っていう。」
 (児童)「あははは!」
(ガイド)「ちょっといけたな!ほな行こうか!」

子どもたちが疲れたころに、ダメ押しの…

(ガイド)「杉には3種類、覚えておいて!小さい杉は小杉、中ぐらいは中杉、大きすぎる杉は太り“すぎ”!」
 (児童)「はははは!」
(ガイド)「いけた?よっしゃいけたな!ということで、行きまひょか!」
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約45分間の散策、手ごたえありだったようです。その後は那智の滝などを観光し、児童らは宿に向かいます。
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(児童)「楽しかったです!けど疲れた…」
(児童)「大門坂と串本海中公園も行ったことなかった。」
(児童)「一番楽しみなのは夜飯や!」
(児童)「ははは!」
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みんな楽しみにしていた夕食の時間ですが…食事中の会話は感染予防のため禁止。みんなが同じ方向を向いて黙々と食べます。

(6年生の担任)
「子どもら同士はどうしても寄って行ってしまうというところはあるので、できるだけ離しながらも、お家から預かって来ている分、そのへんはしっかり守らなあかんこともあるんですけど、なかなか厳しいなというところですね。」

2日目は「太地町立くじらの博物館」と「エネルギーランド」

2日目。捕鯨で知られる太地町の「太地町立くじらの博物館」へ。ここで児童らを待っていたのはクジラたちです。同じ和歌山県内とはいえ、普段は触れ合うことのないクジラやイルカに興奮気味です。
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旅の最後は和歌山県出身で松下電器産業の創業者・松下幸之助の願いでつくられた、白浜町にある「白浜エネルギーランド」を満喫。なかなか触れることがなかった地元・和歌山の歴史や文化が詰まった旅となりました。

児童ら無事に学校に「意外と楽しかった」「行けてよかった」

そして…大きなトラブルもなく、無事に児童らが学校に戻りました。児童らの感想は?

(児童)「意外と楽しかった。」
(児童)「行けてよかったなと思います。」
(児童)「和歌山の良いところも見つけられたので、楽しかったです。」
(児童)「自然の生き物とか、ちゃんと飼育してるんやなって。」
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一方、先生は?

(6年生の担任)「無事、全員帰って来られて、けがも熱もなく帰って来られてよかったなと思っています。」
(6年生の担任)「こんなに長い時間を友達と過ごす経験もなかなかないので、行き先は違ったんですけれども、修学旅行を実施して、その経験ができたというのは、本当によかったなと思います。」
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京都や奈良には行けなかったけれど、地元・和歌山をめぐる修学旅行は忘れられない思い出になったようです。

(10月16日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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