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【特集】「中高生吹奏楽部に舞台を」動いたのは"大学生"...そして"新たな目標に向かう"中高生の思い

2020年09月30日(水)放送

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新型コロナウイルスの影響で、演奏の機会を失くした吹奏楽部の中学生・高校生のため、大学生がコンサートを開催しました。自分たちも演奏ができずに苦悩する中、なぜ後輩のために行動を起こしたのか。「新たな目標の舞台」をつくった学生らと、それに向かった生徒らの想いが交錯しました。

「自分だったらショックだろうなと…」中高生のために立ち上がった大学生

近畿大学・吹奏楽部。新型コロナウイルスの影響で、84人の部員が集まって練習することはできません。ティンパニーを担当するのは主将の米本大輝さん(22)です。

(近畿大学吹奏楽部主将 米本大輝さん)
「去年が関西大会で(代表の)1校に選ばれることができなくて、すごく悔しかったので、今年にかけていました。」

吹奏楽の強豪として知られる近畿大学は、2019年に果たせなかった全国大会出場を目指していましたが、大会は中止に。それでも気持ちが折れずに練習を続けられるのは、高校時代の経験があったからだといいます。

(米本大輝さん)
「高3の思い出ってずっと忘れないと思っていて。(自分は)3年の時に初めて関西大会で金賞がとれて、しんどいことがあってもめげない考えになったと思います。」

そんな思いから、米本さんらはある行動を起こしました。演奏を披露する場をなくした中学生や高校生のためのコンサート『ヒカリコンサート~吹奏楽の輝きをもう一度~』を開催するのです。大阪・堺市の支援事業に認定され、会場費の約150万円は無料になりました。

(米本大輝さん)
「自分が中学3年生や高校3年生だったらショックだろうなと思って、そこから何かできないかなと。これからのステップアップになってほしいと思いますし、思い出に残るようなコンサートにしたいと思っています。」

「今のメンバーでいい演奏をしよう」コロナで大会が中止に…高校3年生の新たな目標

大会のコンテスト部門に一番に申し込んだのは、大阪信愛学院(大阪・城東区)です。高校生と中学生の26人が一緒に活動しています。ホルンを担当する高校3年生の西村日那さん(18)。中学1年生で入部して、6年間の集大成となるはずの大阪府のコンクールが中止となりました。
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(大阪信愛学院 西村日那さん)
「この1年にかける思いはどの年より強かったので、『中止』という事実を受け止めるまでにすごく時間がかかりました。」

そんな時、米本さんらが開催する『ヒカリコンサート』の存在を知りました。

中高合同で部活動を行う信愛学院は、楽器を持って日の浅い中学1年生の生徒も一緒に演奏します。演奏する曲は、全員の音を合わせるクライマックスが見せ場となりますが…なかなか音が合いません。

受賞を目標としていた大阪府のコンクールは中止となりましたが、ヒカリコンサートでは別の目標ができました。

(西村日那さん)
「吹奏楽コンクールで金賞をとるという大きな夢があったんですが、実現できなくなってしまったので、それなら今のメンバーでいい演奏をしようという目標を今は持っています。」

この日、西村さんは最後まで中学生の練習に付き合いました。

“コロナ対策”会場を下見

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近畿大学の米本さんらが、会場となるホール「フェニーチェ堺」の下見に訪れました。来場する生徒や保護者らが密な状態で接触しないように動線を入念に確認します。“かけがえのない経験を”と開催を決めた以上、感染者を出すわけにはいきません。

コンサート当日 ステージを支える大学生

9月26日、いよいよコンサート当日。

(スタッフらに挨拶する米本大輝さん)
「おはようございます。きょうの1日、長くて大変だと思うけど、がんばってください。お願いします。」

運営にかかわるのは約50人の大学生。もちろんこうしたコンサートを開催するのは初めてで、どこかぎこちない様子です。
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そんな中、コンサートに参加する高校生から感謝の手紙が手渡されました。何よりうれしい瞬間でした。
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参加したのは42校。コンサートが始まりました。舞台裏でモニター越しに演奏を聴く米本さんは思わず…。

(米本大輝さん)
「うらやましい。」
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心配していた客席の入れ替えもスムーズに。ところが…。
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(大学生)「もうすでにおしてるって。15分から始まらなあかん。」
(米本さん)「本番が?やばいやばい…。」

舞台の消毒に手こずるなど、気持ちに余裕がなくなっていきます。

それでも進行するにつれ、運営する米本さんらに笑顔が見え始めます。

「大阪信愛学院」の演奏

中学と高校が合同で活動する「大阪信愛学院」が会場入りしました。西村日那さんは直前まで中学生をサポートします。
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(大阪信愛学院 西村日那さん)
「みんなと一緒に最後まで吹き抜けられたらそれでいいと思います。」
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そして本番。中止となった夏のコンクールで演奏する予定だった曲「斐伊川に流るるクシナダ姫の涙」を『ヒカリコンサート』で披露しました。

演奏できた中高生、開催した大学生の思い

演奏が終わり、西村さんに話を伺いました。

(西村日那さん)
「なによりこのメンバーで吹けたことがものすごく幸せです。このコンサートに向けて頑張ることができて、目標に向かって努力することがこんなにいいことというのを、改めて実感しました。」

開催した思いは生徒らに伝わったようです。

そして、近畿大学吹奏楽部主将の米本大輝さんも…

(米本大輝さん)
「一つのことに取り組んでいる姿を改めて中高生から教わった。今は活動できていないんですけど、次は自分たちで演奏会ができるように頑張っていけたらなと思います。」

(9月30日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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