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【特集】強盗実行犯を募る"闇バイト"指示役が語った計画...その後事態は急展開 記者の直撃で見えた"裏側"とは

2020年09月24日(木)放送

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SNSで広がる「闇バイト」。特殊詐欺の受け子の募集などが問題となっていたが、最近では強盗の実行犯を募集するケースが増えている。今回、取材班は“ある強盗事件”を企てる人物と接触。すると事態は思わぬ展開となった。

SNSで横行する“仕事”の依頼

今、SNSで「闇バイト」と検索すると、「一攫千金」や「ガッツリ稼げます」などと“仕事”の依頼がヒットする。この多くが犯罪の実行役を募ったものだとみられている。今年6月、取材班は闇バイトを募集していたアカウントにメッセージを送り、取材した。

【闇バイトを募集していた人物との電話】
 (男)「もしもーし。」
(記者)「もしもし。仕事内容は?」
 (男)「『受け出し』ってわかります?」

男は高齢者からキャッシュカードなどをだまし取る「受け子」のリクルーターだった。
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(男)「対面して(キャッシュカードを)受け取るのは2分くらいで終わると思います。報酬は、受けて出してもらってのお金があるじゃないですか。その何割かを抜いてもらって、残りはロッカーに入れておいてくださいねっていう感じです。大体10万円~30万円くらいが相場ですかね。」

こうした特殊詐欺の闇バイトをめぐっては、SNSを利用する若い世代がアルバイト感覚で請け負い、警察に逮捕されるケースが増えている。
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そんな中、今、警察が最も警戒している闇バイトが『強盗』だ。今年3月、大阪市内の住宅に強盗目的で押し入ったとして、15歳と17歳の少年が強盗容疑などで逮捕された。元々2人は面識がなく、ツイッターから闇バイトに応募したという。

強盗の隠語『叩き』を募る“赤坂”と名乗る男と接触

では、一体どのようにして強盗の実行犯を募集しているのだろうか?取材班がツイッターを調べてみると、「お金が欲しい方連絡下さい。激アツ案件ありますよ」という文言とともに、強盗を表す隠語『叩き』と書かれた投稿を見つけた。メッセージを送ってみると、「テレグラムお持ちですか?」とすぐに返事が返ってきた。
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テレグラムとはロシアの企業が開発したメッセージアプリで、やりとりした文章や画像が一定の時間を経過すると自動で消去され、一度消去されると履歴の復元は難しく、犯罪に利用されるケースが多い。テレグラムを通じて取材班に送られてきたメッセージに返事をすると、「赤坂」と名乗る男からメッセージがきた。

【赤坂と名乗る男からメッセージ】
「偵察係が念入りに取材した案件です。客は一人暮らしの老人です。工事業者を装って自宅に入れてもらいます。客が隙を見せたら口元をタオルで押さえて、ガムテープで縛ります。お金がどこにあるか確認します。お金を持って逃げます。」

赤坂と名乗る男のメッセージは、強盗の手順が書かれたものだった。

強盗の計画を話す“赤坂” 逮捕されないための策も?

今年9月8日、取材班は実態を明らかにするため、記者とは告げずに電話をかけた。

(赤坂と名乗る男)「はいはーい、おつかれさまでーす。初めまして、赤坂です。」

軽い感じで話し始めた“赤坂”。

【赤坂と名乗る男との電話】
 (男)「どこにお住まいです?」
(記者)「大阪です。」
 (男)「大阪ですか。大阪だったら…10日って空いてます?」
(記者)「あさってですか?」
 (男)「そうですね。どの辺って言えないんですけど、1人じゃなくて3人で行きます。」

“赤坂”によると、『9月10日に大阪府内で業者を装って高齢者宅を狙い強盗を行う計画』だという。報酬は100万円。さらに、逮捕されないための策があると話す。

(男)「偽警察部隊が突入して、そこで折り返し番号とか伝えるんですよ、客(被害者)に。なので、その後も客が警察に電話したと思っても、うちに電話してるんで、事件が実際に起こっていないっていう状況にするんです。」

“赤坂”の説明によれば、強盗事件を起こした後、別の共犯者が警察官を装って被害者宅を訪れ、偽の被害届を出させて事件の捜査が行われているかのように思わせるというのだ。

 (男)「リスク的にはすごく低くなります。相手にするのは若者じゃなくて、1人じゃ警察署にも行けないようなじいちゃんばあちゃんなんで。1週間もすれば忘れるから。」
(記者)「これ強盗って犯罪じゃないですか?」
 (男)「強盗…一応本人の許可を得て家の中に入るので、強盗ではないですよね。」

記者はここで身分を明かし、本当に強盗を実行するのか、問い質すことにした。

(記者)「赤坂さん、実は私、毎日放送の記者なんです。」
 (男)「はい。」
(記者)「これはれっきとした強盗ですよね?」
 (男)「……(無言)」
(記者)「暴行・脅迫をしてお金を盗むのは強盗じゃないんですか?」

すると突然、電話は切られた。その後、何度かけてもつながらなかった。やりとりしていたテレグラムも直後に全て消去された。取材班は念のため大阪府警に通報した。しかし、電話から2日後の“9月10日”に事件は起きた。

電話から2日後に強盗事件発生 容疑者のスマホには“赤坂”と接触した形跡

事件は、大阪府藤井寺市の住宅に防火設備の点検を装って訪れた男2人が現金2万円や通帳などを奪い、住人の女性を粘着テープで縛って逃走した、というものだ。「業者を装って高齢者宅を狙う」「被害者を縛る」など、“赤坂”が説明した内容と藤井寺の事件はほぼ一致していた。取材班との電話でのやりとりではこんな話もしていた。

(記者)「逮捕されるリスクはどう考えているんですか?」
 (男)「弁護士通して警察とも戦ってるんで、これは強盗じゃないよと伝えてます。大丈夫です。」
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しかし、事件から8日後、実行犯とみられる男らが強盗容疑などで逮捕された。逮捕されたのは名古屋市の樽本裕介容疑者(29)や神戸市の建部仁輪容疑者(22)ら3人だ。大阪府警の捜査幹部は、事件と“赤坂”との関係についてこう話す。

(大阪府警・捜査幹部)
「容疑者から押収したスマートフォンに“赤坂”と接触した形跡がある。“赤坂”から指示を受けて強盗したと供述している。」

逮捕されないための策…“偽警察部隊”が現れなかったワケ

「“赤坂”の指示だった」と話す容疑者たち。しかし、事件では“偽警察部隊”は現れなかったという。これについて捜査幹部は…

(大阪府警・捜査幹部)
「闇バイトのリクルーターは、逮捕されないという安心感を持たせるために、だまして犯行に加担させる。一度でもやってしまうと犯罪組織から逃れられない。」
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事件後、建部容疑者はツイッターを使って別の闇バイトでリクルーターをしていて、樽本容疑者は大阪の事件以外にも関東と名古屋で合わせて5件の強盗をしたと供述しているという。警察は、“赤坂”を含め指示役などについても捜査を進めている。

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