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【特集】ムクノキにすみつく「サギ」に対策は?ロケット花火発射も"効果なし" フンに鳴き声、悪臭に住民困惑

2020年09月22日(火)放送

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兵庫県丹波篠山市の山間の集落で、シンボルともなっている大きなムクノキに「サギ」がすみついていて、夜には鳴き声が響き渡るなど住民たちを悩ませています。

もはやムクノキではなく“サギノキ” 道路はフンだらけ

丹波篠山市の川が流れる静かな集落。その堤防に1本の「ムクノキ」がそびえたっています。9月、近くに住む人に話を聞くと…

(近くに住む人)
「正直びっくりしました。こんなにいるとは思わなかったので。動物園に行かなくていいなみたいな。」
(近くに住む人)
「夜通し鳴いてる。もう慣れているから。サギにも慣れているから。」

住民らによりますと、ムクノキには「サギ」と呼ばれる鳥がいるというのですが、1羽も見当たりません。
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しかし、道路には鳥のフンらしき跡があり、木の真下のお地蔵さんにも至るところにフンらしき跡がありました。取材班は「サギ」が現れるのを待つことにしました。

(記者リポート)
「午後4時。今のところサギの姿はまだ見当たりません。」
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午後4時半になると…

(記者リポート)
「今サギが一羽帰ってきました。」

少しずつムクノキに集まりだす、白い鳥「サギ」。大きさは90cmほどでしょうか。
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さらに1時間半後の午後6時。

(記者リポート)
「午後6時になったとたん、サギの群れが次々と木に帰ってきています。」
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午後6時半にもなると、サギの群れで白い花が咲いたようになり、もはやムクノキではなく“サギノキ”です。

ムクノキに「コロニー」 住宅街で夜に響き渡る“鳴き声”

水鳥の仲間である「サギ」は、春先から夏の終わり(3月~9月ごろ)にかけて巣を作り、たくさんの巣が1か所に集まった「コロニー」を形成します。コロニーは近くに川や池があるところに作られ、日中は巣を離れ田んぼや川で餌集めをし、夜になるとムクノキに帰ってきます。すると、住宅街では…。

「ガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガ」

鳴き声が響き渡ります。特に繁殖期の7月ごろは“大合唱”になるといいます。
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ムクノキがある河原町に住んでいる森本浩さん(72)。10年以上も前から「サギ」に悩まされています。

(森本浩さん)
「こういう毛ありますね。この毛ね。こういうのがいっぱい飛んでくんねんで。フンによる悪臭。それから鳴き声。浮遊物がいっぱい飛んでくる。窓が開けられないんでね。」

被害は毎年3月ごろから始まり9月には巣立ちのためいなくなるといいますが、2020年はまだ居座っています。

(森本浩さん)
「市長に面会して話をしたことはあるんですけど、こののり面が県の管轄なので直接は動いていただけない。」

ムクノキを伐採できないわけ

打つ手がないというサギのコロニー。実はこのムクノキの「サギ」はもともと、別の場所から移動してきたといいます。

約20年前、河原町のムクノキから300mほど離れた別の木にサギがコロニーを作っていました。しかし、住民からの苦情を受けて伐採。今度は西に1km離れた別の木に大移動しました。その後も引っ越し先で苦情が相次ぎ、伐採と移動を繰り返し15年ほど前にムクノキにたどり着いたといいます。
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では、このムクノキは伐採することはできないのでしょうか。丹波篠山市の担当者に話を聞くと…。

(丹波篠山市・森づくり課 押田健一課長)
「地域の名木に指定されている木でもございますし、堤防に直接大きな木が生えているので、これがなくなることによって堤防の強度も心配されますし、お地蔵さんの横にある大きな木で、“ご神木”という思いの人もいて、なかなか伐採できていない原因だと思われます。」

丹波篠山市は地域に補助金を出すなどして追い払う支援をしていますが、ムクノキを切ることができす対策は難しい状況です。

木を伐採しても隣の木に移動しただけ

丹波篠山市内では2020年は3か所で大規模なコロニーが作られました。その1つが福井地区です。この地域でも住民とサギとの闘いが続いていました。

2020年1月の映像を確認すると…サギとの闘いに終止符を打つために、住民らがサギがすみついた木を伐採しました。これでようやく被害が収まるかと思いきや、サギは遠くに移動することなく、伐採した木の隣の木に移動しただけでした。
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(福井地区に住む西田広文さん・72歳)
「来ないのちゃうかなと思っていたけど、結局今ある2番目に大きい木にね…。やっぱり諦めムードやね。おらんようになったら一番ありがたいんやけど、解決策が見つからへんね。」

「鳥獣駆除用のロケット花火」発射しても…

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そんな西田さんが今できる対策は「鳥獣駆除用のロケット花火」。一体、どれほどの効果があるのでしょうか?1発発射してみますが…サギは全く逃げません。

(西田さん)
「こんなことはないんやけど、1回はザーッと飛び立つんやけどな。戻ってきたな。(花火を)鳴らしとるのにな。(もう1羽)増えとるやないか。弱ったな。」

続いて2発目。

(西田さん)
「逃げた。よっしゃ、成功。」

ロケット花火に驚いて飛び立ったサギ。しかし、その5分後には、また戻ってきてしまいます。
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(西田さん)
「戻ってこなかったらやりがいがあんのやけど、なんぼやっても5分か10分して戻ってくるさかいね。ひと月くらいはやったんやけど、もう根負けしましたね、鳥に…。」
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人と鳥の攻防はこれまで大阪の市街地でも何度も繰り広げられてきました。2013年には堺市堺区でも、

(記者リポート・2013年)
「どこからともなくムクドリの集団が飛んできています。」

堺市役所の近くに現れたムクドリ。堺市の職員が「嫌がる音」を出しますが…。

(記者リポート・2013年)
「木にはおびただしい数のムクドリが止まっているのですが、まったく反応はありません。」

その後も、天敵の鷹を放つなどと試行錯誤が続きました。

“いたちごっこ”に解決策は?

2020年9月、丹波篠山市にコロニーを作る「サギ」。木を伐採してもまた近くの木に移るなど、いたちごっこが続いています。根本的な解決策はないのでしょうか?
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(サギの生態に詳しい遠藤菜緒子さん)
「被害が少ないならばちょっと我慢して、そこにいついてもらうと。どこか行く場所があるかとか、今度移るような先ではサギがいつくことができるのか。そのようなことを大局的に考えて追い払いなどをする必要があるのではないかと思います。」

すでに20年以上にわたって「サギ」と共存している丹波篠山市の住民たち。諦めムードも漂う中、2021年に向けて今後どうしていくのか検討していくということです。

(9月22日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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