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【特集】納得できない!大学に通えないのに「学費満額」に疑問 声をあげる大学生たち

2020年09月14日(月)放送

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新型コロナウイルスの影響で、今も多くの大学で通常の授業が行えずキャンパスはひっそりとしています。そんな中、「大学に通えないのに学費が変わらないのは納得できない」という声が学生らからあがっています。

「授業の質が学費に見合っていない」学費に疑問

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関西学院大学・教育学部4年、江頭翔太朗さん(23)。教育学部生の江頭さんが必修科目「図画工作」の課題作品としてつくったものを撮った写真には、マンガがツリー状に積まれていました。

(関西学院大学4年 江頭翔太朗さん)
「テーマが『積み重ねる』。いろんなものを何でもいいから積み重ねると。積み重ねるものってこれ(漫画)しかないとなって…」

大学は対面の授業を中止しているため、自宅でマンガを積んで、その写真を提出したというのですが…。

(関西学院大学4年 江頭翔太朗さん)
「1人で淡々とこれを積んでいるとなると、ふとした瞬間に『何してるんやろう』みたいな時はありましたね。学校に行けないことが、こんなにストレスだとは思わなかった。僕自身も。」
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この日、久しぶりに大学へ行きました。といっても、もちろん授業ではなく、学生新聞の取材を受けるためです。

(江頭翔太朗さん)
「学費の減額と春学期の一部返金を求めようかと思っている。」

取材のテーマは学費についてです。江頭さんは「コロナ禍で大学の授業の質が学費に見合っていない」として、インターネット上で署名活動を行っているのです。

(学生新聞の記者)
「学生に、授業がどうだったかというアンケートをされていたと思いますが、署名と同時に始められた?」
(江頭さん)
「そうですね。いろいろ授業料にふさわしかったのかを聞いたのですが、ほとんどの学生が『いいえ』だった。」

江頭さんが関西学院大学の学生や保護者を対象に行ったアンケート結果です。「コロナ禍での授業形態は学費にふさわしかったか」という質問に対し、「はい」と答えた学生はわずか4%でした。

【アンケートに寄せられた声より 一部抜粋】
『施設は利用していないのに、施設料を取られるのはちょっと。』
『課題だけであの授業料は高額すぎる』
『家賃も支払い、学費も支払い、通えない…』

江頭さんの場合、現在の年間の学費は「授業料」と「施設利用料」あわせて約120万円。今年4月以降、新型コロナウイルスのため授業は全てパソコンで講義を聞いたり課題を提出したりする「オンライン授業」となりました。さらに、図書館などの施設の利用も禁止となり、通常の学費は割に合わないと主張しています。

(江頭翔太朗さん)
「教育学部なので、体育だったら体を動かしたりとか、図工だったら美術室に行って作品を作りましょうとか、そういうことが(コロナで)一切できなくなってしまったので、今は。」
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オンラインで友人と話しますが、話題は学費についてです。

(江頭さん)「いろいろ考えた末での課題のみ(の授業)というのはわかるんだけど、やっぱりそこを考えたときに、『これで授業料取られるのか』とは親は言っていた。」
  (友人)「そうやな、うちの親もそんな感じ。自分の中で自学自習として完結しちゃっていて、これだったら大学に通っている意味がないなというのが本音かな。」

「思い描いていた学生生活」とは程遠い生活に…

一方、京都市北区の立命館大学でも、春学期は対面型の授業や課外活動が制限されました。今年の春、立命館大に入学した仲村空さん(19)。この日の昼食は、地域から無料で提供されたそうめんのみ。経済的な事情から食費はとことん切り詰めています。

(立命館大学1年 仲村空さん)
「親の経済状況が今あまり良くないのと、下に兄弟がいるので僕は仕送りをもらえないなと。」

奨学金は毎月16万円が支給されますが学費の返済に10万円、そして家賃4万4000円が毎月引かれると、残りは携帯料金と光熱費でほぼ消えてしまいます。
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そのため、食費などはアルバイトで賄う必要がありました。しかし、スマートフォンのカレンダーを見せてもらうと…

(仲村空さん)
「(4月は)3日ですね。生活費すら全然稼げない状況。」

夢を抱いて入学したもののオンライン授業のみのキャンパスライフ。学費には納得がいかない様子です。

(仲村空さん)
「月額10万円くらいと考えると、正直疑問だと思いますね。思い描いていた学生生活とは程遠い生活になっていますね。」

立命館大の学生新聞の調査では、約1割の学生が退学を視野に入れているという結果になりました。経済的な不安が大きいことが原因とみられています。大学側もこの結果について重く受け止めているといいます。

(立命館大学 上野隆三副学長)
「学生にとっても初めての経験ですし、非常に不安に思っていたということは間違いないと思う。(学生が)学ぶ意欲を継続させ、学んでもらえるようにするのが大学としての責務かなと思う。(Q学費そのものを安くすることの、検討の余地は?)なかなか答えにくい質問なのですが 立命館としては緊急の支援などしてきた。それとは別に経済支援のシステムもだいぶ前からやっているので、そういう支援に関して、より充実させて、学生たちの実情に沿えるよう考えていきたい。」

立命館大はオンライン授業の環境などを整える費用として全学生に3万円を支給し、経済的に困窮する学生には9万円を支援していて、学費の減額などは現時点では検討していないといいます。

仲村さんにも大学から、合わせて12万円が振り込まれました。

(仲村空さん)
「助かりはしましたけど、学費の根本的な減少ではないですし、一番に苦しかった4,5月ではなく、その後になっているので、対応としては一歩遅れているのかなと。次、第2波第3波がくることを予想して、あらかじめ学生には補助しておく必要があるのではないか。」

そして取材をした日、仲村さんはアルバイトへと向かいます。

(仲村空さん)
「実際に大学生として、本当に大学生なのかなと思っていますね。」

これが、この日の唯一の外出でした。

“学費の減額”を求め…嘆願書などを学長宛に提出

9月8日。関西学院大の江頭翔太朗さんはアンケート結果とともに、学費の減額を求める署名や嘆願書を学長宛に提出しました。

(関西学院大学4年 江頭翔太朗さん)
「やれることをやっていただいているというのも、もちろんわかっているので、それに対する対価、ふさわしい対価というのを求め続けたいと思っています。」

(9月11日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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