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【特集】新選組屯所の隣に『7階建てマンション計画』"開発基準満たしていない"と指摘も...京都市はナゼ開発許可?

2020年09月07日(月)放送

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幕末の京都を舞台に活動した「新選組」。そのゆかりの地はファンらが訪れる聖地となっていますが、突如そこにマンションの建設計画が持ち上がり、新選組の子孫までも巻き込んだ騒動となっています。

旧前川邸の隣に「マンション計画」

古い町並みが残る京都市中京区壬生。この一帯は、幕末の動乱期に京都の治安を守るために結成された「新選組」のゆかりの地として知られています。訪れていた人は…

「土方歳三がダントツで大好き。」
「自分の意志を貫いたところが本当にかっこいいと思います。」
「趣があるというか、当時のままなんだなっていうのが、すごくよかったです。」
「ファンにとっては聖地じゃないですかね。」
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今も根強い人気を誇る新選組を率いた局長の近藤勇と副長の土方歳三。
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壬生地区には、新選組の墓がある「壬生寺」や、近藤勇らが宿泊所として使い“京都市指定有形文化財”に指定されている「八木邸」、長屋門など当時のまま現存している「旧前川邸」など、こうした遺構が歴史を語る場所となっています。

しかし今、住民やファンだけではなく、新選組の子孫らも悩ます問題が起きています。

(田野一十士さん)
「こちらが八木邸で(観光客は)壬生寺から来られて八木邸に入られて、ここで(旧前川邸の)蔵が見えるんです。その後ろ側に7階建ての建物が見えるという状態になってくるので。」
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旧前川邸の東隣のぽっかりと開いた空き地に、7階建てのワンルームマンションの建設計画が突如持ち上がっているのです。祖父の代から旧前川邸を受け継ぎ、60年以上旧前川邸で暮らしてきた田野一十士さん(65)は景観を守っていきたいと訴えています。

(田野一十士さん)
「7階建てというのが一番のネックになっていまして。境界から50cmのところにマンションが建つというのは、許せないというと変な言い方ですけど、やっぱり容認できない。」

田野さんが憤るのにはもう一つ訳がありました。

(田野一十士さん)
「凄惨な拷問が行われたという蔵です。」

旧前川邸は、当時新選組の宿泊所として使われていた一方で、名を馳せた「池田屋事件」のきっかけとなった拷問が行われた場所とされています。京都市が「景観重要建造物」に指定していますが…田野さん、床下を見せてくれました。
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(田野一十士さん)
「もしかすると“その時”に崩れたのかもしれないんですよ。あそこの部分が。」

2年前に行われたマンション計画地のボーリング調査の際に、振動などで蔵の漆喰や外壁の銅板が剥がれたといいます。

(田野一十士さん)
「見えない部分もダメージを受けている可能性もありますので、その辺りもやっぱり心配は心配しているんです。」

2021年秋の完成を目指して近く工事が始まるとみられていますが、建設自体に問題はないのでしょうか?

京都市の開発基準に“満たしていない”?

京都市が都市計画法に基づいて示した開発基準を確認すると、京都市では100戸未満のマンションを建設する場合は、車両や通行人の支障がなければ、幹線道路につながる道幅が4m以上あれば可能とされています。しかし…。
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(記者リポート)
「マンション計画地に続く一方通行の道路ですが、道幅が4mを満たしていない箇所がかなりあります。」

マンション予定地に接するのは一方通行の道で、幹線道路から予定地に向かう車両は必ずこの道を通ることになります。しかし、住民らによりますと、道幅が4mを満たしていない場所が7か所あるといいます。

(近所の住民)
「こちら一方通行ですよ。常識的に考えたら車が向こうから来て、ここを通るのに道路幅がないといけないと思うんですけどね。」

取材班が現場で車が通る様子を確認しても、確かに道幅は狭いように見えますが、京都市は2020年5月に開発許可を出しています。一体どういうことなのか?住民らが市にその理由を確認すると…。

(京都市)
『京都市では、マンション計画地につながる道が一方通行であっても、別の道が要件を満たせば開発許可を出している。』

市は幹線道路から入ってくる道が一方通行で狭い道であったとしても、マンションから幹線道路へつながる道の幅が4m以上あることから“支障がない”として、マンション建設の許可を出したとしています。

新選組の子孫も反対

田野さんらは今年8月、開発許可を出した判断は釈然としないなどとして、市に開発許可の取り消しを求めて審査請求し、許可の効力停止を求めました。
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ファンなどから集めた約4300人分の署名も提出され、その中には新選組の近藤勇や土方歳三の子孫や親族も名を連ねています。

(田野一十士さん)
「隊士のご子孫の方とかもご協力をいただきまして、やっぱり『景観にあわないものはやめてください』というのがほとんどですね。」

取材班は事業者側に工事の概要などを聞くために何度か取材を申し込みましたが『担当者が不在のため答えられない』という回答でした。

京都市の門川市長の見解は?

幕末の京都を象徴する地で景観が損なわれる可能性もあるマンション計画。景観政策に力を入れている市長はどのように考えているのか?直接、話を聞きました。

(京都市 門川大作市長)
「京都は遺産の都市ではありません。景観と活力ある住みやすい街をどう両立させていくのか。前川邸の隣に建つマンションについても、デザイン等をしっかりと考えていただき、地域住民との話し合いもしていただく。」

一方通行であっても道幅を考慮しないことについては…。

(京都市 門川大作市長)
「実質4m取れたらという開発許可基準をすでに示してまちづくりをしている。(Q開発許可基準にないものもあるが?)一方通行のことをおっしゃっているんですけど、一方通行だから開発許可ができませんという事例は今までにございません。」
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京都の治安を守るために奔走したとされる「新選組」。その遺構や景観は後世のために守られていくのでしょうか?

(9月7日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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