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【特集】「検査受けるまで5日」「保健所から連絡が来ない」"第2波"感染者が訴えるもどかしい現状

2020年08月13日(木)放送

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新型コロナウイルスの感染再拡大で、大阪では1日の感染者が200人を超えるなど、数だけをみると「第2波」の真っ只中と言える。今、感染したらどうなるのか…。第2波の感染者たちを取材すると、“患者置き去り”の実態が見えてきた。

SNSに書き込まれる「患者たちの心境」

今、SNS上で新型コロナウイルス患者たちが心境などを綴っているのが、『#第2波』。Twitterなどには「保健所電話してもつながらない」「1秒でも早く家族と隔離された生活がしたい」「濃厚接触者で症状出てるのに後ほど電話しますからの3日放置」といった文章が投稿がされている。もし今、感染したらどんな状況に陥るのだろうか。取材班はSNSを通じて第2波の感染者に取材を申し込んだ。

「たらい回し。連携がうまくいっていない印象」

オンライン取材に答えてくれたのは、軽症者用ホテルで療養生活を送る20代の女性Aさん(関西居住)。Aさんは夫と2人暮らしで、7月下旬に夫が発熱して病院を受診したところ、「単なる風邪」だと診断された。しかし、翌日になって嗅覚異常がみられ、Aさんも発熱したことから新型コロナウイルスを疑い保健所に連絡したという。

「正直かなりショックがありました。心のどこかで『まさか自分が』というのがあったので。(保健所からは)『病院の指示がないとPCR検査が受けられない』と聞いて、病院の方からは『保健所に紹介してもらってください』と言われたので、たらい回しというか。私も主人も具合が悪かったので、何回も電話しなきゃいけない、それがちょっとしんどかったです。」(Aさん)
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第1波の時に「PCR検査が受けられない」という声が相次ぎ、東京では1日の検査数が4000件を超えるなど体制の強化を進めている。しかし、Aさんの夫は発熱してから検査を受けるまでに5日かかっていて、第2波の患者も容易には検査を受けられないケースも見受けられる。

「自分が感染してみて、保健所の方・病院の方・ホテルの方、それぞれの連携がなかなかうまくいってないような印象でした。何回も同じことを繰り返し話すのが大変だったので、情報共有ができていればもっとスムーズにいくのかなと思います。」(Aさん)

感染確認後に、保健所から1週間以上も連絡がなく…

「現在、沖縄県の医療提供体制はひっ迫した局面にあります」(沖縄県 玉木デニー知事)

8月9日に新規感染者が最多の159人確認された沖縄県では、病床使用率はすでに100%を超えていて、「医療崩壊」の危機に直面している。オンライン取材に応じてくれた那覇市に住む小谷将寿さん(32)は、7月27日に感染が確認されたという。

「コーヒー買って飲んだら、においも味もしないで水みたいだったので、ちょっとおかしいなと思って。」(小谷将寿さん)
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小谷さんは7月27日に感染が確認された際、保健所からホテル療養や病院への入院について連絡すると言われたという。しかし、その後一切連絡はなく、1週間以上も自宅待機を余儀なくされていた。

「『必ず連絡があるから待ってください』ということだったんですけど、8月4日の時点でまだ連絡が来ないですね。(Q一番困っていることは?)やっぱり食料のこととかですかね。買い物も行けないので、結果的にはカップラーメンとか保存食になってきますね。味もにおいも戻らないので、カップラーメンにしてもゴム食べてるみたいでおいしくないですね。」(小谷将寿さん)

「自宅療養」が「家庭内感染」につながった

陽性が確認されながらも患者は放置される。こうした事態が起きているのは沖縄県だけではない。

「マンションはお手洗いの動線も1つだし、何か飲みたいなと思って冷蔵庫に行くのも1か所になるし。」

オンライン取材に対してこう話したのは、大阪市内のマンションで夫と暮らしているBさん。7月29日、同じマンション内に住む父親の感染が確認された。

「『陽性でしたよ』って言われて、そのままどこかに隔離か何かしてくれるんかなと思ったんですけど、『歩けて食べられる人は軽症やから帰ってください』という感じで。」(Bさん)
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Bさんの父親は高血圧の持病を抱えていて、家族は入院を希望したものの「自宅療養」しか選択肢がなかったという。その後、Bさんも発熱して感染が確認され、母親も感染し、「家庭内感染」という深刻な状況に。

「最初に父親が陽性になったときに、その段階で早めに隔離をして(家族全員に)PCR検査をしてっていうふうに持っていってくれたら、母にもうつらなかっただろうし、私にもうつらなかっただろうし。」(Bさん)

結局、Bさん自身が入院できたのは陽性確定から5日後のことだった。

稼働率は40%でもギリギリな状況

今、受け入れる側の体制はどうなっているのか。療養施設となっている大阪市内のホテル「スーパーホテル大阪天然温泉」を8月7日に取材した。こちらのホテルは今年4月から軽症・無症状者用の療養施設として運用されていて、6月には一時入所者がゼロになったというが、7月中旬から再び増え始め、8月の今がピークだという。取材した日の稼働率は40%ほどで、約160人が入所していた。

「入所の方と退所の方とそれぞれ20~30人ずつくらい毎日いらっしゃいますので、それぞれの連絡を受けたり、こちらから連絡したりということでかなりバタバタしています。」(大阪府危機管理室防災企画課 平井木綿子主査)
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入所者と退所者が出くわさないようにスケジュールは分刻みで組まれる。入所者とのやりとりは携帯電話で行い、頻繁に連絡が入る。

【退所予定者と電話で話す大阪府職員】
「時間がかなりおしていまして、今ご案内できる時間が午後3時50分…10分後なんですけど。かなりタイトなスケジュールの中なんですけど、ご希望の時間はございますか。」
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また、レッドゾーンの中にいる患者と直接やりとりするときは、窓越しに行われる。

【患者と窓越しで話す大阪府職員】
「ご気分悪くなられているときに外から看護師が入らせていただくことがあるので、申し訳ないですが内カギはご使用しないようにお願いします。元気になられるまでは外出は禁止でお願いします。」
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稼働率は40%でも、スタッフの数からすると今でもギリギリの状況だという。

「1つ想定外のトラブルが起きたりすると、かなり厳しくなるという状況です。(患者が)増え続けた場合に(部屋などが)足りなくなるということがないように、あらかじめ前もって手をどんどん打っていけるように今動いているというところですね。」(平井木綿子主査)

専門病院のベッドも埋まってきている実態

一方、中等症患者の専門病院となっている大阪市立十三市民病院は、6月下旬には入院患者が1人にまで減少したが、8月13日現在は90床のうち半数の45床まで急速に埋まってきているという。

「初めてですね。今までは最高で20数人でしたから、この第2波を受けてどんどん増えてきますから、この1週間で17人、18人増えたことになりますね。これからの患者さんは高齢の方がより増えてきますので、ひょっとしたらピークあたりまでいくかもしれませんね。(さらに患者が増える前に)他の病院も体制を作ってくれないと、とても90(床)では無理ですよ。」(大阪市立十三市民病院 西口幸雄院長)
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新型コロナウイルスの第2波の患者らが訴える「不満」や「もどかしさ」。今後も感染拡大が予測される中、患者らが納得できる対策を打ち出していくことが求められている。

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