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【特集】絶滅した「マンモス」は復活するのか!?近畿大学でクローン技術やiPS細胞を駆使した研究進む

2020年07月31日(金)放送

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約4000年前に絶滅したとされるマンモスを、クローン技術やiPS細胞を駆使してよみがえらせようという研究が進められています。絶滅した動物を復活させることはできるのでしょうか。

残っていることがほとんどないという「マンモスの鼻」も展示

7月28日、大阪・南港にあるATCに次々と巨大な箱が運び込まれました。白い防護服に身を包んだ作業員たちが慎重に箱を開け、出てきたのは、シベリアの永久凍土から見つかったマンモスの皮膚や頭です。凍っているため、すぐに冷凍展示室に運び込まれます。これらは全て、7月31日に始まった「マンモス展」で展示されています。(※2020年9月22日まで開催)

「マンモスの頭の冷凍展示品は耳がきちんと残っています。現代のゾウは大きな耳をパタパタさせて体温調整をしますが、ケナガマンモスは-60℃や-70℃の世界で生きていたので、耳が極力小さくなっている。」(マンモス展事務局 永井裕之さん)
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また、展示の目玉の1つで世界初公開となるケナガマンモスの鼻は、その名の通り毛でおおわれていますが、鼻の穴の形もはっきりとわかります。

「鼻が残っていることはほとんどないです。軟組織だけでできているので、肉食の動物に食べられたり腐敗したりする。実際は2mぐらいの長さがある鼻ですが、これはその3分の1ぐらいです。(民芸品などに使う)牙を取るのに邪魔だというので(地元の人に)切られてしまった。」(永井裕之さん)

地球温暖化の影響で永久凍土がとけたため、近年は保存状態が良いマンモスの発掘が増えているといいます。「マンモス展」の来場者に感想を聞くと…

「めっちゃかっこよかった。まだ毛が残っているとは思わなかった。」
「ゾウのような鼻を実際に見たのは初めて。どうしても牙ばかりに目がいっていたので。びっくりしたよね。」
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そんな会場の一角に「マンモス復活プロジェクト」と書かれたコーナーがありました。実は今、日本3位の学生数を誇る“マンモス大学”の近畿大学で、絶滅したマンモスを復活させようという研究が進められているのです。

2010年にほぼ完全な状態のマンモス発掘 筋肉組織を採取

和歌山県にある近畿大学生物理工学部では、マンモスを復活させる研究が20年以上前から行われています。研究チームに転機が訪れたのは今から10年前の2010年、シベリアの永久凍土から全身がほぼ完全な状態のマンモスが発掘され、その筋肉組織を採取することができたのです。
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「これ本当に2万8000年前のものなの?って信じられなかったですね。それまでにもいくつかサンプルを持っていたんですけど、骨だったり皮だったりだとか。今回は『あっ…肉だ。』『骨髄あるよ』といった感じで。」(近畿大学生物理工学部 三谷匡教授)

マンモスの細胞が分裂する直前まで変化

大いに膨らむ期待。そして去年、研究チームは世界を驚かせる研究成果を発表しました。研究では、クローン技術を使ってマウスの卵子にマンモスの細胞の核を注入すると…

「ずっと見ていくと、緑色の構造物が形成される。」(近畿大学生物理工学部 山縣一夫准教授)
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マンモスの核の周りに少しずつ緑色の物質が現れました。この緑色の部分は紡錘体と呼ばれるもので、細胞が分裂する際に形成されます。つまり、2万8000年前のマンモスの細胞が、分裂する直前の形まで変化したということです。

「見たときは『おーっ』と部屋中響き渡るような歓声を上げた。」(山縣一夫准教授)

ところが、この細胞分裂直前のような変化は途中で止まってしまいました。細胞核に含まれている“生命の設計図”である遺伝情報が思った以上に損傷していたことが原因だといいます。

「これだけいいサンプルを使っても、これではこの先には進めないだろうと。」(三谷匡教授)

そこでチームは大きな方針転換を行うことを決めました。それは、『マンモスの細胞を作り出す』というアプローチです。

iPS細胞を利用して復活へ 絶滅危惧種を守る技術にもつながる可能性

新たな計画ではまず、発掘された複数のマンモスの細胞から遺伝情報を解析します。そして、この遺伝情報を書き込んだ核を現代のゾウの細胞に注入してiPS細胞を作成します。そこから精子と卵子を作って受精させ人工の子宮で育てれば、マンモスが誕生するというわけです。
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絶滅した生物を復活させることには疑問の声もありますが、挑戦を続けない限り、新たな技術を生み出すことはできないと話します。

「高いハードルに挑戦することで、いろんな新しい技術ができてくる。今解決しなければいけないいろんな課題に新技術を使っていくことで、(絶滅の危機に瀕した)今の生き物たちを守るような大きな推進力になるんじゃないか。壊れた遺伝情報を修復する技術が発展してくると、医療にもかなり応用が利くので、そういった部分での展開もあると思います。」

永久凍土の中に閉じ込められていたマンモスが3万年の長い眠りから目を覚ます日は来るのでしょうか。

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