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【特集】桃の木を枯らす厄介者「クビアカツヤカミキリ」"木くず"があれば必ずいる...和歌山で被害拡大中

2020年07月27日(月)放送

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『果物王国』とも呼ばれる和歌山県で、外来生物の昆虫が“桃”や“すもも”の木を食い荒らすという被害が広がっています。桃などが収穫期を迎える中、一体何が起きているのでしょうか。

今が旬の「桃」なのに…枯れてしまった木

7月、和歌山で旬の果物といえば、みずみずしい「桃」。

「(今年の)出来はええ。この間はかったので(糖度は)ちょうど11度で甘い。桃は10度超えたらおいしい。」(桃農家の男性)

しかし、『フルーツのまち』と呼ばれる和歌山県かつらぎ町では、農家を悩ませる深刻な事態が起きています。
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収獲まっさかりの時期にもかかわらず、枯れてしまった桃やすももの木が無残な姿をさらしています。

「伐採してね。自分の子なりなんなりを、言葉悪いけど殺してるような感じやな。今までそれによって生活の足しにしていたやつを。」(農園が被害を受けた男性)

農家を悩ます「クビアカツヤカミキリ」

一体なぜ、こんなことになったのか。7月10日、取材班は和歌山県かつらぎ町の現場へと向かいました。

「和歌山県かつらぎ町の山中に来ています。こちらの木もあちら木々も、ブルーのネットがかけられています。」(記者リポート)

木々にまかれた青いネット。これらは全て、ある外来生物の昆虫の侵入を防ぐためのものだといいます。その昆虫とは?地元の農家の人に聞くと…

「狂暴やな。この顔つきがいかついもんな。目つきが悪い。」(地元農家の人)
「精力強そうやな。」(地元農家の人)
「なんや変わったね。首のところちょっと赤いような。」(地元農家の人)

犯人は赤い首が特徴的な『クビアカツヤカミキリ』。中国やベトナムから入ってきたと言われる特定外来生物です。
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環境省によりますと、バラ科の桃や桜を好むクビアカツヤカミキリは、8年前に初めて愛知県で見つかって以降、これまでに11都府県で確認されています。

2018年には徳島県板野町の桃農家が壊滅的な被害を受けたほか、大阪府内でも複数のエリアで桜や桃の木が食い荒らされるなど、その生息域は急速に広がり続けています。中でも和歌山県はクビアカツヤカミキリが好む桃や梅の生産量が全国トップクラスであるため、今後被害が拡大しないか戦々恐々としています。
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「(5月末~8月は)成虫が飛び出してくるなど、活動が一番活発になっている時期。これ以上の拡大を防ぐには今が一番正念場の時期だと思っております。」(和歌山県 農業環境・鳥獣害対策室 出崎美晴室長)

和歌山県内で広がる被害

和歌山県で初めてクビアカツヤカミキリが見つかったのは今から2017年。かつらぎ町でトラックの荷台からオスの成虫1匹が発見され、県はそれ以降、警戒を強めてきました。しかし、2019年11月にはかつらぎ町の果樹園にある桃の木で県内初となる被害が確認され、2020年に入ってからは近隣の岩出市・紀の川市・橋本市でも桃や梅の木など計110本で被害が確認されています。
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「これしかし、ほんま、どないなることや。」(地元農家の人)
「初め聞いた時は、まだあまり見かけてなくて。1~2年でもう一気に。」(地元農家の人)
「枝枯れがここ最近ね、去年ぐらいからちょこちょことありだしたんで、なにかなと思って。」(地元農家の人)
「ほんまコロナより立ち悪いな。」(地元農家の人)
「絶対悪い。」(地元農家の人)
「(木は)しゃべってくれへん。『やばいです、助けて』って言うわけじゃないから。」(地元農家の人)

“木くず”があると必ず「いる」 厄介な幼虫

中でも特に厄介なのがクビアカツヤカミキリの幼虫です。実際に木にダメージを与えるのは幼虫なのです。まず成虫が樹木の幹の表面に一度に約300~400個の卵を産み付けます。
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かえった幼虫は木の中に侵入すると樹皮のすぐ下にある木が水や栄養を運ぶ「道管部分」などを食い荒らしながら2年ほど幹の中で過ごすため、この影響で木が枯れてしまうのです。

「木のそばに木くずのようなものが確認できます。」(記者リポート)

木の近くに積もった木くずが、幼虫が木の中にいる証拠です。“フラス”と呼ばれるふんが混じった木くずですが、この木くずが見つかれば幼虫が必ず存在し、木が枯れてしまうのは時間の問題です。

するとその時、地元農家の方が取材班の元へやって来ました。手に持っていたのはクビアカツヤカミキリの成虫です。やはり、フラスが見つかった木の近くで2匹の成虫が見つかりました。
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(Qどうしましたか?)
「多分この虫やと思うんですけどね。首のところが赤くて。雄と雌、大きさ違うでしょ。幹にたかっていたからね。ここだけ赤いからね。いてて、かむなかむな。」(地元農家の人)

「本当に困る」和歌山県知事も危機感

もはや、対策待ったなしの和歌山県。トップの仁坂知事は、今すぐに近隣の自治体が連携して対策をとらなければ繁殖を抑えることができず手遅れになってしまうかもしれないと、危機感を露わにします。

「和歌山県にとって桃園と梅園が吹っ飛んだら和歌山県は破産ですよね。ちょっと言いすぎたけど、本当に困る。大変。問題は和泉山脈越えていくらでも飛んでくる。片っ端から潰していかないと被害は出ますよ。大阪府にとっての桃園と、和歌山県にとっての桃園は、全然重要度が違う。」(和歌山県 仁坂吉伸知事)

フルーツ王国、和歌山県を脅かす外来生物。被害を食い止める有効な対策はあるのでしょうか。

(7月27日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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