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【特集】今すぐ現金必要『ファクタリング』利用者急増...高額手数料を取る業者も"規制できない"法の壁

2020年07月09日(木)放送

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新型コロナウイルスの影響で倒産する企業が増える中、資金繰りに困った中小企業の間で、ある“資金調達サービス”の利用が急増してる。このサービス、すぐに現金が手に入ることが売りなのだが、一方でトラブルも急激に増えている。

コロナで資金繰り悪化 『ファクタリング』とは?

大阪府内で車の板金会社を経営している男性(58)。数年前から資金繰りに苦労していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により仕事が激減し、従業員の給料などを支払うため、一刻も早い資金調達が必要となった。

「借り入れの返済や社会保険の支払いで滞納していたものがあるので、払わなければ差し押さえしますよ、と言われていた。」(板金会社を経営する男性)

男性は既に複数の金融機関から借り入れた合わせて約3000万円の借金を抱えていたため、他の金融機関から借りることができず窮地に追い込まれた。すると、「資金調達サービスを行っている」という業者から電話がかかってくるようになった。

「『借金の形じゃなく資金調達ができる新たな方法です』という売り言葉で営業してきたんです。何回も営業の電話がかかってくるので、『ファクタリング』とはこういうものだとわかるようになった。」(板金会社を経営する男性)
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それは、『ファクタリング』と呼ばれるサービスだった。ファクタリングとは、“将来発生する売り上げ”を債権としてファクタリング業者に譲渡し、そこから“手数料を引いた金額”を入手することができるサービス。政府の支援金や金融機関の融資は受け取るまでに時間がかかるため、素早く現金を工面することができるファクタリング業者には中小企業からの申し込みが殺到しているという。

例えば、この板金会社を経営する男性の場合、板金を行うことにより将来見込まれる売り上げである“50万円分の債権”をファクタリング業者に譲渡した。そして男性は手数料の7万円を差し引いた“現金43万円”をファクタリング業者から受け取った。一方、ファクタリング業者は、板金会社の取引先から“債権の代金50万円”を回収すれば、手数料分の7万円が利益となる仕組みだ。

ファクタリングは契約上は「債権の譲渡」 貸金業法などの規制の対象とならない

ところが、男性の契約書を見てみると、通常はファクタリング業者が行うはずの代金の回収を男性自身が行うことになっている。

「取引先にはこういうことをしているというのはうちは知られたくないじゃないですか。集金日まで待てないぐらいお金に困っているのがわかってしまうので。うちが集金に行く以上は取引先はわからないじゃないですか。普段と同じようなうちに対する支払いだと思っているので。」(板金会社を経営する男性)

売掛債権を譲渡したことが取引先に知られるのを嫌がる利用者が多いため、実際は業者と利用者だけで金銭のやりとりをするケースがほとんどだという。

ファクタリングは契約上は『債権の譲渡』で、金銭のやりとりにはあたらないため、貸金業法などの規制の対象にはなっていない。しかし、実質的にはファクタリング業者が売掛債権を担保にした高利な貸し付けを行っているのが実情だ。

実際、男性は50万円分の債権を譲渡して7万円の手数料を支払ったが、手数料を年利に換算すると約195%となり、法律で定められた年利上限の20%を大きく上回っている。

「景気がいい時なら本業で稼いで埋められるけど、それがうまくいかないので、その時に資金調達できるところがそういう所しかなかったので。」(板金会社を経営する男性)

『給料ファクタリング』利用者は

高額な手数料を取る悪質な業者が増えているというファクタリング。利用者の中には個人も多い。大阪府内に住む会社員の男性(51)はインバウンド関連の物流会社に勤めていたが、新型コロナウイルスの影響で仕事が激減する中、ネットで『給料ファクタリング』という文字を見つけた。

「最初は冠婚葬祭だったと思うので、明日(親族の)お通夜でみたいな感じで、すぐに要りますよね。ファクタリング使っている人で1週間後でいいという人はいないと思います。」(給料ファクタリング利用者の男性)
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『給料ファクタリング』は業者に譲渡する“売掛債権”が“給与”に置き換わったもので、利用者は“将来勤務先から受け取る給料”を債権としてファクタリング業者に譲渡し、ファクタリング業者は“手数料を差し引いた現金”を利用者に渡す。「給料の前借サービス」とうたい客を集めているが、こちらも実質的には単なる貸し付けとなっているケースが多い。

「結構きれいなHPの作りで、即日ブラック関係ないという文言が書いてあって、ファクタリングの仕組みがこうですよと、違法じゃないですよみたいな。」(給料ファクタリング利用者の男性)

男性は5社から合わせて16万円を受け取ったが、支払った手数料を年利に換算すると、金利は最大で730%を超えていた。

ファクタリング業者を直撃

ファクタリングを装った『ヤミ金』ではないかという指摘について、業者はどう考えているのか。7月6日、取材班は東京都内の業者を訪ねた。

(記者)「ファクタリングの件で話を聞きたいんですけど。」
(業者)「代表者がいないので、確認してOKだったら連絡します。」

別の業者は…

(業者)「ファクタリングはしているけどもうやめます。」
(記者)「なぜやめるのですか?」
(業者)「集客ができないから。」
(記者)「一部で違法性も指摘されていますが?」
(業者)「全くそのようにしているつもりはないですね。」
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また別の業者の登記簿に書かれた住所へ行ってみると…女性が出てきた。

(記者)「この会社名聞いたことありますか?」
(女性)「何屋さんなんだろう。」
(記者)「ファクタリングサービスを提供しているみたいですが、この会社は以前ここにありましたか?」
(女性)「ない。ないよ。知る限りはね。」
(記者)「この会社名は聞いたことありますか?」
(女性)「ないない。」

「あくまで債権の譲渡で規制の対象にならない」現状

ヤミ金問題に詳しい弁護士は、「あくまで契約上は債権の譲渡であり、金銭の貸し付けではないため、現状規制の対象にはならない」と話す。

「売買の体をとることで、とてつもない考えられない金利を稼ぐことができてしまう。(Qファクタリングを取り締る法律はある?)ありません。債権譲渡の様式を取るので、貸金の枠の中の法規制に入ってこない。」(植田勝博弁護士)

グレーゾーンの中で暴利をむさぼる業者。金融庁はファクタリングを装った違法な貸し付けに注意するよう呼びかけている。

(7月9日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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