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【特集】「土用の丑」今年は財布に優しい?秋頃にはさらに下がる予想 ウナギもタコも豊漁のワケ

2020年07月08日(水)放送

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7月21日は『土用の丑』の日です。暑い夏を乗り切ろうと日本では栄養価の高いウナギを食べるのが習慣になっていますが、毎年、毎年、「高い」というニュースばかりお伝えしていました。しかし今年は…ちょっと身近に感じられるかもしれません。

スーパーのウナギが1割ほど安い

大阪・旭区にあるスーパー「ニューマルシェ千林店」では、土用の丑を前に、早くもウナギの売り上げが“うなぎ上り”だそうです。しかも…
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「こちらがきょうはお安く売ってます。(うなぎの蒲焼が)去年1500円ぐらいしたんと違うかなと思いますけど。1割ぐらい安くなっているかなと。(Q値段が下がることはここ最近ありましたか?)全然ないです。ほとんどないです。」(鮮魚担当)

最近ウナギの価格は“うなぎ上り”だったはずですが、何があったのでしょうか。

ウナギの稚魚「シラスウナギ」が豊漁で取引価格も下がる

日本有数のウナギの養殖地・徳島県で45年前から養鰻場を経営している「犬伏淡水」。いけすには食べ頃のウナギがすし詰め状態になっていました。
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「この魚も(土用の)丑に向けて出荷していきます。(Q今何をしているのですか?)ここでえさを食べて、魚が休憩しているところです。」(犬伏淡水・代表 犬伏正夫さん)

土用の丑を前に価格はちょっと下がっているようですが、まだ序章に過ぎないといいます。
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「(夏は)去年より少し安い程度だと思う。もう少しすれば、今年は大量にシラスが獲れましたから、もう少し下がってくると思います。」(犬伏正夫さん)
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「大量のシラス」というのはウナギの稚魚『シラスウナギ』のことです。冬から春にかけて獲れたシラスウナギは、半年から1年ほどかけていけすで生育され、市場に出ます。

水産庁によりますと、今年の国内のシラスウナギは、過去最低だった前年の3.7tから5倍近い17.1tに急増。稚魚の取引額は2年前と比べると半値程度まで下がっています。秋頃には立派に成長して出荷される予定で、今よりもさらにお手頃な価格になるというわけです。

「シラスが獲れるか獲れへんかによって価格が決まりますからね。価格が今まで高すぎましたからね。もうちょっと安い魚が出回るように。」(犬伏正夫さん)
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ずっと不漁だったウナギの稚魚が、なぜ今年は豊漁だったのでしょうか。近畿大学水産研究所によりますと、二ホンウナギはマリアナ諸島付近で産卵し、稚魚は秋から春にかけて日本の沿岸へやってきます。しかし、その生態は謎が多く、豊漁のはっきりとした理由はわからないようです。
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「まだコロナが続いてますから、食べて元気つけて夏を乗り切って下さい。」(犬伏正夫さん)

「明石のタコ」も豊漁 そのワケは?

一方、『明石のタコ』も今年は豊漁でした。兵庫県明石市の水産物が並ぶ「魚の棚商店街」には、生き生きとした「明石ダコ」がずらりと並んでいます。去年は1kgあたり3000円以上したといいますが、今年は2500円になっていました。
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「去年は全然獲れていなくて、あってもすごく高かったのですが、今年は順調に獲れているのでお値段も安定していますし、去年よりお安く買って頂けます。」(鮮魚店)

実は2018年、明石のタコは寒波や釣り客による乱獲などの影響で、漁獲高が例年の3割程度にまで低迷していました。

それが一転、今年は海に仕掛けたタコつぼを引き上げると、中からは次々にタコが現れます。確かに豊漁のようです。漁師歴45年の西尾俊哉さん(62)は漁師が一丸となった成果だといいます。
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「この頃で(1日)70~80kgくらい獲れる。昼間に仕事をしてやで。去年やったら1日15~20kgとか。みんなで力を合わせて漁師の人たちがタコを放流した。(母親が)卵持っているときに全部逃がしているから。」(明石ダコ漁師 西尾俊哉さん)
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明石では各漁協が協力して卵を持っているメスダコを引き上げた際は再放流するなど、対策を講じてきました。さらに、暖冬の影響も重なり、5月は去年の3倍の漁獲量になりました。

「この辺は海が浅いやろ。海が浅いのに潮の流れがきついからやっぱり甘みがあるわ、筋肉がすごいから。(Qよくタコを食べますか?)食べない。(Q何を食べる?)牛。肉。」(西尾俊哉さん)

豊漁でも苦境に立つ漁師

例年よりも安く買えることは消費者にとっては喜ばしいのですが、漁師にとってはいいことばかりではないようです。

「今年は獲れるのに値段が安い。コロナの影響やろうな。(漁師の売り上げは)例年の半値、半分。海ではいくらでもタコが獲れるが、それがはけないから余ってしまうわな。」(西尾俊哉さん)

新型コロナウイルスにより飲食店が休業した影響などで消費が減り、豊漁にもかかわらず苦境に立たされているのです。

「しんどいな。しんどいけどしゃあないやん。毎日仕事出来るだけありがたい思わなしゃあない。タコを食べてコロナに打ち勝つしかないな。」(西尾俊哉さん)

安いだけじゃない。おいしいだけじゃない。今年は生産者の思いも噛みしめて、噛みしめて。

(7月8日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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