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【特集】IT駆使した挑戦とは?リゾート地「南紀白浜」のコロナ対策...町全体で安全安心を

2020年07月03日(金)放送

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関西有数のリゾート地である和歌山県の南紀白浜。今年は新型コロナウイルスで観光客が大幅に減ったため、街の経済は大きな打撃を受けています。しかし、地元IT企業の最新技術などを駆使し、町をあげてコロナ対策に取り組んでいます。

老舗旅館“コロナ対策”し観光客迎える準備

6月30日、和歌山県白浜町にある創業70年の老舗旅館「むさし」では、観光客を受け入れるための準備が急ピッチで進められていました。

「3か月使っていないと、いろんなところが壊れてしまって。温泉は水道水と違って“湯の華”や温泉成分があるので、温泉管が(温泉成分で)詰まってしまうことがありまして、温泉が上がってこないかもしれないのでドキドキしていました。」(むさし・女将 沼田弘美さん)
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感染リスクをできるだけ減らし、安全に旅を楽しんでもらうためには何をすればいいのか。7月4日からの営業再開に向けて、浴衣のサイズを選ぶための試着をやめるなど、試行錯誤しながらの再出発です。

「今までは(浴衣を)羽織っていただくことが可能だったのですが、今回は中止にさせていただいています。創業70年を迎えまして、こういった状況から新しい再スタートを切ることができますので、私たちも安心と安全のための対策をしっかりとってお客様を迎えたい。」(沼田弘美さん)

町全体の売り上げ43%が「観光関連産業」…コロナで壊滅的な打撃

白い砂と青い海。関西有数のリゾート地「白浜」は、年間340万人もの観光客が訪れ、町全体の産業の売り上げに占める観光関連産業の割合は43%を超えています。しかし、白浜温泉旅館協同組合によりますと、加盟業者の5月の宿泊者数は前年より96.7%減り、壊滅的な打撃を受けました。
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『このままでは白浜の経済が立ち行かない』という地元からの強い要望を受け、7月23日に2か月遅れの「海開き」を行うことが決まりました。

「かなり経済的に冷え込んだ状況が続きましたので、海水浴場開設でお客様に来てほしいという強い要望がありました。」(白浜町役場観光課 林信康さん)
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しかし、海開きが決まったことで観光客の流入が増える可能性があるため、海水浴場でもソーシャルディスタンスを徹底することにしています。町が例年設置している更衣室を今年は3密対策で設けず、海の家も開きません。

店内全体にウイルス対策したスナック「安心安全で戻ってきてほしい」

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リゾート地の夜の社交場「スナック」でも対策が進められています。取材したのはスナック「ムーンライト」。疫病退散のためでしょうか、店の外には妖怪アマビエのイラストが描かれていました。40年前から店を構え、3世代に渡って通うお客さんも多いというこのスナックでは、約32万円をかけて店内全体にウイルス対策のコーティングを施したということです。
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「できるだけいろんなことをして、お客様が安心安全で戻ってきてほしい。」(ムーンライト 林ひろみママ)

白浜町とIT

しかし、それぞれの店や旅館がいくら対策を取っていても、クラスターを発生させてしまっては元も子もありません。そこで白浜町が目を付けたのはIT技術です。16年前から使われなくなった保養所などへのIT企業の誘致に取り組んできた白浜町には、7月3日現在、10社以上がオフィスを構えています。
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NECなどが2019年から白浜で行っている「顔認証サービス」の実証実験では、鍵を持たずにホテルの部屋に入室したり、財布を持たずに買い物や飲食店での決済ができたりするため、人と人との接触を減らすことに役立つと見込まれています。

南紀白浜空港のITを使った水際対策

首都圏からの空の玄関口・南紀白浜空港も、2020年5月にこうした地元IT企業の最新技術を導入しました。
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「こちらの人感センサーですね。入り口の人の集まる部分を測定している。」(IT企業「ウフル」 池尻洋一さん)

2年前から白浜に拠点を構えるIT企業「ウフル」が開発した空港内での3密状態を調べる『3密探知システム』です。赤外線の人感センサーと、二酸化炭素の濃度、そして音の大きさを測定し、これらの数値が一定の基準を超えると「3密」と判断して警告を発します。
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例えば騒音値を表した画面では、4段階の色に分かれていて、一番静かな状態が白色で、音が大きくなると、水色・オレンジ色・赤色が表示されます。

「騒音値ですね。人が集まるとその分だけ会話の量が増えるので、一番下が静かな状態です。ちょうど今、表示が切り替わりオレンジになりましたけれども、私がモニターの前で話しているので。人がいっぱいになってくると、だんだん上の方にランプがいって、赤色になる。」(池尻洋一さん)

警告が出れば、空港スタッフのスマートフォンやロビーに設置されたディスプレイに表示され、係員が搭乗客らに距離をとるよう呼びかけるということです。
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「なんとなく感覚でやっていたことを数値に基づいて業務に落とし込むことができる。」(池尻洋一さん)

「地域まるごと一体となって安全対策をやっていく」

このシステムはまだ実証実験中ですが、今後、効果が証明されれば、町内のホテルや飲食店にも導入を呼びかけるということです。

「お客様目線に立てば、空港だけコロナ対策をしてもまったく意味がない。町全体で安全安心をお客様に伝えていかないとお客様はこの地域を選べないので、地域まるごと一体となって、安全対策をやっていく必要があると考えています。」(南紀白浜エアポート 誘客・地域活性化室長 森重良太さん)

新たな感染者が増え続ける中、白浜町はIT技術を駆使することによって空港での水際対策を行うと共に、『ウィズコロナ』を見据えた観光地づくりを進めようとしています。

「地域をとにかく活性化することで結果的に空港も活性化する。地元事業者との連携に力を入れながら一体となってお客さんを呼んでいかないといけない。」(森重良太さん)

(7月3日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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