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【特集】「ガポガポ稼げる」SNSで広がる『闇バイト』募集...リクルーターの男が語った"詳細な内容"とは

2020年06月25日(木)放送

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今、SNS上で特殊詐欺や強盗の実行犯を募るメッセージのやりとりが横行している。これらは『闇バイト』と呼ばれていて、実際にこれを通じて犯罪に手を染める若者たちが増えている。

ネットで横行する犯罪のリクルート活動

今年3月、大阪市内の住宅に強盗目的で押し入ったとして、熊本県の少年(15)と京都府の少年(17)が強盗傷害容疑などで逮捕された。警察によると、2人には全く面識がなく、それぞれがツイッターから闇バイトに応募して初めて知り合い、犯行現場へ行ったという。
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実際にネットで「闇バイト」という単語で検索してみると、「リスクなしで稼げるお仕事があります」「ガポガポ稼げる案件多数」といったツイッターの投稿が散見され、「闇バイトをしたい」という投稿にはたくさんの返信が書き込まれていた。

どんな“バイト”を斡旋?記者が男に聞いてみると…

取材班がツイッターで、闇バイトを募集しているアカウントに「詳しくお話を聞かせてもらえませんか?」とメッセージを送ると、20分後に「こんにちは!テレグラムありますか??」と返事が届いた。テレグラムとは、ロシアの企業が開発したメッセージアプリで、ユーザーの匿名性が高いのが特徴だという。相手の指示通りにテレグラムでメッセージを送ると、Kと名乗る男から返事が届いた。その後、いくつかのやり取りを経た後、6月5日、電話で話すことになった。
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【Kと名乗る男との電話でのやりとり】
 (男)「もしもーし?」
(記者)「もしもし?」
 (男)「すみません、ちょっとバタバタしてました。」
(記者)「Kさんですか?」
 (男)「あーはいはい。」

関西弁で話す男。いったいどんな“バイト”を斡旋しているのかを尋ねると…

【Kと名乗る男との電話でのやりとり】
(記者)「お仕事はどういうものですか?」
 (男)「受け出しってわかります?」
(記者)「それは受け子とか出し子とか?」
 (男)「そうですそうです、そんな感じです。対面して(キャッシュカードを)受け取るのは2分くらいで終わると思います。キャッシュカードを受け取ってもらって、ATMからお金を下ろして、ロッカーに入れてもらうことになると思う。」

男は、市の職員や警察官を装って高齢者からキャッシュカードをだまし取る、いわゆる特殊詐欺の仕事を紹介してきた。
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最近は新型コロナウイルスの影響で応募が増えているという。

【Kと名乗る男との電話でのやりとり】
(記者)「最近、応募する人は多いですか?」
 (男)「そうですね、コロナで厳しいという人が結構多いんで。報酬は、受けて出してもらったお金があるじゃないですか、そのうちなんぼか貰ってもらって、残りはロッカーに入れてくださいねっていう感じです。大体10万円~30万円くらいが相場ですかね。」
(記者)「僕はKさんにお金は渡さなくていい?」
 (男)「渡さなくていいです。」
(記者)「Kさんもお仕事でされてますよね?」
 (男)「僕自体は、いったん会社に預けてからもらうんで。」

闇バイトの背後にある組織は…

更に男は、電話での面接が終われば、“明日からできる仕事もある”と話した。

【Kと名乗る男との電話でのやりとり】
(記者)「面接は電話?」
 (男)「電話で面接ですね。」
(記者)「どんなこと聞かれる?」
 (男)「全部聞かれると思います。例えばですけど、ご住所とか身分証も写真で送ってもらったりとか、実家の住所とかも全部聞かれると思います。」
(記者)「実家もいるんですか?」
 (男)「そうですね。基本見張りとかもついてるんで。」
(記者)「見張り?」
 (男)「見張り役ですね。」
(記者)「何を見張ってるんですか?」
 (男)「もちろん警察の動きとか、ご自身が現金を下ろした時に、大金を預けるような形になるので、飛ばれない(逃げられない)ようにという面での見張り役ですね。」
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闇バイトは半グレ組織の資金源になっているケースが多い。こちらが記者であることを明かした上で取材を申し入れると…

【Kと名乗る男との電話でのやりとり】
(記者)「実は、僕は毎日放送の記者なんですよ。」
 (男)「あー…」
(記者)「Kさんはリクルーター(実行犯の募集担当)ということになる?」
 (男)「そうですね。」
(記者)「会社というのは半グレ?」
 (男)「実際、僕もそんな…組織の情報を全く教えてくれないので、わからないんですよね。」
(記者)「属しているわけではない?」
 (男)「属しているわけではないです。」
(記者)「雇われている?」
 (男)「っていうわけでもないですね。」

ここで電話は一方的に切られ、再びつながることはなかった。

アルバイト感覚で犯行に加担の実態

大阪府警特殊詐欺対策室では、警察官が闇バイトの募集や応募の投稿に目を光らせている。

「特殊詐欺によく使う文言の『受け出し』『闇バイト』とか、そういった書き込みに応募するもの、そして募集する書き込みに対して、大阪府警察を明示して、直接、警告のリプライ(返信)を発信をしています。」(大阪府警・府民安全対策課 保田茂光課長補佐)
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大阪府警は、若者たちがアルバイト感覚で犯罪に手を染めていることに強い懸念を示している。

「主にSNS上で行われている闇バイトの募集は、『ノーリスク』『ホワイト案件』『安全に大金が稼げる』という言葉を使って犯罪性を秘匿しているところがあり、それに応じた若者たちが安易にアルバイト感覚で犯行に加担する実態があります。犯罪性を認識していない若者については、(警告が)一定の抑止効果があると考えています。」(保田茂光課長補佐)

ネットの世界で横行する詐欺や強盗のリクルート活動。募集する側と気軽に応募する側、双方への対策が求められている。

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