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【特集】コロナ時代「会わない」シューカツ本格スタート...その"メリット"と"求められる工夫"とは?

2020年06月03日(水)放送

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6月に入り、大学生の新卒採用の選考がいよいよ本格化します。しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で、直接会うことなくインターネット上での説明会や面接が主流になるなど、就職活動の形が大きく変わっています。

合同企業説明会の会場は「ゼロの状態」

これまで就職活動をする学生と企業の大きな接点になってきたのは大規模な合同企業説明会でしたが、その会場となっていた神戸サンボーホールでは…

「(説明会などは)ゼロの状態。全てキャンセルか延期です。」(神戸サンボーホール 西山和孝館長)

今年はほとんどの合同説明会の中止が決まったため、多くの企業が個別の会社説明会や面接をオンラインで行う動きが広がっています。

部屋を片付けでオンライン採用面接に挑む就活生「気持ちで負けないように」

学生はどのように対応しているのか、近畿大学4年の有本千華さんが取材に応じてくれました。取材に向かったのは有本さんの自宅です。
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IT企業の採用面接がオンラインで始まる前に、部屋の模様替えを始めました。壁に飾ってあったアーティストの写真やうちわなどを移動させます。

(Qこれもよけるんですか?)
「映り込んでしまったら自分の趣味を押し出しすぎるので。いつも布団の方に置いています。」(近畿大学 有本さん)
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有本さんはオンラインでの面接を受け始めてから約1か月になりますが、パソコン画面の向こう側に自分の思いが伝わるよう、ジェスチャーを大きくするなど工夫をしています。

「先輩もしたことのない初めての形の就職活動をするんですけど、気持ちで負けてしまったら就職活動ができなくなるので、友達とも支えあいながら、自分に合った企業を探していきたいと思っています。」(近畿大学 有本さん)

採用する側も戸惑い「お互いの温度感分からない」

試行錯誤を繰り返しているのは採用する側も同じです。取材したのは、大阪で保育園や学校の卒業アルバムなどを制作する「夢ふぉと」です。従業員約40人の会社ですが、来年度に向けて3人の学生を採用をしようと動き始めた直後に新型コロナウイルスの影響が広がってしまいました。

「最初は『どうすんの?』って感じで、3回の説明会を予定していて、1回終わった段階でコロナ問題が大きくなったので。」(夢ふぉと 林さゆり社長)

まだ1度だけしか説明会を実施できていない段階で途方に暮れていたところ、企業の採用活動を支援するコンサルティング会社から、説明会や面接をオンラインで行ってはどうかと提案を受けました。
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この日はコンサル会社「白潟総合研究所」との打ち合わせですが、もちろんオンラインです。5月に初めて実施した説明会の反省点を話し合っていました。

【打ち合わせの様子】
「画面に向けて私もしゃべるので表情もこわばってしまって。お互いの温度感が分からなかった。」(夢ふぉと・採用担当 高阪美貴さん)
「思い切って説明会は口説くに徹する。1回を長くて40分、できれば30分以内ぐらいにして、一回一回伝えることを絞って、魅力を学生の心に入れていく。」(白潟総研 石川哲也取締役)

画面を通しての会社説明はどうしても単調になりがちです。画面の向こう側の学生たちを飽きさせないため、カメラを使って社内の様子を見せるツアーを行うなど、思い切った工夫が大切だといいます。

【打ち合わせの様子】
「司会と話す人を別にするのがコツ。30分の中でも動きがあって暇にならない。」(白潟総研 石川哲也取締役)
「場面転換して、飽きさせないで引き付ける努力がいるということですね、企業は。」(夢ふぉと・採用担当 高阪美貴さん)

メリットは「予定が合わしやすい・交通費・地方の学生との接点」

これまでとは違った努力と手間が必要になりますが、その分メリットも大きいといいます。

「リアルに来てもらうとなると、予定が合わないことや交通費や移動費がネックになる。そのハードルが全くなくなるので、地方の優秀な学生でも、会社に興味を持った方はほぼ来てくださる。」(夢ふぉと 林さゆり社長)

実際、関西以外に住む学生からの応募もたくさんありました。でも、本当に一度も会わずに内定を出すのかというと…

「最終選考だけは会いたい。1回は必ず会いたい。そこまではバーチャルでオッケー。」(夢ふぉと 林さゆり社長)

オンライン採用に関する相談3倍

ネットでの採用活動を支援している白潟総研によりますと、今年はオンライン採用に関する相談が3倍に増えたといいます。

「『ウェブ説明会できちんと自社の魅力を伝えられている気がしない。』『学生を見定められない』という2つが相談のメイン。(オンラインでの)自分たちなりの勝ちパターンを見つけた企業と、なかなか取り組めなかった、あるいは単純に今までやって来たものをオンラインに置き換えただけの企業だと、学生からの見え方で大きな差が出ている。」(白潟総研 石川哲也取締役)

ちなみに、この白潟総研では、今年5月に全てのオフィスを解約したといい、オンラインでのトークルームで朝礼や打ち合わせを行っているということです。

全ての採用活動をオンラインに切り替えた企業

そして、コロナを機に全ての採用活動をオンラインに切り替えた会社もあります。大阪・淀川区にある就活支援ベンチャー「i-plug(アイプラグ)」です。取材した日は、5月に内定が決まった大学4年生の増味麗奈さんの歓迎会がオンラインで開かれました。オンラインの大きなメリットのひとつは気軽に参加できること。コロナ禍でも積極的に飲み会を開いて交流を深めているといいます。内定者の増味さんはどう思っているのでしょうか。

「直接会えるのが嬉しいなという点はありますけど、コミュニケーションが家でも取れるのは良いことだと思って、ありがたいです。」(増味さん)
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内定後の研修もオンラインで行われました。まず先輩営業マンの赤堀さんがアイプラグのオフィスにやってきました。パソコンを開け、スーツ姿の内定者の増味さんと、オンラインでつながり挨拶を交わします。そして研修の一環として、クライアントとのオンライン商談に、増味さんもオンラインで同席するというのです。

商談の相手は化粧品会社の人事担当者。3人がオンラインでつながり、パソコン画面上には3人の顔が並びました。増田さん、内定したばかりですが積極的に発言することができ、研修は1時間ほどで終了しました。
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研修を受けた感想は…

「自分が働いている姿をイメージできる貴重な機会だなと思ったので、すごくありがたかったです。コロナは残念なんですけど、自宅から(研修が)できるような、こういう世の中が近づいているのだなと思いました。」(増味さん)
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アイプラグの中野智哉社長は、コロナが終息した来年以降もオンライン採用を続けるつもりだと話します。

「コロナは大変だったが、先々みるとプラスの面もたくさんあると思います。アイプラグとしてはチャンスとしてどう動いていけるか考えて、採用も強化していきたいなと。」(アイプラグ 中野智哉社長)

(6月3日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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