MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

特集記事

【特集】苦境に立つ『子どもたちの居場所』..."補助金遅れと保育料返金"で学童や保育所が運営危機

2020年05月28日(木)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

“コロナ社会”において子どもたちの居場所の1つとなった学童や保育所。一方で、感染防止のためにこうした施設の利用の自粛を求める自治体もあります。この自粛要請によって、今、子どもたちの居場所は苦境に立たされています。

水道代や光熱費が去年より約4割増加

大阪市鶴見区にある「榎本めだか学童保育」には、一斉休校となった今年3月以降、朝から子どもたちが訪れます。大阪市の公立小学校では、臨時登校が週に2回程度で、それも分散登校のため、学童で長時間過ごす児童は少なくありません。

(Q今の生活はどう?)
「ちょっと嫌かな…。ひらパー行きたい。」(児童)
「コロナが一瞬でバーッて消えてくれたらいいねん。『消えろ!』って言ったらバンって。」(児童)
5.jpg
榎本めだか学童保育の指導員・宇治丈晴さんは今、運営に不安を抱えています。

「運営面で不安というか、資金繰りのことでっていうのはあります。」(榎本めだか学童保育・指導員 宇治丈晴さん)

休校により朝から学童を開けているため、今年4月の水道代と光熱費は去年より約4割増えました。人件費も毎月10万円以上増えたといいます。国は、午前から開いている学童に対して、1日あたり3万2000円の補助金を出すとしています。しかし、4月以降は申請の受付すら始まっていないといいます。さらに…。

「うちの学童では、お休みにご協力いただいた方に返金をしようという動きになっています。」(宇治丈晴さん)

補助金の遅れや保育料の返金は“死活問題”

大阪市は4月、感染予防のため保護者に“学童の利用自粛”を呼び掛けました。その結果、20人程度が利用を自粛。保護者らに1か月で30万円程度返金することになります。

「国から補助が出るということなので、それを見越して返金させていただきますという形なんですけど、まだ(補助金の)額がいくらいただけるかもまだ決まってないので。」(宇治丈晴さん)
31.jpg
学童保育の運営は「保育料」と国や自治体から出る「補助金」で賄われています。補助金の遅れや保育料の返金は死活問題なのです。

「今は早急にお金が欲しいというのがあるんですけど、事務処理とかの関係もあるので…。申請したらすぐおりるというわけでもないと思うので。みんなで頑張りましょうという感じですかね。」(宇治丈晴さん)

「子どもたちが来なかったらまわらない」認可外保育所の苦悩

保育料の返金をめぐっては、保育所でも悲鳴があがっています。兵庫県西宮市にある「虹っ子保育所」は認可外の保育所で、通常は1歳~5歳まで20人近くが通っていますが、取材した日の登園はたった2人でした。

「3月の頭から1~2人です。いつもの元気さがない。いつも十何人ぐらい集まっていましたし。」(虹っ子保育所 山田美紀子所長)
12.jpg
西宮市は3月2日から、認可の保育所に対し、やむを得ない場合を除き登園を自粛するよう求めています。認可外の「虹っ子保育所」もそれに準ずる対応をとり、保育料についても認可と同様に、園児が休んだ日数に応じて返金しています。しかし、認可外の場合、これが経営に大きな影響を及ぼすといいます。

「何で運営しているかというと、子どもたちの保育料なんです。だから子どもたちが来なかったらまわらない。認可外は国や市などからの支援がないんですよ。」(山田美紀子所長)

「認可」と「認可外」の差…

認可の保育所の場合、保護者は自治体に保育料を支払い、自治体はこの保育料に人件費などの公的負担を合わせて運営費として園側に支払います。一方、認可外の保育所は、運営費を全て保護者からの保育料でまかなっているため、保育料を返還すると園の運営費そのものが減ることになるのです。

「保育だけで(赤字が)100万円くらい。スタッフに払う給料・部屋代(固定資産税)・光熱費とか、かなり厳しい数字で出てきています。」(山田美紀子所長)

西宮市は5月末時点で、認可外の保育所に対して保育料返金に関する助成は考えていないとしています。同じ対応をしても認可と認可外で格差が生じています。

「(認可保育所との)差は感じています、なんでかなって。このままずるずるといってしまうと、とんでもないことになるかなって心配はしています。」(山田美紀子所長)

自粛要請に応じた子どもたちの居場所は危機に瀕したまま、新たな日常を迎えます。

最近の記事

バックナンバー