MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

特集記事

【特集】PCR検査の拡充に...動く"医師会"と"民間の研究機関"「第2波」に備え協力始まる

2020年05月27日(水)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は全国で解除となりましたが、課題は残されています。その1つがPCR検査などの拡充です。第2波に備え、民間の研究機関などによる支援・協力が始まっています。

「PCR検査」の現状

京都府久御山町にある民間の総合病院「京都岡本記念病院」では、保健所の依頼をうけ、いわゆるドライブスルー方式で感染の疑いがある人の検体採取を行っています。人も物資も十分ではないといいますが…。
1.jpg
「検査をしないでとなると、感染者がどんどん市中に動き回って感染を広げるだけなので。現場の感覚としては、どんどん検査して患者を早く見つけて、治療に結びつけるべきだと思っています。」(京都岡本記念病院 牧野雅弘副院長)

5月25日、全国で緊急事態宣言が解除され、社会は自粛モードから日常に戻りつつあります。しかし、ウイルスが無くなったわけではありません。懸念されるのが感染拡大の「第2波」です。第2波への対策として課題となるのがPCR検査体制の拡充です。

PCR検査を巡っては、これまで相談を受ける保健所には電話が殺到し、検体を採取する医療機関では人手や物資が不足、さらに地方衛生研究所などの検査処理能力も十分ではありませんでした。
1d.jpg
日本のPCR検査数は4月末時点で約24万件です。しかし10万人当たりの検査数を海外と比較すると、日本は187.8件ですが、韓国は1198.0件、アメリカは1752.3件、イタリアは3159.0件と、日本は明らかに少ないことが分かります。(5月4日の専門家会議の提言を基に作成)

「検査センター」PCR検査の実施を“医師”が判断

検査拡充のため医師会が動きました。PCR検査の実施については主に保健所が判断してきましたが、相談が殺到しました。そこで設置されたのが「検査センター」です。現在全国94か所でかかりつけ医の報告をもとに、保健所ではなく医師会の医師らが検査するかどうかを判断します。京都府医師会の「京都検査センター」の様子を見てみると…

「生活背景として、高齢者・基礎疾患などのリスクがある方と同居されている。それもポイントで適用あり。」(判断する医師)
「特に症状は無いですけど、妊婦さんということで適用あります。」(判断する医師)

判定会議を経て、次々とPCR検査の実施が決まり、その数は1日10件以上です。
2b.jpg
「今までは保健所に連絡していたということもあり、少し時間がかかっていたと思います。必要な人に検査が結びつくのは早くなっていると思います。」(京都府医師会 北川靖副会長)

ただ、検体の処理能力が上がらないと解決にはなりません。これまでPCR検査は主に「自治体の地方衛生研究所」などで行われていましたが、京都府の場合1日に処理できる検体は最大でも100検体程度でした。

検査体制の拡充に「民間の検査機関」活用を

そこでカギとなるのが「民間の検査機関」です。大阪府吹田市にある検査機関「阪大微生物病研究会」は、これまで結核菌やヘルペスウイルスなどでPCR検査の実績があり、今回の新型コロナウイルスの検査に手を挙げました。

「やりますと手を挙げていたのは3月のはじめくらいで、最初は少しずつから始まって、大阪府からも受託して増えてきたという感じです。」(阪大微生物病研究会・病理診断課 高橋美恵課長)
3c.jpg
取材をした日も保健所から運ばれてきた検体が検査にかけられていました。結果は…

「ちょうど今終わりましたね。結果が終わったところになります。全てが『陰性』の結果となっています。」(職員)

自治体の研究所と比べても遜色のない設備が整っており、1日に最大360検体を検査できるといいます。

「朝の7時から夜の12時まで検査を行っています。一時だけなら地方衛生研究所の方でやっても大丈夫だと思うが、長く続くとやはり負担もあると思うので、幅広く(検査を)行っていくという意味では、民間を活用して頂くのは良いんじゃないかと思っています。」(阪大微生物病研究会・病理診断課 高橋美恵課長)

PCR検査能力は5月23日時点で、地方衛生研究所では合計6600件ですが、民間と大学の研究機関を合わせれば約1万2700件で、地方衛生研究所の倍近く検査が可能だといい、協力体制の構築が期待されます。

安倍晋三首相は5月25日、「人口あたりの感染者数や死亡者数をG7主要先進国の中でも圧倒的に少なく抑え込むことができている」と発言していますが、その一方で露呈した検査体制の課題。第2波に備え、早急な改善が求められています。

(5月27日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

最近の記事

バックナンバー