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【特集】"骨髄移植"待つガンバ大阪ジュニアユース所属のサッカー少年...コロナ禍により骨髄ドナー登録低迷でチームも協力

2020年05月19日(火)放送

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大阪府茨木市に難病と闘いながらプロサッカー選手を目指す中学2年の少年がいます。病気の治療には、骨髄移植や輸血が必要ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響がここにも影を落としています。

国指定の難病と闘う多田吾郎君「病気を治すにはもう移植しか道はない」

5月12日。この春に中学2年になった多田吾郎君(13)は、輸血入院するために病院へ向かっていました。入院はこれで25回目です。

「今日学校でクラス発表があって、その場で知りたかったんですけど、行けなくてめっちゃ残念。」(多田吾郎君)

多田君が患っているのは『再生不良性貧血』という国指定の難病です。血液をうまく作れず、赤血球・白血球・血小板が減少し、感染症にかかりやすくなるなど、命に関わることもある病気です。感染防止のため自宅療養をしながら、週3回は支援学校の訪問教育を受け、週2回は地元の中学に通っていましたが、今は新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が続いています。
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多田君は小学生の頃からゴールキーパーとして活躍し、中学1年からはガンバ大阪のジュニアユースに所属することが決まっていました。

しかし、小学校卒業直前の去年2月に病気が発覚。すぐに入院し投薬治療を受けましたが、大きな回復は見られませんでした。今、有効な治療法とされるのは骨髄移植。家族とは免疫組織の型が一致しなかったため、現在は適合するドナーが見つかるのを待っていますが、1年以上が経過した今も見つかっていません。多田君はSNSにこんな投稿をしました。

『僕には、夢もあり、目標もあり、好きな人もいます。病気を治すには、もう移植しか道はないです。骨髄バンク登録お願いします。』

減る献血と骨髄ドナー登録

多田君の病気について、多田君の主治医である大阪医科大学小児科の卜部馨介医師に話を伺いました。

「(多田君は)再生不良性貧血の重症度でいえば、重症になります。(Q免疫組織の型はなかなか適合するものではない?)その人が持つ(血液の)HLA型というのは、日本でどれくらいの頻度であるのかにもよるのですが、大体数百人から数万人に1人しか一致しないとされています。(骨髄移植までは)定期的に輸血を行って体調を整える。」(大阪医科大学小児科 卜部馨介医師)
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多田君は今、体調管理を2週間に1度の輸血に頼っています。しかし、新型コロナウイルスの影響で各自治体が市民に外出自粛を促していたり、企業や大学が献血イベントを中止したりしているため、大阪府では3月中旬以降、目標の7割から9割しか血液が集まらない状況が続いているのです。4月24日に大阪・梅田にある献血ルームを取材した際にも、献血にやってくる人はほとんどいませんでした。

「新型コロナウイルスの影響で献血にご協力いただける方が少なくなっている。人はいらっしゃいるんですが、平常時よりだいぶ少ない状態となっています。」(大阪府赤十字血液センター 桑田聖平さん)

さらに、日本骨髄バンクによりますと、骨髄ドナーの新規登録の多くは献血会場で行われているため、4月の登録者数は例年約2500件ほどありますが、今年4月は893件と約3割にとどまったということです。

早朝にトレーニングを続ける「元気になった時にリハビリが短いように」

多田君は現在、自宅近くの公園で、医師に許された範囲の中でトレーニングを続けています。

「汗っかきになりました、汗よくかいたりとか。(Q感覚が鈍っているなと思うことはある?)もう鈍りまくり。ボールを蹴っている時も、まっすぐ飛ばないから、あれ?ってなります。」(多田吾郎君)

人との接触を避けるため、練習はいつも早朝です。

「(Q練習は毎朝やっているの?)はい。しんどい時はあんまり来ないですけど。体動かしとかないとあかんなって。(Q元気になった時に?)はい。元気になった時にリハビリが短いようにしています。」(多田吾郎君)

地道な練習は病気が治った時、すぐにチームに戻るためですが、万が一のことを考え、傍らでは母親の明世さんが見守っていました。体を動かすことにより病状が悪化するリスクもあるため、親としては複雑な心境です。

「何か今できることを本人的には最大限やっておきたいんだろうなと。(Q親としては複雑な思いですか?)そうですね、動かないでいて欲しいと思うんですけど。」(母・明世さん)

仲間が「献血や骨髄バンクのドナー登録を呼びかけ」

5月5日、所属するガンバ大阪は、献血や骨髄バンクのドナー登録を呼びかける動画をYouTubeで配信しました。

『多田君が再生不良性貧血という病気になり骨髄移植が必要です。』(ガンバ大阪 遠藤保仁選手)

チーム全員が多田君が病気を克服し、復帰することを待ち望んでいます。

(Qドナーの新規登録者数が減っているのはどう思いますか?)
「仕方ない、今の時期、仕方ないと思うけど、自分の気持ちとしては増えてほしいなって思います。早く自分を治したいな、早く治してサッカーしたいなって。プロサッカー選手になって、僕と同じような病気の子たちにも『治してこれだけやれるんやぞ』って(伝えたい)。」(多田吾郎君)

(5月19日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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