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【特集】行き場を失う「魚」や「果物」 廃棄せざるを得ない"山積み食材"...苦境に立つ生産者の奮闘

2020年05月14日(木)放送

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4月に緊急事態宣言が発表され、多くの飲食店が営業を自粛するなどして、経営に大きな影響が出ています。それに伴い、飲食店に食材を提供している農家や漁業関係者も、大幅に売り上げが落ち込み大変な状況に追い込まれています。必死に奮闘する生産者を取材しました。

買い手がいない鮮魚 漁に出る日数減らしても「値段は半値」

大阪府岸和田市にある「岸和田市漁業協同組合」。新鮮な魚が多く並ぶ中で競りが行われていますが、新型コロナウイルスの感染防止対策で、通常1か所で行う魚の競りを2か所に分けて行っています。さらに魚の値段にも変化が起きていました。その場にいた鮮魚店の方に話を聞くと…

(Q今日はどのくらい買った?)
「60~70万円くらいかな。去年よりは安いんちゃうかな。」(鮮魚店)
(Q去年だと同じ量で価格は?)
「やっぱり1.5倍くらいするんちゃうかな。」(鮮魚店)
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料亭や居酒屋など多くの店舗が営業を自粛していて、魚の買い手がおらず、値段が下がっているといいます。

「居酒屋さんとか開いてないから、いい魚が売れにくい。ヒラメとか刺身にする上物が今まで1kg2500円していたのが900円くらい。」(漁師)
「収入が減ってね…半分くらい。(Q生活も節約していますか?)散髪も行ってないしね…。」(漁師)

週3日休みにして漁に出る日を減らしていますが、それでも値段は半値ほどにしかなりません。さらには買い手がおらず競り自体ができない漁業組合も出てきています。

保管庫に山積みの「シイタケ」 生産者「先が見えない」

大阪市西成区にある椎茸工房「街かどあぐりにしなり よろしい茸工房」では、1日70kgほどの椎茸を生産していましたが、新型コロナウイルス影響で取引先の飲食店が休業し、半分ほどの椎茸が行き場を失っています。工房を営む豊田みどりさんにお話を伺いました。

「棚に出す菌床を半分に減らして栽培しています。なので結構、棚が空いているんですけど、本来ここはいっぱいなんです。」(よろしい茸工房 豊田みどりさん)

今は生産量を半分に減らしていますが、それでも多くのシイタケが余るため、シイタケを乾燥させるなどして活用しているそうです。その場所に案内していただきました。

「驚かないでくださいね…。」(豊田さん)

そう言われて、案内された先には…

「ここが乾燥シイタケの保管庫なんですけど、この通りすごいでしょ。毎日やっているとどんどん増えてきて…。カーテンの向こうにもいっぱいあるんです。いっぱいでしょ。」(豊田さん)

ビニール袋に詰められた大量の乾燥シイタケが棚いっぱいにあり、床にも積まれるほどでした。

「2月ぐらいから売れ行きが落ちてきて、でも作る量はずっと一緒にしていたから、どんどん余ってきて。『どうしよう』と思って、でも一過性かなと思っていて。緊急事態宣言になって『もうこれはあかんわ』って。」(豊田さん)

シイタケパウダーやアヒージョ、さらには肥料にするなどして活用していますが、それでも残ってしまったシイタケは廃棄せざるを得ません。
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廃棄されるシイタケを集めている所にはビニール袋が山積みになっていました。

「だいたいこれで200㎏ぐらいありますよ。できるだけ捨てたくないが、使い道がない。」(豊田さん)

新たな買い手も見つからず途方に暮れているといいます。

「売り先が早く復活して営業していただくのが一番嬉しいですけど。先が見えないですから、計画も立てられないし。今何をしていいのか私にも分からない。」(豊田さん)

生産者を応援「大阪産エールサイト」 新たな販売先の確保に

大阪府ではこうしたコロナの影響を受けている生産者に向けた取り組みを始めました。地産地消で、生産者を応援する「大阪産エールサイト」です。生産者の情報を集約し、大阪府のホームページに掲載することで、新たな販売先の確保に繋げています。

「イチゴ狩り中止」で収益ゼロ…農園の奮闘

大阪府のホームぺージに掲載されたことで新たな買い手が見つかったという、大阪府和泉市の「いずみ小川いちご農園」を取材しました。

「反響は大きいと思います。毎日10件~15件くらい電話がかかってきています。」(いずみ小川いちご農園 四宮正則さん)

今がシーズンの『イチゴ狩り』。約4万6000株のイチゴが食べごろを迎えています。

「暖かくなってきて、イチゴの色づきも良くなって、甘みが上がってきますね。今がちょうど食べごろになります。ただ、なかなか食べてもらえないのが残念です。」(四宮さん)
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毎年、イチゴ狩りの売り上げが3000万円以上ありましたが、新型コロナウイルスの影響で今シーズンはイチゴ狩りを全て中止にしたため、収益がゼロになってしまいました。ビニールハウス前でのイチゴ販売は行っています。

「ここの地元で、天気が良いので散歩がてら来ました。毎年、この時期はイチゴ狩りをさせてもらっています。今年はないですもんね…残念です。」(イチゴを買いに来た人)

このいちご農園では、直売所のほか、大阪府のホームページを見た事業者にもイチゴの販売を始めましたが、それでもさばき切れないイチゴは近隣の洋菓子店にも卸すようになりました。店でイチゴの美味しさを知ってもらうことで通信販売を増やそうというわけです。タルト店の店主は…

「当店も(新型コロナウイルスの)影響がないわけではないので、皆さん協力して、生産者がしっかり作ったものを、良い形にできるようにしていかなきゃだめだなという思いは強くあります。」(タルト店の店主)

先行きが見えない不安の中で支援の輪が広がりつつあります。

(5月14日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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