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【特集】介護現場の人手不足が加速『子どもの休校』で職員不足...『自主休業』選ぶ施設も...ひっ迫する現場

2020年05月11日(月)放送

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感染拡大の影響により、介護の現場にも大きな負荷がかかっています。ひっ迫する介護の現場を取材しました。

相次ぐ“デイサービス自主休業”の余波

大阪市西成区に住む枦哲司さん(69)。これまでに2度脳梗塞を起こし、左半身が麻痺した状態となりました。この日、ケアマネージャーの尾上末美さんが枦さんの自宅を訪れました。枦さんは座っていても、左足が小刻みに震えていました。

(尾上さん)「(痙攣の)震えがきたり。」
 (枦さん)「外歩くの怖いです。一人だと、こないなる(左足が痙攣する)から怖い。」

1人暮らしの枦さんは、買い物へ行くことも料理をすることもできないため、ケアマネージャーと相談しながらヘルパーによる訪問介護サービスを利用しています。

また、週に3日はリハビリと入浴のためデイサービスを利用していますが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、1つが“廃業”しました。そしてもう1つからも、感染リスクから“自主的に休業”という連絡が届きました。

「うわあ、もうあかんわと思った。(デイサービスがないと)体を動かさないから、寝たままになってしまう。人とも会えないし。」(枦さん)

ケアマネージャーの尾上さんはこの状況に懸念を抱いていました。

「特に高齢者は、1週間寝たきりでも足が衰え(筋力が)低下する。一人住まいなら、話をする相手がいないので、頭を使わなくなり、認知症が進む。」(ケアマネージャー 尾上末美さん)

大阪府では、高齢者福祉施設は休業要請の対象にはなっていませんが、利用者に対して“家庭での対応が可能な場合は利用を自粛するよう要請”しています。このため、自主休業を選択する事業者が相次いでいるといいます。

「このまま何か月も続くと、かなりのところがやめたり倒産したりとか、大変じゃないかなと。介護を支えるところが支えられなくなってくる。ただでさえ介護って人手不足の上に、これ以上それに拍車をかけるようになったら、あと10年20年後どうなっているんだろう、介護って崩壊しているんじゃないか。」(尾上さん)

結局、廃業を決めたデイサービスから、なんとか運営を続けるという連絡を受け、枦さんは胸をなでおろしましたが、将来への不安は残ったままです。

「どうしたらいいのかな、全然わからへん。」(枦さん)

そもそも人手不足の「住宅型老人ホーム」 休校措置で「職員4人足りない」日も

また、介護の現場はそもそも人手不足が大きな問題となっていますが、これに追い打ちをかける事態が起きています。奈良県の“ある住宅型老人ホーム”には、約40人の高齢者が入居し、5人程度の常駐職員がお年寄りたちの生活を支えているのですが…現場責任者に5月のシフト表を見せて頂くと、職員が足りない日が多くありました。

「5月の今の仮のシフトなんですけども、緑のところが職員さんが足りない状態で、5月の1日で言ったら4人足りない。」(現場責任者)

長引く小中学校の休校措置により、職員の中には、どうしても家で子どもの面倒を見なければならなくなった人もいます。このため、慢性的にスタッフが足りないという状態が続いているのです。

「これが一番、頭が痛いところですかね。やっぱりどこも人出が足りない。」(現場責任者)

小学生の子どもが2人いるという職員は「フルタイムで働くのは難しい状況」だと話します。

「生活のためにもう少し働けたらと思っていたけど、それができなくなったので、先が見えない。(入居者が)毎日生活していらっしゃるので、それを止めることはできないので、少しでもお手伝いできたらという気持ちはありますけど。」(小学生の子どもがいる職員)

施設では新たに職員の募集も始めましたが、応募はほとんどありません。

「利用者のお部屋に訪問してケアを行うのが主な仕事なので、途絶えると利用者のお風呂や掃除の回数が減るとか、そうなると利用者の様子をうかがう時間が少なくなるので、部屋で何かあった場合の対応や発見が遅くなってしまうというのが危ないと思いますね。」(現場責任者)

介護の現場にのしかかる重い負担。老後の安らぎの場をどう支えていくか、問われています。

(5月11日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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