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【特集】「どこに感染者がいるかわからない...それでも救急受け入れを続ける」日々闘い続ける『救急病院』の医療従事者

2020年05月08日(金)放送

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新型コロナウイルスの感染が拡大する中、医療現場に負担が重くのしかかっています。24時間、様々な症状の患者が搬送されてくる救急の現場では、医師たちは常にコロナウイルス感染のリスクに晒されながら救急患者を受け入れ治療を行っています。その現場を取材しました。

救急患者の中にも発熱・呼吸困難など“コロナ疑い”が

年間7800件の救急患者を受け入れる京都市上京区にある「京都第二赤十字病院・救命救急センター」。京都府内でも心筋梗塞や脳卒中など、特に重篤な患者が搬送される病院です。
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最近増えているのが…発熱や呼吸困難などのコロナ疑いの患者です。

「今日はちょっと外傷が多いですけど、外傷の中に熱が紛れていたりとか、発熱患者とか、呼吸困難の患者もいるので。まず診察しないとわからない。画像とか撮らないとわからないので。それがわかるまでは、感染していてもおかしくないよね、という扱いで個室に入れたりしっかりとマスクをしたり。正直(コロナ感染者が)どこにまぎれていてもおかしくないので、こっちが感染防御して臨むしかないのかなと思います。」(救急科 岡田麻美医師)

「グリーン」「イエロー」「レッド」に分けられた集中治療室

この日、別の病院で新型コロナウイルスの陽性が確認された患者が、京都第二赤十字病院に転院してきました。本来、コロナ患者は感染症指定病院で受け入れることになっていますが、感染者の増加により4月から指定病院でない京都第二赤十字病院でも、コロナ患者の入院を受け入れています。

中等症以上のコロナ患者はICU(集中治療室)に入院しますが、感染リスクがあるため、ICU内で「グリーン」「イエロー」「レッド」の3つにゾーン分けをし、レッドゾーンにはフル装備の医師や看護師などしか入れません。
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救急科の医師・成宮博理副部長にゾーン分けについて教えて頂きました。

「今いるこの部屋は基本的には『グリーンゾーン』です、ここにはウイルスがいないという前提で物事が進んでいるエリア。もう1枚の扉の中が『イエローゾーン』です。ここは混合されている場所なので、イエローゾーンの中を見て頂くと、足元に黄色い線がありますけど、いろんな防護具を脱いだりするのはあのエリアで脱ぐと。その中の、次の扉の奥側が『レッドゾーン』になっていて、そこにはウイルスがいる前提で話をするエリアです。」(救急科・医師 成宮博理副部長)

コロナ患者には欠かせないPCR検査。患者がいるレッドゾーンで、医師が患者の鼻から検体を採取、採取された検体はイエローゾーンで看護師が専用の箱に入れます。

「もしかしてウイルスを出しているかもしれない。それをもしかして浴びたかもしれない。浴びるかもしれない、というプレッシャーの中で作業をするんですね。普段とは違う環境にいるのは、やっぱり大変だと思います。患者さんのストレスも非常に大きいとは思いますが、看護師含めてかなりのストレス、そういう意味でのストレスはありますよね。」(救急科・医師 成宮博理副部長)

コロナ患者の治療には、感染防止のために通常より多くの人員や時間が必要で、手袋は二重三重にして、ガウンなどは1回ごとに取り替える必要があります。このようにコロナ患者を受け入れたことが、本来の救急体制に影響を及ぼさないのでしょうか。

“コロナ”対策で現場は緊迫

この日、消防から心停止の患者の受け入れ要請が入りました。

「手袋は二重にしとけ。汚れたらその1枚目を変えろ、中でな。絶対に自分が感染しないようにしないといけない。」(医師)
「はい。」(他のスタッフら)

現場に緊張が走ります。患者が新型コロナウイルスに感染していた場合、対策をせずに治療を行うと、ウイルスが拡散して院内感染が生じる恐れがあるため、医師たちはマスク・ガウン・手袋とフル装備であわただしく準備していきます。
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患者は到着後すぐ救急センターの陰圧室に入れられます。気圧を下げることでウイルスが外に漏れるのを防ぐためです。

この瞬間から、陰圧室はウイルスがいる前提の『レッドゾーン』となり、人の立入が制限されます。

「コロナの時期でなければ、我々は手袋とガウンだけで通常の蘇生をやるのですが、万が一、コロナに感染している方だった場合には、通常の蘇生をやると、当然我々はそれに曝露されるということになるので、N95のマスクとかガウンとか、そうした装備をした上で蘇生をやる。人工呼吸をする時に、気管挿管をする際にも、一番上手な先生にやってもらう。フィルターを付けてエアロゾルが出ないという状況を作った上で蘇生をやる。」(救急科・医師 成宮博理副部長)

京都第二赤十字病院では今では1日約20件ある救急搬送のうち、新型コロナウイルスの感染が疑われる患者が半分近くを占めるといいます。結局この患者は、その後の血液検査の結果などから、感染している可能性は低いと判断されました。

「京都の医療崩壊をしないように」努力続ける現場の医療従事者

京都第二赤十字病院は、このように感染防止策を講じてコロナ患者の入院治療をしながら、通常の救急患者の受け入れを続けています。しかし、重篤な患者に対応する三次救急病院の中でも、コロナの院内感染が起きたことやコロナ患者の治療に対応するために、通常の救急患者の受け入れを制限しているところが相次いでいます。京都第二赤十字病院でもどう救急体制を維持していくのか、対策本部で議論が続けられています。

【対策本部の議論の様子】
「もしその人が緊急で入って、疑い症例で陽性が出た場合に、本当にそこの部屋を使えるのか、今の運用で。」(救急科・医師 石井亘副部長)
「看護師の余力がどこまであるかということが…」(看護部副部長)
「メインやと思う。病院の人の安全も担保して、患者さんの安全も担保しないといけないことを考えると、それは仕方がないことなので。継続を絶対にしていかないとあかんので。」(救急科・医師 石井亘副部長)

病院の模索は続きますが、こうしている間にも救急患者は運ばれてくるのです。

「京都の救急を支えるために我々はここにいるので、基本的に救急を断ることは行っていません。通常通り熱があろうが、呼吸苦であろうが、心停止であろうが、脳梗塞であろうが、何であろうが基本的にはお引き受けすると。救急を引き受けて頂いているたくさんの病院があります。力を合わせて京都の医療崩壊をしないように、みんなで協力してやっていく。我々は最後の砦の中の一つだと思っているので、最大限は努力していきたいと思っています。」(救急科・医師 成宮博理副部長)

(5月8日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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