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【特集】信用調査会社『帝国データバンク』の調査員に密着...「全然あかん」「今より今後が」関西経営者の声

2020年03月23日(月)放送

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新型コロナウイルスの感染拡大は経済にも影を落としています。流行が長期化すれば、リーマン・ショックを上回る影響を及ぼす可能性があるという見方もあります。民間の信用調査会社の調査員に密着し、今、企業の経営者が抱える不安を取材しました。

世界に広がる新型コロナウイルス

「米国全域からの入国者に対し、検疫所長の指定する場所での14日間の待機要請、および国内の公共交通機関の使用自粛要請を行う。」(安倍晋三首相・3月23日)

安倍首相は、中国や韓国、フランスやドイツなどのヨーロッパのほぼ全てに加えて、アメリカからの入国者に対しても、自宅やホテルなどで2週間の隔離措置を取るなど入国規制を行う方針を示しました。

新型コロナウィルスの感染拡大により、関西空港の国際線は3月23日現在、8割近くが欠航となっています。ヨーロッパから急遽帰国した人に話を聞くと…

「ロンドンが大変なことになっていて、それで一時帰国を急遽。本当は帰って来ないつもりだったのですが。」(ロンドンに留学している人)
「サッカーもできない、勉強もできない。(ドイツに)1年くらい滞在しようと思っていたけど、仕方ないですね。」(ドイツにサッカー留学している人)

国内では消費の落ち込みなど経済に深刻な影響が出ています。企業間の取り引きに必要な経済状況などの情報を提供している民間信用調査会社「帝国データバンク」。大阪支社で調査員をしている調査第1部の副課長・木本悟史さんは、関西の中小企業の経営状態などを調べています。

「きょうは(企業に)情報交換でお邪魔しようと思っていまして。コロナの問題も出ているので、どのような影響が出ているのかお尋ね出来たらなと思っています。」(木本さん)

ドイツへの売り込み行けず・生産ライン縮小・在宅勤務できない業種

3月19日、木本さんは大阪・西淀川区にあるプラスチックの加工製造会社「鹿島化学金属」を訪れました。従業員18人の小さな町工場ですが、この工場で生産されるプラスチック製のボールベアリングのシェアは業界トップクラスだといいます。

「どんな感じですか?」(木本調査員)
「全然あかんな。もう全く。」(鹿島化学金属 鹿島祐二社長)

自社の特殊な技術をヨーロッパへ売り込む予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により計画が中断してしまったといいます。

「実際の話、先週(3月中旬)ドイツに行くはずやったんやけど、その前からドイツから『日本人来てくれるな』と。見に行くはずの展示会も延期になったので、ドイツも行けなかった。」(鹿島社長)
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工場も、受注の減少を受けて、生産ラインは稼働を縮小せざるをえない状況です。

さらに、中小企業の経営者を悩ませているのが従業員の問題です。政府はテレワークによる在宅勤務を推奨していますが、製造現場では不可能だと話します。

「在宅って、製造業だから在宅なんて出来ない。営業は在宅できないの?というような話があるけど、データを家に持って帰ってとか、今そんなことしたらあかんやん。」(鹿島社長)

新型コロナウイルスの経済への影響深刻

苦境に立たされているのは製造業だけではありません。インバウンドで好調だったホテル・鉄道・百貨店などは、利用者数や売り上げが前年の半分を割り込むなど、落ち込みが顕著です。

帝国データバンクによりますと、新型コロナウィルスの影響で、今年2月以降、企業が法的整理を申請したり事業を停止したりしたケースは既に12件(3月23日現在)に上っているということです。また大和総研の調査によりますと、このまま長期化すれば、GDP=日本の実質国内総生産が31兆円ほど減るとの試算もあり、2008年のリーマンショックを上回る経済的打撃を受けるという見方も出てきています。

「今後」に不安…製造業には「半年か1年タイムラグがある」

帝国データバンクの調査員・木本さんが続いて向かったのは、大阪・枚方市にある大手企業の設備機器の設計や製造を手掛けている会社「ユニテック」。現段階では、まだ得意先から設備投資を見送るといった話は来ていないということですが、通常、年度末のこの時期に決まる新規の受注が足踏み状態だといいます。

「(企業の)計画が延期になったり下方修正されたりすると、オーダーメイドの設備の仕事もかなり数が少なくなる。そこが大きな心配があります。」(ユニテック 坂田真志専務)

製造業にとっては今の直接的なダメージよりも、今後じわじわと経済活動にブレーキがかかる不安の方が大きいと言います。

「リーマンの時もバブルの時も、タイムラグがあるんですよね、半年か1年ぐらい。そろそろ回復してきたかなという時期は、まだまだ寒い時期が続くのではないかと。」(坂田専務)
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一方今後、コロナショックを受けて海外から国内へ製造の拠点を移すという動きが高まれば、新たな商機もあると見ています。

「安い海外からモノを調達するという考え方の見直しや、国内生産の復活というのが、我々にとってはプラスにならないかなと考えている。」(坂田専務)

現場の聞き取りを終えた帝国データバンクの木本さんは…

「リーマンショックがあってSARSや自然災害があって、色々な困難を皆さん乗り越えてこられているので、皆さんも冷静に行動されている状態かなと思いますけど。コロナの問題がいつ収束するのかが一番のポイントになってくると思いますね。」(木本さん)

事態はいつ収束するのか、先が見えない中、経営に行き詰まる企業が更に増えないか懸念されています。

(3月23日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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