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考案者は女子中学生...実体験を応用『仲良くなれるカードゲーム』!!商品化で教育現場からも大反響

2020年03月05日(木)放送

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eスポーツを始めとしてデジタルなゲームが盛り上がりをみせる中、「アナログゲーム」も話題になっている。去年、東京と大阪で開かれたアナログゲームの即売会・ゲームマーケットには、5日間でのべ6万人以上が来場した。そんなゲームマーケットに初出展し、異例の250個を売り上げたゲームの作者に迫った。

“下の名前”を呼ぶのが絶対!

話題のアナログゲームを考案した人物は、中学2年生の工藤七菜さん。七菜さんは大阪府河内長野市の清教学園中学校に通い、全国大会常連の強豪「合唱部」に所属している。休み時間には友達と談笑する普通の女の子である七菜さんが考案したのが、『ニックネーム』というカードゲームだ。
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『ニックネーム』は、「せんせい」「博士」「社長」「先輩」「殿」「隊長」「くん」といった呼び名が書かれたカードを使う。自分の手札のカードに書いてある4つの持ち物を、他のプレーヤーの誰が持っているかを推理し、集めていくのがゲームの流れで、持ち物カードを一番多く集めた人が勝ちだ。そして、このゲームの最大の特徴は…
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【『ニックネーム』で遊んでいる様子】
「良樹“殿”、刀を持っていませんか?」
「七葉“隊長”、ライトをください。」

このように、カードに書かれている呼び名を相手プレーヤーの下の名前に付けて呼ばなければ、持ち物カードはもらえない。ここが彼女のこだわりだ。

「人の名前を絶対に呼ばないといけないというルールがあって、それを通していろんな人と仲良くなれるゲームです。」(工藤七菜さん)

きっかけは「アナログゲーム」のイベント

七菜さんがアナログゲームと出会ったのは、小学5年生の時。父親に連れられてアマチュアの人達が出展するアナログゲームのイベントに行ったのがきっかけだった。

「プロじゃない人達が(ゲームを)作っているというのにびっくりした。自分も作ってみたいなと思って、楽しそうだし。」(工藤七菜さん)

ゲームを『する側』ではなく『作る側』になりたいと思った七菜さん。中学受験を終えてようやく時間ができた時、父親に宛てて、こんな手紙を書いたという。
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「チラシの裏側みたいなところに『パパの知り合いで(一緒に)ゲームを作っても良い人がいたら3、4人集めて」というような手紙が来た。仲間内に聞いてみたら、『良いよ』という人がいてくれたので、アドバイス受けながら進めようかという感じでスタートした。」(父・工藤良樹さん)
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彼女が父親に助けを求めたのには理由がある。実は、父親の良樹さんは、デジタルゲームのプログラマーで、いわゆるゲーム作りのプロ。そして良樹さんの友達も、イラストや企画を担当するデジタルゲーム作りのプロ。中学生をリーダーにしたちょっと変わったチームが誕生した。

人見知りな性格…ゲームは実体験が基に

七菜さんがどうしても作りたかったゲームは“自らの実体験”がベースとなっていた。中学受験の為に通っていた塾でのこと、今では仲の良い友達となった山本歩佳さんと打ち解けるまでに相当な時間を要した。

「けっこう人見知りで、(名前で)呼んで良いのかなという感じで。もう1人女子がいたんですけど、2人が元々仲良くて、私が後から入った感じで…名前で呼んで良いのかわからなくて。『なあなあ』と(呼んでました)。」(工藤七菜さん)
「私は普通に七菜とか、七菜ちゃんみたいな感じです。」(山本歩佳さん)

人見知りが激しい彼女にとって、誰かを下の名前で呼ぶのはとんでもなく高いハードルだった。勇気を出して、こう切り出したのは、出会いからなんと1年も経った後だった。

「『歩佳ちゃんって呼んで良い?』って聞いて、『いいよ』って言ってくれて。」(工藤七菜さん)
「別に呼んでくれていいし、もっと仲良くなりたいと思っていたくらいなので。」(山本歩佳さん)
「(出会ってから)1年しか経っていなくて、良いのかな?みたいな感じで、頑張って言おうと思って言いました。」(工藤七菜さん)
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この経験が基になり、出会って速攻で下の名前が呼べて仲良くなれるゲームを作りたいと考えた七菜さん。とはいえ、本人の引っ込み思案なところが急に変わるわけもなく…

「一緒に作ってくれたメンバーで集まった時に、絶対に僕経由でしか意見を言わなかったんですね、当初ね。(メンバーから)聞かれても、僕の方に返答していて…。」(父・工藤良樹さん)

メンバーの1人でゲーム設計を担当した永尾純一さんは当時をこう振り返る。

「大人が決めようと思えば決められる部分も沢山ありますが、そこは七菜ちゃんの思いから始まっているという所があったので、『どう思う?』『社長これはどうですかね?』みたいな感じで、確認を取りながら。」(永尾純一さん)

イベント初出展・個人参加で異例のヒット 商品化すると教育界から反響

構想半年、制作期間4か月を経て、ゲーム『ニックネーム』(税込み1540円)は完成。お披露目は、七菜さんが初めてアナログゲームと出会った「ゲームマーケット」だった。

「ちょこっとは売れそうかなと思いました。」(工藤七菜さん)

実際は「ちょこっと」どころではなかった。初出店だとほとんど売れないのが当たり前といわれる中、『ニックネーム』は異例の250セットを販売。更にはゲーム卸会社の目に留まり、商品化まで決定してしまったのだ。
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「大人同士でも名前を呼ぶのが照れ臭いのを、役柄を入れてロールプレイしながら遊ぶのは、面白いんじゃないかと思って。やってみると面白かったので、『是非うちで商品化させて頂けないか』と話しました。」(クレーブラット 畑直樹代表取締役)

そして、いざ商品化されると、小学校や学童保育の先生から「名前で呼ばれる嬉しさを感じて欲しい」「コミュニケーションとしても素晴らしい」などの意見が寄せられ、今、教育現場での導入が相次いでいるという。

「友達ともっと仲良くなってもらえたら」

実際、七菜さんの友達は、このゲームをどう感じるのだろうか…

【工藤七菜さんの友達】
「メッチャ頭脳戦で、頭使ったけど、初めての子でもみんなで仲良くなる良いきっかけになるゲームだなと思いました。」
「友達を作りにくい時でも、初めてやった子とでも打ち解けられるゲームだと思います。」
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このゲームは七菜さんの人見知りの性格にもちょっぴり影響を与えたらしい。

「中2に上がった時、最初はちょっと緊張したんですけど、中1の時よりはすぐに友達の名前を呼べるようになりました。私と同じように下の名前で呼びたいのに呼べないという悩みを抱えている人に遊んでもらって、友達ともっと仲良くなってもらえたら良いなと思います。」(工藤七菜さん)

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