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【特集】『平均寿命15歳』の難病...そして15歳になった少年TKが今想うこと

2020年02月14日(金)放送

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重い心臓病を抱えた少年がクラウドファンディングで本を出版しようとしています。少年が患った病気の『平均寿命は15歳』。彼は今年2月16日に“15歳”となりました。今まで生きてきた道のりとこれからの夢を記す本の出版に向けた活動に支援の輪が広がっています。

TKの人生を変えてくれたキングコング・西野亮廣さんと対談

ミウラタケヒロさん、名前のTAKEHIROから『TK』という愛称で、みんなから呼ばれています。この日は人生が変わるきっかけをくれた人との対談のため、緊張した面持ちで控え室で待っていました。するとそこに。
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「おはようございます、よろしくお願いします。」

明るい挨拶をしながら部屋に入って来たのはキングコングの西野亮廣さん。TKは西野さんと2年ぶりの再会を果たしました。さっそく、対談が始まりました。
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  (TK)「どうやったらモテますか?」
(西野さん)「完全に顔。ウソウソウソ。完全に明るさです。明るさ、聞き上手ですね。」

TKは今、本を作るために活動しています。西野さんとの対談もその本に掲載する予定です。

「明るい方が良いよと、やっぱり本人が言ってくれていたのですが、その本人が一番明るいですね。凄い人ですね。かっこいい。」(TK)

「複雑心奇形」平均寿命は15~18歳 できないことが当たり前の人生に

家でのTKはどのように過ごしているのか。別の日、取材班は自宅を訪れました。昼過ぎ、ようやくTKが起き出しました。TKは今、中学3年生ですが、体調面などを考え、学校には行っていません。

キッチンではTKの母親・ユウさん(50)が薬の説明をしてくれました。

「1、2、3、4種類の薬を朝は飲んでます。心臓の血流を促進する薬とそれを安定させる薬。これは一生涯飲む薬ですね。」(TKの母親 ユウさん)
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一見、他の子と何も変わらないように見えるTKですが、生まれながらにして「複雑心奇形」という重い心臓病を抱えています。正常な心臓は、4つの部屋に分かれていますが、TKの場合は右心室が先天的に欠如していて、全身に血液が送り出しにくい体になっているのです。心臓に負担がかかるため10分以上歩き続けることが難しいと言います。
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「(TKの症状になった場合は)大体3%ぐらいしか生きては生まれてこれないと聞きました。手術を受けて上手くいっていても、今のところ15歳から18歳ぐらいが平均寿命と言われているんです。」(ユウさん)

TKの症状の場合、平均寿命は15歳ほどだと医師から伝えられました。
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さらに生後6か月で、ベビーカーから落下する医療事故にあい、脳に傷を負いました。心臓と頭部で受けた手術は9回。母親のユウさんはつらい子育てをしなければならなかったと言います。

「生後7か月から5歳までずっと『大泣きしない』『大笑いしない』という生活をさせないとダメだったんですね。泣くというのは凄く心臓に負担で、泣き疲れて寝るとかあるじゃないですか。要するに泣くと凄く体が疲れるのでやっぱり泣かせない。あと、笑うのも息が止まっていたりとかするので、あまり笑わせない、大笑いはさせない、ちょっとぐらいは笑ってはいいけど。罪悪感みたいなのは凄くありましたね。感情をコントロールしちゃうことに対する。」(TK)

幼い頃、ほどんどを病院で過ごしてきたTKは、多くのものを諦めなけらればなりませんでした。一人で出掛けること。スポーツをすること。みんなが通う幼稚園や学校に入ること。出来ないことが当たり前の人生でした。

12歳の大きな転機 広がる交流の輪

そんなTKが12歳の時に、人生を大きく変える転機が訪れました。

『病気で家から出られない子どもや入院している子ども達のために、光る絵本展をお願いして下さい。』(ビデオレターで話すTK)

キングコング西野さんに送ったビデオレター。彼の絵本のファンだったTKが、外出困難な子ども達に向けて絵本展を開いて欲しいとお願いしたところ、西野さんは快諾。特別に展覧会を開いてくれました。TKの想いが実現したのです。
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「積極的に自分から行こうというのを学べたというか。何でも行動に移すのは大事なんだなという感じで。」(TK)
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これを機に「会いたい人に会う」と決めたTKは、積極的に外へ出かけるようになりました。ロボット学者の吉藤オリィさんや、ホームレスの小谷さんに会い、去年14歳の誕生日にはクラウドファンディングで募って購入した電動車椅子でUSJへ。交流の輪がどんどん広がっていきました。

「障害者手帳の更新ができることが嬉しい」

そして、今年2月16日にTKは15歳に。(誕生日前に)母親のユウさんにとって嬉しい出来事がありました。

「障害者手帳の更新が来たんよ。次の更新の時にさ、どうしてるかなとトミー(主治医)と話していたんよ。手帳更新が出来るかなみたいな感じだったんよ。嬉しいわ。手帳更新出来るの嬉しいわ。」(ユウさん)

「TKマガジン」を出版することに挑戦

15歳を記念する今年の挑戦。それは、これまでの事、今の活動、そして未来の展望について記した「TKマガジン」を出版することです。今は制作費を募るためクラウドファンディングに挑戦中。TKの本のためにキングコング・西野さんの他、作家の乙武洋匡さんも対談に協力してくれました。
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「僕の生き方が誰かの何かになるかもしれないし、凄く個人的なことなんですけど、僕がいなくなった時にこの本に書かれている僕のことが大切な仲間達とか、本を買ってくれた皆様の支えになれば良いなと思って始めたという感じです。」(TK)

やってみたいことは実現する

別の日、大阪市内にある音楽スタジオにやってきました。子ども病院で一緒だった幼馴染のCharさん(14)と音楽CDの制作に挑戦するためです。CDはクラウドファンディングの支援者に御礼として配ります。

    (TK)「これはダラダラ話す会。」
(Charさん)「ちゃうわ。」
    (TK)「目的はレコーディングの話を。私達は歌うということに。」

ミュージシャンの指導の下、どのような曲を作っていくか打ち合わせします。

(ミュージシャン)「不登校とかな。」
 (Charさん)「右心室がないとか。」
   (ユウさん)「こういう事が面白く伝わればいいなと。説明すると、大体みんな笑うから。でも、つい深刻な事だと捉えられがちで。」

本でも音楽でも、とにかくやってみたいことは実現する。打ち合わせの流れでTKとCharさんは早速レコーディングを行いました。

毎晩願う「また明日同じ世界に目覚めますように」

TKと母親のユウさんが毎晩願うことがあります。
それは『また明日同じ世界に目覚めますように』。

「人が生きていくというのはどういう事だというのを凄く真剣に向き合えた15年でもあったし、凄く人生を豊かにしてくれた15年だったなと思います。」(ユウさん)
「寿命ってデータで出来ているものなので、だから分からないですよね。まあ、大丈夫なんじゃないですか、今のところ。油断は出来ないですけど、まあでも、気にはならないかな。」(TK)


※「TKマガジン」のクラウドファンディングは目標200万円に対して245万9555円が集まり、今年5月か6月に出版予定だということです。

(2月14日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

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