MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

特集記事

【特集】駅前一等地の『地下から産業廃棄物』20年前のお粗末な対応...多額の撤去費用は「市民の税金」投入か

2020年02月12日(水)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

子育て世代を中心に人気を集めるベッドタウンの滋賀・草津市で大量の産業廃棄物が見つかりました。しかもJR草津駅前の一等地の地下からです。元々建っていたスーパーを解体した際に搬出されず地下に埋められていたとみられますが、市の杜撰な対応によって、多額の税金が投入される事態となっています。一等地を巡って何が起こっているのでしょうか。

JR草津駅前から大量の産業廃棄物 撤去費用1億円超?

駅前にタワーマンションが建ち並ぶ滋賀・草津市。経済誌・東洋経済が選ぶ「住みよさランキング」では5年連続(2013年~2017年)、近畿でトップになった人気の街です。

「マンションだらけですね。」(草津市民)
「交通も便利ですね。」(草津市民)
「ここ10年くらいで相当発達した。滋賀県一の街かもしれない。」(草津市民)

そんな中、JR草津駅から徒歩5分、広さ6500平方メートルの一等地で、草津市は去年5月から肝入り施設の建設工事を始めています。建物は育児スペースや社会福祉協議会の事務所などが入る6階建ての「市民総合交流センター(仮)」です。
1b.jpg
ところが、工事を始めたところ、地下からコンクリートの塊や鉄筋などの産業廃棄物が大量に出てきたのです。この土地は元々、スーパーマーケットの「西友草津店」が営業していましたが、2000年に閉店。
1c.jpg
その後、草津市が出資する「草津市土地開発公社」が、周辺の土地と合わせて、当時の基準地価の半額程度の約19億円で購入しましたが、20年間塩漬けに。工事を始めた今になって産業廃棄物の存在が明らかになったのです。

「直近のスーパーマーケット解体時のガラ(産業廃棄物)ではないかと思っています。現在の作業状況の確認でいきますと、(撤去費用は)到底5000万円では足りない。(Q1億円を超える可能性はある?)(可能性は)あるのはあるということです。」(草津市まちづくり協働部 荻下則浩副部長)

土地売買の『契約書』…責任は市か?開発公社か?

草津市は売主の西友や不動産会社に対して賠償を求めることを検討中ですが、契約書の“ある条件”がネックになっているといいます。当時の売買契約書を確認すると…

『売主は、土地の隠れた瑕疵を含む一切の瑕疵について、その責任を負わない。』
2a.jpg
売主側の西友は「何があっても責任が免除される」という、市側が一方的に不利となる条件が付けられていたのです。

(Qなぜ一方的に不利な条件になったのか?)
「それは分からないですね、こちらでは。土地開発公社の方で確認頂きたいと思います。」(草津市まちづくり協働部 荻下則浩副部長)

では実際に土地を購入した草津市土地開発公社に聞いてみると。

「基本的には契約の締結事務も市の方で行っていた。書面上は土地開発公社が当事者という形になっていますけども。(Qつまり契約書の中身の文言については公社としては関わっていなかった?)過去の書類も見てみたが、契約書の中身とか条項について、公社の方で特に議論があったことはないようです。」(草津市土地開発公社・管理業務課 松浦正樹課長)

お互い、責任の擦り付け合いとも取れる態度に終始しました。

「20年前の担当者」「解体業者」「売主」の言い分は?

20年前の担当者の増田民雄さん(72)。当時、市役所から開発公社に出向して事務局長を務めていました。増田さんは『開発公社は市の指示に従っていただけ』だといいます。

(Q契約書を見ているはずだが疑問に思わなかった?)
「はい、正直に言って疑問には思ってはおりませんでした。市が全部お膳立てしてくれたやつを僕らは追認するだけという程度の、非常に無責任と言えば無責任だが、ただ単に事務処理として流せばいいだけという、その程度の認識しかなかったと思います。」(市から公社に出向していた 増田民雄さん)

地下への廃棄と一方的な契約は意図的だったのか?解体工事の報告書を確認すると、適切に解体して更地にしたと写真付きで説明されています。
3c.jpg
この報告書を作成したのは、西友から依頼を受けた兵庫・姫路市の解体業者です。解体業者の本社として記載されていた住所を取材班が訪ねてみると…

(Q以前、解体業者が解体した西友草津店についてお伺いしたいのですが?)
「全然その辺が分からないです。家族とかで分かる者がおらんのですけど。」(解体業者代表の息子)
(Q解体業者の代表はいらっしゃいますか?)
「もう亡くなりました。」

解体業者の代表の息子だという男性が応対し、「代表はすでに死亡していて会社も倒産したため何も分からない」と話しました。

売主だった西友は取材に対し「草津市への売却については法律に基づきながら、お互いに合意し、適正に行われた理解でおります」とコメントしています。

弁護士の見解は「売主に賠償を求めるのは難しい」

5000万円以上とされる撤去費用。土地の売買契約に詳しい弁護士は、今になって売主に賠償を求めることは難しいと話します。

「平成12年(2000年)の契約で、すでに19年経っているので、いわゆる時効という問題があって請求ができない。開発公社はバブル期もそうだが、日本中の自治体でどんどん公共事業のための土地購入をしていたわけですから。まさにそういう乱脈行政の時代の遺物であって、利用する中でたまたま出てきたのが、本件の不祥事ではないでしょうか。」(土地売買に詳しい 小田耕平弁護士)

このまま市民だけが負担を強いられるのでしょうか。当時、市から開発公社の事務局長として出向していた増田さんは今、後悔の念を抱いています。

「駅前に近いということと、面積的にかなり広いですから、誰が見ても一等地やという認識やったと思います。ご批判はあるかと思いますが、してやられたということでの、悔しさみたいなのもあるし、市民に対して申し訳ないという思いもあるし。隙をつかれた、不覚やったとしか言いようがないんです。」(市から公社に出向していた 増田民雄さん)

最近の記事

バックナンバー