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走った道が「絵」になってる!『プロGPSランナー』が目指す「競わない楽しいランニング」

2020年01月23日(木)放送

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おそらく世界に唯一、プロの「GPSランナー」として活動している男性が兵庫県西宮市にいる。自分の現在位置を測定できるGPSを利用して、自分自身が実際に移動した経路を地図上に表示する機能を使い、地図上に絵や文字を書いている。作品は多岐にわたり、SNSにアップしたことで話題を集め、活動の広がりを見せている。そもそも始めたきっかけや、実際にどのようにして「絵」や「文字」になっていくのか、その過程を取材した。

アプリを使って走って絵を描く「GPSランナー」

西宮市の地図に描かれた「感謝」の文字。
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兵庫・明石市に描かれたのは干支の「ネズミ」。
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東京・台東区では「ラクダ」が描かれている。まるでナスカの地上絵のようだ。
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高知市では「坂本竜馬」の文字。複雑な漢字だが読むことができる。
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これらの作品を作った人物が兵庫県西宮市在住のGPSランナー・志水直樹さん(32)だ。志水さんが作品作りに使っているのは無料でダウンロードできるスマートフォンの「ランニングアプリ」。GPSで走った経路が地図上に線で表示される機能を使って文字や絵を描いている。この方法で描いた作品は約260点にのぼる。

もちろん、これらの作品は、行き当たりばったりで描けるものではない。

「どこで描くのか、何を描くのかというのを最初に決めます。地図とひたすらにらめっこする形になります。」(志水さん)

実は志水さんは「地図を凝視すると、道が文字や絵に見えてくる」という、謎の才能の持ち主なのだ。

ということで、毎日放送のある大阪・茶屋町周辺で、「MBS」となるコースを考えてもらった。地図とにらめっこすることわずか1分。おもむろにタッチペンで地図に書き込み始めた。

「どうせなので、MBSをスタートかゴールにしたいなと。ランニングコースを書いていきます。一筆書きで書きます。」(志水さん)

わずかな時間で見事、一筆書きの「MBS」を書き上げた。とはいえ、地図に文字が描けても、実際に走れるかどうかは別問題。行き止まりが無いかどうかなどを入念に確認してから実際に走るそうだ。

「GPS」アートの作り方

今回、MBSの番組のために「新作」を作ってくれるという志水さん。スタートは志水さんの地元の西宮市で、約13kmのコース。ランニングアプリを起動したら「GPSアート」のスタートだ。
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順調に走っていく志水さん。歩道橋の階段を上って、反対の道に渡るのかと思いきや…すぐさま引き返してきた。これは一体何故なのだろうか。

「文字を作るために、絵を作るために必要な作業になります。(Q道を間違えたわけではなく?)あれでやっと繋がった感じです。(Q行って帰ることは多い?)とても多いですね。例えば生き物を描く時は、ヒゲの先まで行ったら同じ所をまた帰ってきてとか。長い時だと2kmぐらい戻ることもあるので。」(志水さん)

一筋縄ではいかないコースを走り続けること約1時間半、志水さんはゴール地点までたどり着いた。果たしてどのような作品が出来上がったのだろうか。
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「MBSの番組名『ミント!』と描かせて頂きました。」(志水さん)

走行距離13.21kmで描かれた『ミント!』の文字。びっくりマークの丸の部分は、阪神甲子園球場だ。

「失敗する時も読みにくい時もあるんですけれど、今回は『!』を是非甲子園で描きたいなという思いで、描かせて頂きました。」(志水さん)

「西」という文字に見えたことがきっかけ 日本人初“走る楽しさを伝える大使”に

志水さんが作品作りを始めたのは4年前の福男がきっかけだという。

「西宮神社の福男選びに並んでいて、グーグルマップで地図を見たところ、神社の周りが『西』という字に見えました。そこから『西宮LOVE』という字がぱっと思い浮かんで、それを走り始めたのがきっかけとなります。」(志水さん)

初めての作品が思いのほか上手くでき、SNSでの反響も良かったことから、志水さんは「GPSアート」にのめり込んでいったそうだ。ついに去年4月、6年間務めた小学校教師を辞め、もしかしたら世界初?の「プロのGPSランナー」になった。
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その直後に、ランニングアプリを手掛けるアディダスのグループ会社から“走る楽しさを伝える大使”に日本人で初めて任命されるなど、順風満帆!にも思えたが…作品作りだけでは生活できず、今は週3日~4日アルバイトを掛け持ちして活動資金を稼いでいる。

2日に1作品のペースで作り続けている志水さん。作品作りを続ける中で、普通の「ランニング」とは一味違う面白さに気づいたという。

「地元の人でも通らないようなローカルの中のローカルな道に思わず入っていくこともあって。田んぼの中の道を突き進んで、凄い風景を楽しんで、偶然作った作品の中にそこが組み込まれていて、行くことができました。」

走るペースは自由。アプリの一時停止機能を使えばトイレ休憩もできる。

「GPSアート」を楽しみながらごみ拾い

志水さんの「GPSアート」は今、新しい形となって広がりを見せている。神戸市長田区で今年1月に行われたイベントは、『ジョギングをしながらごみ拾いをして「ECO(エコ)」という文字を作ろう』という企画だ。

「5年ぐらい神戸市内で色んなごみ拾いをしてきたんですけども、なかなか市民の関心を集めることができないという現状を感じまして。皆が楽しめる、面白がってもらえるというのが、やっぱりキーワードとして必要かなと思ったんです。」(主催者 家崎美明さん)
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この日のイベントの参加者は約30人。4.5kmのコースを志水さんの先導で進んでゆく。途中の休憩ポイントでは…

(志水さん)「今『E』と『C』の途中やな。」
 (男の子)「あーこうやっていくん。」
(家崎さん)「最高!めっちゃ楽しい。」

自分達が進んだ道が作品を作り出していることに参加者も大喜び。約1時間かけてコースを走り終えると…参加者達の持つスマートフォンの地図にはECOの文字が浮かび上がった。

「達成感ありますよね、やっぱりね。」(参加者)
「普通に走るの嫌いなんで、こういった楽しみがあるので、参加して良かったです。」(参加者)
「絵として『ECO』という字が生まれただけでも、すごいなという喜びがありますね。完成の喜びがね。」(参加者)
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「運動が苦手な方が一緒に楽しみながらできるようなきっかけになったら嬉しいなと思っています。オリンピックで沢山海外の人も来てくれるので、一緒に参加してもらって、メイドインジャパンの第三の競わない楽しいランニング文化を作っていけたらと思っています。」(志水さん)

(1月23日放送 MBSテレビ「ミント!」内『辻憲のBUZZリポ!』より)

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