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"庶民の味"だったフグ...始動した『大阪湾トラフグ復活計画』!稚魚放流...漁港で成長した姿を発見!?

2020年01月29日(水)放送

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高級食材のフグ。かつて、大阪湾ではよく獲れ庶民的な存在だったそうですが、今では大阪湾ではほとんど水揚げされません。そんな中、大阪湾でフグを復活させる取り組みが始まっています。

大阪の人がフグを好きなのは「庶民の味」だったから

冬の味覚・てっちり。全国のフグ消費量の約6割を大阪が占めているといわれています。大阪市北区にある料理店「玄品」で提供する天然のトラフグは山口県の下関産ですが…

「昭和30年(1955年)くらいまでは大阪湾でも沢山獲れたんですけど。(Q今、大阪のフグはある?)無いですね。」(玄品・大阪梅田東通 岡島孝彦店長)

実は1970年代までフグは大阪湾でもよく獲れていたため、庶民の味としてフグを食べる文化が生まれたとも言われています。しかし今では、ほとんど水揚げされません。

フグが消えた大阪湾…高度経済成長が影響か

なぜ、大阪湾からトラフグが消えたのか。大阪府立環境農林水産総合研究所の山中智之さんは高度経済成長による大阪湾の変化が影響しているといいます。

「昭和30年とか40年に、どういうことがあったのかというと、大阪湾で埋め立てが進んだ時期にあたります。」(大阪府立環境農林水産総合研究所 山中智之研究員)

フグは回遊しながら成長し、生まれたところに戻る習性があります。山中さんによりますと、大阪湾で生まれたフグは、半年ほど浅瀬で過ごした後、“瀬戸内海を移動して東シナ海へ向かう”といいます。そこで3年ほど過ごし、食べ頃の全長40~50cmに育った後、大阪湾に戻ってきていたというのです。
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しかし戦後、大阪湾で埋め立てが進み、フグの育つ場所がほぼ無くなりました。工場排水などによる水質悪化も追い打ちをかけ、フグはいなくなったとみられています。

『大阪湾トラフグ復活計画』

そんな中、始まったのが『大阪湾トラフグ復活計画』でした。大阪・岬町にある大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センターではトラフグの稚魚を育てています。

「ここが飼育している現場ですね。2019年には3万2000匹くらい育てて放流しました。」(山中智之研究員)
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近年では大阪湾の水質も良くなり、残る浅瀬でも成長できる環境が整ってきたと考えた山中さんらは、5年前から7cmほどまで育てた2~3万匹のトラフグの稚魚の放流を始めました。
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稚魚には、頭の一部分を酸で溶かして目印を付けています。大阪・貝塚市の二色の浜から毎年放流を行っていて、最初に放流したトラフグが、想定通りに“瀬戸内海を移動して東シナ海へ向かう”とすれば、そろそろ成長して戻ってくる時期と考えられますが…

「そろそろ大きくなって産卵するくらいのサイズになって戻ってくるかなという期待をしているのですが、まだ獲れていないです。」(山中智之研究員)

実は東京湾で成功例がありました。大阪湾同様にほとんど獲れない時代が続きましたが、2006年から放流を始めた結果、今では最大4tも水揚げされるようになったのです。

漁港で発見!「放流したフグ」

大阪湾にトラフグを復活させようと取り組む山中さんは、かつて放流したトラフグを探しに月に2回、大阪・泉佐野市の泉佐野漁港を訪れています。次々に上がってくる魚の中に、目当てのトラフグがいないか歩き回ること約30分…

「これトラフグですね、うちで放流したやつです。」(山中智之研究員)
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頭の目印は少しずつ変えて付けていて、その目印の形を見ると、獲れていたのは去年7月に放流したもの。15cmほど大きくなり約22cmに育っていました。

「関西国際空港の沖で獲れたもの。あのサイズになると外に出てくるという一端を見えたのかなと思う。」(山中智之研究員)

とはいえ、見つけたのは、放流してそのまま大阪湾で育った段階のトラフグ。目指しているような“東シナ海へ行って成長して戻ってきたもの”ではありません。山中さんは稚魚の放流を粘り強く続けていくことが大切だと言います。

「大阪湾で獲れたトラフグを大阪で食べてもらいたいというのが、一つの大きな希望ですよね。そして、トラフグというものを通して、大阪湾という海が豊かな海なんだということを皆さんに知って頂けたらなと思っております。」(山中智之研究員)

(1月29日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『知っておきたい!異変ファイル』より)

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