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【特集】「星5必要」"ヤラセレビュー"広がるネット通販サイト SNSで書き手を募集...その実態は?

2020年01月23日(木)放送

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インターネットの通販サイトを利用して買い物をする際、商品を購入した人が書いたレビューや「星」の評価を参考にする方も多いのではないだろうか。しかし、このレビューが不正に操作されていることがわかった。

レビューしたら購入代金が返金!?「罪悪感はない。ラッキーって感じ」

大手ネット通販サイト「Amazon」。日本の利用者だけで5000万人を超えると推計されている(※ニールセンデジタルによる推計)。消費者が商品を購入する際、その頼りとなるのが「レビュー」だが、実際に商品を使っていないのに最高評価の星5つや高い評価のコメントをつける、いわば“ヤラセ”のレビューが横行しているという。
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「(レビューは)適当ですね。(インターネットで)レビューを調べてコピペしてから言葉をちょっと変えたりとか。」(ヤラセレビューを書く女性)

こう話す京都市に住む20代の女性は、これまでに10回以上、ドライヤーなど日用品のヤラセレビューを書いたと話した。きっかけはSNSだったという。

「(SNS上に)Amazonレビューのグループがあって、そこに入ると商品がバーっと流れてくるんですよ、普通の投稿みたいな感じで。それで気に入ったのがあったら、コメントやメッセージで『興味あります』と送って。」(ヤラセレビューを書く女性)
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仕組みはこうだ。SNSでヤラセレビューの書き手を募集している人物にメッセージを送り、その人物から指定された商品をアマゾンで購入する。その後、その商品について最上位の星5つをつけ、高評価のレビューを書くと、商品の購入代金が返金されるというのだ。さらに1件あたり数百円の報酬がもらえる場合もあるという。
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「罪悪感はないですね。ラッキーっていう感じ。セールの100%割引版みたいな。(ヤラセレビューは)もしかしたらあかんことかな?って思いつつ、でも犯罪に加担している気持ちとかないし…」(ヤラセレビューを書く女性)

この女性は、欲しい商品が“ただで手に入る”ヤラセレビューの投稿を「今後もやめるつもりはない」と話した。

さらに、レビューの書き込みで手に入れた商品をフリマアプリで転売し、利益を上げるグループの存在もある。電話で話を聞くと…

「僕たちはグループでさせていただいております。副業感覚でやっております。僕が基本、仕入れをやって、他の人たちがメルカリとか他のサイトで売っています。だいたい月に100個くらいでしょうか。」(ヤラセレビューを書く男性)

ヤラセレビュー募集人物と接触

「顧客の純粋な感想」という本来の趣旨とは異なるヤラセレビュー。それを読んだ消費者をだますことにもつながるため、書かせた側も書いた側も景品表示法違反にあたる可能性があり、Amazonもガイドラインで禁止している。しかし、取材班が実際にTwitterで調べてみると、ゲーム機や日用雑貨など、ヤラセレビューの書き手を募集する投稿が数多く見つかった。

取材班は『S』という人物に接触してみた。Sは「衣類カバー」のヤラセレビューを募集していた。
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【Sから送られてきたメッセージより抜粋】
『返金と報酬について、レビューは文字のみ(50字以上)商品代金+200円報酬、画像(2枚以上)商品代金+400円報酬、動画(20秒以上)商品代金+800円報酬』

実際に商品を購入して使ってみてると…

さらに、別の人物は代金返金と500円の報酬を条件に加湿器のレビューを書いてほしいと誘ってきた。購入すると翌日にその商品が到着。価格は約2000円で星4.8という高い評価だが、実際に電源を入れて使ってみると…

「(使用2日目)急に電源が落ちました。まだ水は入っているんですけど、先ほどから何度か電源が落ちます。」(記者)

使い始めてまもなく、勝手に電源が落ちるようになった。「こんな商品に星を5つもつけるのか」と問い合わせてみると、返ってきた返事は「星5必要」だった。
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取材班が実態を調査するため商品を購入したところ、販売元は全て中国の業者だということがわかった。ヤラセレビューが違法であるという認識はないのか、改めてツイッターで質問すると…
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【送られてきたメッセージより抜粋】
「私なんか不詳な予感があします。失礼します。この話なら、勘弁してください。」
「もう少しレビュービジネスを知った上で来てもらってもよろしいでしょうか。」

まともな答えは返ってこなかった。
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中国・深センの販売業者を訪問…事務所に人影なし

直接話を聞くため、取材班は中国・広東省の深センにある衣類カバーの販売業者を訪ねた。しかし、事務所に人影はなく、ダンボールなどが転がっていた。隣の会社の従業員に話を聞くと…

Q.今日、たまたま人がいないだけですか?
「わかりません。昨日もおとといも来ていません。」(隣の会社の男性)
Q.普段は何をしている会社かわかりますか?
「わかりません。」(隣の会社の男性)
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深センにある別の業者へも行ってみたが、「担当者がいない」と繰り返すばかりだった。取材を続けると、最近ヤラセレビューの募集を始めたという中国の業者が電話での取材に応じた。

Q.Twitterで報酬付きのレビューを募集しているのを見たのですが?
「そうですね。いけないことだとは私たちも知っていますが、知ってのとおり、実は多くの人がやっています。だからうちも…。ただ、製品を発売したばかりなので、レビューを書きたいという応募はまだ来ていません。」(ヤラセレビュー募集を始めた中国の業者)

手口が巧妙化“いたちごっこ”の状態に Amazonも対策に乗り出す

ITジャーナリストの三上洋さんは「ヤラセレビューの投稿を募集しているのは、ほとんどが中国の業者だ」と指摘する。

「中国の業者が非常に多いです。日本に輸出して売ろう、Amazonで買ってもらおうということをやっています。つまり中国側には日本で売りたい輸出代理店がいっぱいある。その中でうちの商品だけたくさん売りたいということでレビューをつけると。」(ITジャーナリスト 三上洋さん)
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Amazonはヤラセレビューを見極めるため専門知識を持った調査員のチームを作るなど、対策におととしだけで400億円以上かけているというが、三上さんは「業者の手口が巧妙になり、いたちごっこの状態だ」と話す。

「数年前まではAmazonのヤラセレビューは日本語がおかしかったり、中国語だったり、かなり雑なレビューだった。しかし、Amazon側ではそれは問題だということで、日本語がおかしい、言語が間違っている場合は削除するようになりました。当初は中国人自らが書いていたものを、今では日本人に依頼して日本人に実際に書かせる。対策をすればヤラセレビュー業者側が工夫をするということで、なかなかなくならない。」(ITジャーナリスト 三上洋さん)

ネット通販への信頼を根本から揺るがしかねないヤラセレビュー。消費者が惑わされることなく安心して買い物ができるよう新たな対策が求められている。

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