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ゆるくざっくり聖書を解説!?10万人超のフォロワーを持つキリスト教会の「つぶやき」

2019年12月19日(木)放送

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東京都にあるキリスト教会のツイッターのフォロワーが10万人を超えている。“厳か”なイメージのある聖書をいじり、遊び心のあるようなツイートをしていて、「軽さ」と「ゆるさ」がウケているという。一体なぜ、このような投稿をしているのか、どのような方が文面を考えているのか教会を取材した。

プロテスタント系教会の“陽気すぎる書き込み”

東京都世田谷区にあるプロテスタント系の教会・上馬キリスト教会が“陽気すぎる書き込み”を発信しているという。例えば『クリスマスエピソード(1)』と書かれたツイートには…

『天使ガブリエルがマリアに「You、イエスの母親になっちゃいなよ」と告知。また、いいなずけヨセフにも「Youが父親ね」とサプライズ任命。マッチングアプリよりもスムーズに夫婦が爆誕しました。』

教会なのにそんなこと書いていいの?と思わず思ってしまう書き込み。

さらに、『上馬キリスト教会さん、そのへんのアイドルより推せる』という書き込みに対しては…『♪会いたかった、会いたかった会いたかったイエス、君に~~~~♪』と返すようなツイートも。

「聖書を身近に感じてほしい」軽くてゆるいツイッターでフォロワー10万人に

これらのツイッターを書かいたのは誰なのか、教会を取材することに。すると男性2人が取材班を待っていてくれた。

「クリスチャンの我々が(ツイッターを)書いています。」(男性2人組)

2人は上馬キリスト教会公認の組織「ツイッター部」に所属している信徒だ。まずはLEONさん、年齢非公開。この教会の牧師の息子で、普段は翻訳の仕事をしている。ツイッターでは「ふざけ担当」と呼ばれている。

「何か雑談しながら『これ絡めるんじゃない?』とつぶやく。『あースベった』すぐ消す、みたいな。」(LEONさん)

そして、まじめなツイートはMAROさん(40)の担当。宗教法人専門の行政書士だ。そんな2人が、聖書を身近なものに感じてほしいとツイッターを始めたのが5年半前。その「軽さ」と「ゆるさ」がウケ、今ではフォロワーが10万人を超えた。

「そもそも人が全く(教会に)来なかったんですね。なので軽いノリで“面白い事やってやれ”で作りました。大喜利だよね、基本はね。」(LEONさん)
「君はね。僕は結構作り込んでいるよ。」(MAROさん)

「まじめ担当」のMAROさんが、『聖書は確かに「良薬」です。しかし、どんな良薬も用法・用量を間違えたら体を壊します。なんでもかんでもとにかく聖書!では解決する問題も解決しません。』と聖書を読む上での心構えを諭せば、その直後に、『マリア、胎教CDを見つける』と、「ふざけ担当」のLEONさんがつぶやく。

ツイートのルールは「キリスト教にまつわる話題」

…とはいえ、必ずどこかにキリスト教にまつわる話題が盛り込まれているのがルール。例えば『シンボルが処刑道具』という一見、ふざけた自虐ネタにも深い意味が込められている。

「確かに十字架は処刑道具ですよ。残酷な処刑道具だったんですけど、そこでイエス様が僕らのために亡くなってくれたということを、その苦しみを覚えるために十字架なんですよ。処刑道具と自虐しているんですけど、“笑わせつつも実は核心”という典型例かもしれないですね。」(MAROさん)

ただ、やはりというべきか、時には怒られることもあるそうで…

「怒られた時のクレーム対応するの僕の方なので…」(MAROさん)
「『不謹慎です』って言われるんです。『聖書を笑いに使いやがって』と言うのですが、面白ければいいじゃんって思って。」(LEONさん)
「こっち(LEONさん)がやらかす、こっちが謝るという理不尽な…」(MAROさん)

YouTubeや大学でも

そうぼやく、「まじめ担当」MAROさんの活動はツイッターだけに留まらない。ツイッターがきっかけで出演依頼がきたという、YouTubeの番組「ディボーションTV」。様々なゲストが聖書について話をする、という内容だ。

【「ディボーションTV」に出演するMAROさん】
「僕、牧師でも神父でもないので聖書に対してありがたいお話はできないかもわからないんですけど、でも聖書を読むときに面白くなるような着眼点とか、そういったことをお話しできたらと思います。」

実はキリスト教信者ではない家庭で育ち、大学で哲学を専攻したのをきっかけに24歳の時に洗礼を受けたというMAROさん。取材の日、京都の同志社大学・神学部に特別講師として呼ばれ授業をしていました。
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【授業で話すMAROさん】
「ずっと歴史を見てみると、ローマ教皇さんというのは結婚しないんですよ。してないんですよ、誰も。結婚したらなれないですから、教皇に。そういう身分の初代なのに、ペテロさんは結婚していたんですね。初代教皇のペテロさんは結婚していたのに、なんで今の教皇はだめなんだろう。そんなことを考えているんですよ、別にそれで答えが出なくてもいいんですよ。そういう疑問を持って、そうなんだと思ったらその箇所を忘れないじゃないですか。」

実はこの授業では、ツイッター部の書き込みを書籍化した「世界一ゆるい聖書入門」が、サブテキストとして使われている。この本は、発売から1年ちょっとで2万部を超えるベストセラーとなり、2019年11月第2弾も発売された。

(学生)「面白かったです。」
(学生)「めっちゃ読みやすかったです。思っていたことと違ったことがあって、『あ~そうなんや』みたいな。」
(学生)「すごく英雄視されている人とかも、実は聖書では泥臭い人間らしい一面とかが書かれてるので、すごく物語性があって面白いと思いました。」

この授業の講師である青木保憲・神学博士は長年、聖書を分かりやすく解説した教材を探していたという。

「キリスト教というのが、単なる宗教としてのかたい壁を持ったものではなくて、私たちの日常の中にあふれているんだという、キリスト教というのが。そういうものを体感してもらうのには一番いいテキストだなと思った。」(神学博士 青木保憲先生)

「人に優しく」「ハードルを下げてもらいたい」

定期的に読んでいる人の中には、クリスチャンではない人も多いという上馬キリスト教会のツイッター。そのメッセージはとてもシンプルだ。

「聖書が言っていることとは『人に優しくしなさい』と、すごくざっくり言うと書いてあります。何か自分が心がざわついた時に、『人に優しくしなさい』という所に軸足が置けていると、人生が豊かになると思っています。」(LEONさん)
「教会もクリスチャンじゃないと来ちゃいけない、と思っている人が結構いらっしゃる。クリスチャンじゃなくても日曜日ぶらっと来ても大丈夫なんだよと。親しんでほしい、ハードルを聖書に対しても教会に対しても下げてもらいたいという意図で書いています。」(MAROさん)

最後にクリスマスについての豆知識をひとつ。そもそもクリスマスって何の日なのか…その答えは上馬キリスト教会のツイッターにあった。

『イエスが生まれたのは12月25日ではありません。ローマで最大の祭りが冬至に行われていたので、「この日でよくね?」と12月25日に決まりました。有力な説は暖かい季節の生まれ。真冬に馬小屋で出産は死んじゃいますからね。』

クリスマスは“キリストの誕生をお祝いする日”だそうだ。

(12月19日放送 MBSテレビ「ミント!」内『辻憲のBUZZリポ』より)

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