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強度は鉄の10倍なのに軽くて錆びない!重要文化財を支える新技術...「カボコーマ」とは?日本の木造住宅にも注目!

2019年12月11日(水)放送

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地震による建物の倒壊をどう防いでいくのかが課題となる中、軽くて、強くて、錆びないという驚きの技術が誕生しました。

ワイヤー1本で耐力10t!耐震化技術『カボコーマ』!

2016年4月に起きた熊本地震。熊本城など文化財なども甚大な被害を受けました。その1つ、阿蘇神社では重要文化財に指定される楼門や拝殿が全壊。こうした古い建築物の多くは耐震化が課題となっています。

そんな中、石川県能美市にある衣料品製造会社の「小松マテーレ」で注目の耐震化技術が誕生しました。会社の敷地に入ると…不思議な姿をした建物がありました。

「世界で初めて炭素繊維を使って建物の耐震補強をした事例です。」(小松マテーレ 奥谷晃宏取締役)

建物の周りに張り巡らされた幾筋もの“白いワイヤー”。まるでベールに包まれているようです。このワイヤーが、耐震化で力を発揮する『カボコーマ』です。

開発に携わってきた奥谷晃宏取締役に聞きました。

「このワイヤー1本で、強い炭素繊維を使っているので、約10tの耐力がある。だから、重たいコンクリートの建物が揺れる時にも、それを支える力がある。」(奥谷晃宏取締役)

強度は鉄の約10倍…重さは6分の1…なのに錆びない!木造建築で力を発揮

小松マテーレの建物はデザイン性を重視した補強ですが、実はカボコーマは“木造建築”で力を発揮します。

「木の建物は実は水に弱いんですね。金属は結露して、木に水を与える。炭素繊維は非常に結露しにくい。そういう意味でも木に対する相性はもの凄く良い。」(奥谷晃宏取締役)

一般的に木造建築の場合、天井部分には筋交いをするなどして耐震化を行います。ただ、材料が鉄の場合、結露した水分が伝わって木材が腐食したり、筋交い自体が錆びたりすることで、強度が落ちるなどの欠点があるといいます。

一方、カボコーマの元になる炭素繊維は錆びることはなく、結露する心配も少なくなります。

炭素繊維は、髪の毛の10分の1ほどの細さですが、強度は鉄の約10倍。この炭素繊維を数万本まとめたワイヤーを、7本より合わせているため、カボコーマは頑丈なのです。細い炭素繊維を束ねて新たな素材を作る。こうした技術は繊維製品を扱ってきた小松マテーレの得意分野でした。

すでに実用化「長野の善光寺」「京都の二条城」

実はカボコーマはすでに実用化が進んでいます。本堂が国宝に指定されている長野県の「善光寺」。その中の重要文化財・経蔵の耐震補強工事に使われました。
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また、鉄に比べて軽いため、天井に使用しても重心が低くなり、地震による揺れを最小限に抑えることができるといいます。

「“軽くて強い”特徴が一番活かせたのが、木造の古い建物の補強だった。」(奥谷晃宏取締役)

実際、同じ強度を持つ鉄製のワイヤーと比較すると…

   (記者)「鉄製ワイヤーは重いですけど、カボコーマは軽いですね。」
(奥谷取締役)「重さは6分の1ですから。強さは一緒ですよ。」

カボコーマは、現在、本丸御殿を保存修理している京都の「二条城」でも耐震化技術として採用され、雁之間(がんのま)の屋根に筋交いとして使われています。また建築以外では、JR大阪駅などの転落防止用のホーム柵にも、カボコーマが使われています。

木造住宅への応用に期待 鉄製ワイヤーより6~10倍の価格 

一般の木造住宅にも応用はできますが、カボコーマは新しい技術のため建築資材としてまだ国に認められておらず、耐震基準を満たす目的で一般の木造住宅に使うことは今はできません。

またカボコーマの価格は1m3000円で、一般的な鉄製のワイヤーの1m300~500円に比べると約6倍~10倍で、住宅に使うには高価です。普及までにはまだ時間がかかりそうですが、開発に携わった奥谷さんは将来を見据えています。
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「日本は木造住宅が圧倒的に多いので、木造住宅をリフォームしてそのまま住み続けるみたいなことがこれから増えると思う。災害国日本なので、一般の方々の住宅を地震などから守ってあげられるような使い方になっていくと嬉しいなと思います。」(小松マテーレ 奥谷晃宏取締役)

(12月11日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『知っておきたい!異変ファイル』より)

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