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脱「時給100円」へ...福祉施設で居場所としての『軽作業』そこに"喜び"を!人気パティシエの焼き菓子で目指せ10倍!

2019年12月06日(金)放送

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大阪市のある福祉施設で、障がいのある人の作業に支払われる工賃は、実は大阪府の最低賃金のほぼ10分の1で、『時給100円』です。これを少しでも改善しようという取り組みが始まっています。

お菓子作りや軽作業 時給は100円

大阪市鶴見区の「大阪市みどり作業所」。障がいによって働くことが難しい人達が通う地域活動支援センターの1つです。利用者はお菓子作りや軽作業などをして工賃を貰います。これが“生きがい”ともいえるのですが、やはり不満が聞こえるのは“工賃の安さ”についてです。
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(利用者)「普通は(時給換算で)100円ですね。仕事内容によっては110円とか。」
(利用者)「(週5日)午後4時までまともに働いて月に約1万円。」

地域活動支援センターは、障がいのある人が孤立しないよう日中の居場所として設けられています。作業は利用者がここで充実した時間を過ごせるように行っているもので、利益が出た分しかお金は出せないことになっているのです。
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「どうしても最低賃金には届かない収入しか貰えなくて、働きたいという思いはある中で、収入には繋げていけない。」(大阪市みどり作業所 西小路綾子施設長)

障がい者の作業所というのは、障がいがあって一般企業に勤められない方が働いている場所で、形態は2つあり、A型は「雇用型」で雇用形態を結んでいるため、雇用保険や最低賃金以上の給与が支払われます。B型は「非雇用型」で、比較的障がいの程度が重くて長時間働けない方が短時間働くような雇用形態になっています。A型・B型共に働くことを通して社会と繋がりを持つということを目指しています。

取材した「地域活用支援センター」は就労が目的ではなく、このどちらにも当てはまりません。もう少し気軽に集まり“居場所”として設けられたような場所です。ただ何か作るのであれば、少しでも賃金が上がれば施設利用者の喜びとなるのではないかというのです。

そこで作業所では、地元のNPO法人と組んで、ある取り組みを始めました。目を付けたのはイベントなどで売る「焼き菓子」です。これを改良して、沢山売れるようにすることで“時給を大幅に上げられないか”と考えたのです。

「たった1日でもいいから、最低賃金の1000円前後で仕事をして頂くことができるのであれば、作業所の方にも非常に喜んで頂けるのではないかなと思って提案させて頂きました。」(アイデアを出したNPO法人「みらくる」 吉村大作理事長)

人気パティシエ考案「特別なサブレ」

NPOの吉村さんは有名パテシィエのもとを訪ねて協力を求めました。そして呼びかけに応じたのが大阪・南堀江にある人気ケーキ店「オーディネール」のオーナー・長谷川益之さんでした。

「私のできる限り、彼らはお菓子学校も出ていないし経験も無いんですけど、そういう方でも作れる美味しいレシピを考えて、皆さんに作って頂けたらなと思った。」(レシピを考案した「オーディネール」オーナー 長谷川益之さん)
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メニューは材料を混ぜ合わせて焼くだけの『サブレ』。人気パティシエのレシピなら、味はもちろんのこと、注目度も高まります。

「ベルジョワーズという精製されていない砂糖。凄く味にコクがあって深い味がします。これがプラリネ(ローストナッツとキャラメル)というペーストになります。」(長谷川益之さん)

20年以上の経験を生かして、簡単でも『特別なサブレ』に仕上げました。

本格的な材料で価格は普段の1.5倍 サブレのお味は?

11月27日、いよいよサブレを作る日です。MBSの玉巻映美アナウンサーが「大阪市みどり作業所」を訪れました。今回参加する3人の利用者が、材料を計量し、ボールで混ぜ合わせていきます。

 (玉巻アナ)「材料はかなり本格的ですね。」
(施設利用者)「材料の名前がどれがどれか分からないところがあって。ベルジョワーズと、ヘーゼルナッツペーストと、ゲランド塩と…。」
 (玉巻アナ)「沢山ありましたね。」

いつもとは全く違うレシピ。慣れるまでには多少時間はかかりそうです。
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焼き上がったサブレは良い感じです。玉巻アナウンサーは試食させて頂きました。

「凄くサクサクでナッツがいい香りですね。はちみつとかキャラメルとか色々な味がしますね。ワインに合うというか大人な味わい。」(玉巻アナウンサー)
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3種類9枚セットで500円。原価はこれまでと同じですが価格は1.5倍と強気の設定にしました。事前予約制で約90セットを販売します。

サブレは完売 4倍以上の売り上げ

翌日の販売日、作業所には予約のお客さんが詰めかけました。

「興味津々で。パティシエさんが教えてくれたというので、凄く美味しいんやろうなと。」(サブレ購入者)

近くの病院などからも注文が入り、用意した分は完売しました。普段のイベントの4倍以上の売り上げです。

5時間の作業で工賃は4500円。時給にして900円と大阪の最低賃金には一歩届きませんでしたが、みんな笑みがこぼれます。

「流石に嬉しいですね。お金を手にすると実感がわく。」(施設利用者)

一方、施設長の西小路さんは「今回は繋がりのある人が買ってくれたが継続して売っていくことが大事」と冷静に分析します。

「もっともっと利益が上がれば、もっと沢山の施設利用者に利益を還元できると思うので、もっと広げて、もっとみんなが働いて、充実した日々が過ごせるようにしていきたいと思います。」(大阪市みどり作業所 西小路綾子施設長)

(12月6日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『ニュースの数字』より)

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