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【特集】『産業廃棄物』を『一般廃棄物』として"不正処理"!?疑惑の作業を追跡取材...直撃の業者社長の説明は?

2019年11月28日(木)放送

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大阪市のごみ処理業者が、事業活動によって排出される『産業廃棄物』を、一般家庭などから出る『一般廃棄物』として大阪市の処理施設に持ち込んでいるのではないかという疑惑が浮上している。取材班は長期にわたって疑惑の業者を追跡取材した。

収集車の“隠された文字”…移動先で露わになったのは?

「産業廃棄物を一般廃棄物として捨てている。やりすぎやろ、なんぼなんでもって感じですよね。」

証言したのは大阪府内のごみ処理業者で働く男性(50代)だ。この男性によると、大阪市内に拠点を置くごみ処理業者が、会社などから出される『産業廃棄物』を家庭から出る『一般廃棄物』として処理しているという。

「簡単に儲けられるけど、僕もやり方は分かりますけどしない。いずれ捕まりますもん。」(ごみ処理業者で働く男性)
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取材班は今年6月、大阪府高石市の引っ越し会社の敷地で“疑惑の業者”を見つけた。ごみ収集車の様子を見ていると、引っ越し作業で出たごみだろうか、別のトラックからゴミ収集車へ、作業員が手際よく次々と積み込んでいく。

「午前8時40分です。ごみを引っ越し会社のトラックから緑のパッカー車(収集車)に積み替えています。」(記者リポート)
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積み込まれているのは、タンス、そして炊飯器もあった。収集車には社名が書かれているが、社名の上をよく見てみると“ステッカー”が貼られ、何かの文字が隠されているように見える。そして、約1時間後…

「午前9時30分です。パッカー車が出ていきます。」(記者リポート)
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大量の産業廃棄物を乗せて引っ越し会社を出発した車が向かった先は、大阪市の一般廃棄物のごみ処理施設だった。施設に入る時には、いつの間にか車体に貼られていた“ステッカー”が剥がされ、そこには『大阪市許可』の文字が露わになっていた。隠されていたこの文字は、市から一般廃棄物の収集運搬業務を許可された業者の証だ。

市の施設に“産業廃棄物”を“一般廃棄物”として不法投棄!?

そもそも、産業廃棄物は自治体などが運営する公設の処理施設ではなく、民間の専用施設で処理しなければならない。

問題の業者は産業廃棄物と一般廃棄物の両方の収集を許可されているが、『大阪市許可』の文字をステッカーで隠して産業廃棄物処理業者として産業廃棄物を回収し、その後、ステッカーを剥がして一般廃棄物の処理業者として市の施設にごみを持ち込んでいるのだろうか。

大阪市では一般廃棄物の処理費用は1kgあたり9円かかる。一方、産業廃棄物は1kgあたり数十円かかる。事実ならば、産業廃棄物の不法投棄という歴とした違法行為だ。

引っ越し会社「どう処理しているか知らない」

今年8月、取材班は再び収集車の後を追った。この日は東大阪市の引っ越し会社で作業をするようだ。

「緑色のパッカー車が東大阪市の引っ越し会社の倉庫に来ました。」(記者リポート)
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前回と同様に『大阪市許可』の文字を隠してごみを回収している。その後、この車を追うと、いつの間にか貼ってあったステッカーが剥がされ、車が向かったのは、やはり大阪市の一般廃棄物の処理施設だった。
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ごみを出している引っ越し会社は取材に対し、「業者には産業廃棄物を引き取ってもらっている」とした上で、「どう処理されているかは知らない」と答えた。さらに関係者は、引っ越し会社は産業廃棄物の引き取り費用として1kgあたり40円を業者に支払っていると話した。つまり業者は1kg40円で引き取ったごみをたったの9円で処理。1kgあたりの差額31円が儲けとなることになる。

関係者が証言「不正は社長の指示」別の手口も…

取材班は関係者の男性から姿を映さないことを条件に話を聞くことができた。

「本来であれば契約に基づいた産業廃棄物の処理場に持って行くんですけど、あってはならんことですけども、それ以外の所にごみを捨てに行っていた。(Qそれは一般廃棄物の処理場に?)そうです。」(関係者の男性)

そして男性は「不正は社長の指示で行われている」と話した。

「悪いということを知りながら会社の指示で動いているところはあります。(Q社長から『見破られないために気を付けろ』などと指示はあった?)ありましたね。捨てにいった先で怪しい人がいたら、会社に連絡して、捨てるのを止めてその場から逃げろと。」(関係者の男性)

さらに、不正は別の手口でも行われているという。

「各現場から廃材を積んで、倉庫に持ち帰って、その中で別のパッカー車に積み替えをする。」(関係者の男性)

男性によると、業者は羽曳野市にも倉庫を持っていて、回収してきた産業廃棄物をここで一般廃棄物のごみ収集車に積み替え、大阪市の処理施設に持ち込んでいるというのだ。

記者が直撃!業者の社長「知らんって言うてんねん」

違法行為は誰の指示で行われているのか。今年11月18日、取材班は業者の社長を直撃した。

(記者)「大阪市外の産業廃棄物を大阪市のごみ処理場で処理していますよね?」
(社長)「知らないですけど。」
(記者)「知らないとはどういうことですか?」
(社長)「知らないですけど。」
(記者)「『大阪市許可』の文字を消したり出したりしているのはなぜですか?」
(社長)「言われていることが分からへんねんけど。」
(記者)「答えて下さい。」
(社長)「今、犬の散歩中や言うてんねん。」
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(記者)「例えばね、大阪市外のごみを取ってきて、羽曳野市の倉庫の中でパッカー車に積み替えている。これは事実ですよね?」
(社長)「違いますね。分からないですね。」
(記者)「分からないとはどういうことですか?」
(社長)「俺は行ってないから分からへんねん。犬が怖がってるやん、ちょっと待てや。」
(記者)「どこで待ったらいいんですか?」
(社長)「それは知らんがな。」
(記者)「答えて下さい。」
(社長)「知らんって俺。」
(記者)「あなた経営者ですよね、何故知らないんですか?」
(社長)「知らんって言うてんねん。」

業者の社長は「自分は知らないが、従業員が不正をしているなら事実を確認する」と話した。
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ごみの違法処理問題に詳しい弁護士は「不正によって被害を受けるのは他ならない市民だ」と指摘する。

「市の焼却場は税金を使って運営している。処理費は(業者から)ごく一部を徴収しているだけ。産業廃棄物を違法に一般廃棄物の焼却場に処分されていることでいうと、税金が無駄使いされてしまっている。市民が被害者。」(ごみの違法処理問題に詳しい小田耕平弁護士)

問題を把握した大阪市は実態調査に乗り出し、不正が認められれば厳しい処分を検討するとしている。

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