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【激動の香港】大学は"有毒ガス"で閉鎖..."発砲"撮影した学生...レンガが"剥がされた"歩道 今を徹底取材

2019年11月26日(火)放送

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5か月以上続くデモの爪痕。激動の香港は一体どこへ向かうのか。現地の最新状況をMBSの辻憲太郎解説委員が徹底取材しました。

発砲現場チュンワンで聞く…デモ活動を撮影・発信し続けた男性

「香港のチュンワンにやって来ました。人通りも多いですし非常に賑やかな場所なので想像もできないのですが、実は6月に抗議活動が始まってから初めて警官がデモ隊に剥けて発砲した現場がまさにこの場所です。」(MBS辻憲太郎解説委員)
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警官に発砲されて崩れ落ちるデモ参加者。その映像は瞬く間に世界中に伝えられました。撮影した男性に会って話を聞くことができました。プロのカメラマンではなくまだ学生です。この5か月間、デモ活動を撮影し、発信し続けてきました。
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 (辻解説委員)「怖いという気持ちは無かったですか?」
(撮影した男性)「怖かったです。実弾を撃ったと知って茫然となりました。初めてこんな出来事を体験したから。」

デモ隊と警察が激しく衝突することが当たり前の光景になっている香港。男性の家族はどう思っているのでしょうか。

(撮影した男性)「家族は心配していますね。両親は『早く家に帰るように。遅くならないように気を付けて』と言ってくれています。」

繁華街・旺角には至る所に「デモの爪痕」

次に訪れたのが繁華街・旺角(モンコック)。デモ活動が無い日は庶民の生活は平穏そのもの。

「華やかな感じですね。看板の電飾がキラキラしていますし、営業している店は普通に営業しています。香港の下町という雰囲気があってね。」(辻解説委員)
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「露店が沢山出ています。日常生活は保たれている所では保たれているんですね。」(辻解説委員)

ただ、デモの爪痕は町の至る所に残っていました。
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【交差点】
「よく見ないと気付かないんですが、信号が壊されていて、歩行者と車がお互いに道を譲り合いながら通っている。歩行者も見切り発車で行くしかない。」(辻解説委員)
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【歩道】
「デモ隊が道路のレンガを剥がして車が通れなくするようなことをしていましたが、歩道がボロボロになっています。壊したものは直さないといけませんから、歩道を修復している場所も。」(辻解説委員)
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【地下鉄】
「地下鉄・旺角駅の入り口ですが、かなり破壊されて、修理の真っ最中ですねここも。」(辻解説委員)

こうした混乱について地元の人は…

「政府に何とかしてもらうしかないわ。政府が一歩を踏み出して何かしないと。」(地元の人)
「(Q売り上げは減っている?)7割減。ちょっとやりすぎでしょう。平和的にやるならいいですが、香港が混乱していて商売もできないし、デモはやり方が間違ってるよ。」(地元の人)

香港中文大学…“有毒ガス”の調査で立ち入り禁止

若者達にとってはデモは自由を守るための大事な戦い。しかし、その代償は決して小さくはありません。
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香港中文大学の博士課程の学生・石井大智さんに大学周辺でその状況を教えて頂きました。

「(大学には)1週間以上入っていないですね。久しぶりに来ました。」(香港中文大学 石井大智さん)
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「(施設案内の看板が)黒く塗り潰されている。これは何故やっているかというと、警察が入って来た時に、どこに行けばいいか分からないようにするためなんですよ。」(石井大智さん)

この大学の構内には今年11月に警察が侵入。デモ隊も徹底抗戦しました。
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(辻解説委員)「ここから先は入れない?」
 (石井さん)「そうですね。何故入れないかというと、片付けもあるが、一番大きな理由は“有毒ガスの濃度”がどれくらい高いのかを調べないといけなくて、催涙ガスや、物を燃やしたことによるダイオキシンですね。」
(辻解説委員)「ゲートの方が皆さんマスクをされていますね。空気は悪くないのかなと思いますが、そういう理由で。」
 (石井さん)「色々なものが飛んでいるので。大学自体はお休みです。1月まで回復することは無いです。」
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大学の周辺では、あちらこちらにがれきやゴミが散乱し、もぬけの殻。多くの留学生が帰国したそうです。また石井さんは普段は大学の寮に住んでいますが、取材時は大学が手配したホテルに滞在しているということでした。
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 (石井さん)「ここが私の(大学の寮の)部屋です。」
(辻解説委員)「どうですか久しぶりに見た我が家はどうですか?」
 (石井さん)「帰ってきてもどうやって暮らすんだって話ですよね。食べ物も簡単には手に入らないし、交通の便も悪いし。」
(辻解説委員)「香港がどうなっていくのかというのが気になるが、石井さんはどう思っている?」
 (石井さん)「私が一番知りたいですね。誰も分からない。区議会議員選挙の結果によっても変わるし。」

街だけではなく、大学もまた大きく傷ついていました。

九龍塘に駐留する人民解放軍の“ボランティア”の意味

訪れた九龍塘(カウロントン)にあったのは…

「意外に思われるかもしれませんが、実は香港の中にはずっと中国の人民解放軍が駐留しています。普段は外に出て活動することは無いんですけど、こちらの建物が彼らの宿舎です。」(辻解説委員)
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外からは見えないように、フェンスに覆われた敷地の中で運動をする人民解放軍の兵士達。今年11月になって彼らの存在が突如注目されたことがありました。人民解放軍の兵士達がTシャツ姿で香港の街に現れ、人々を驚かせたのです。香港政府の要請が無ければ活動ができないはずの人民解放軍が、“ボランティア”と銘打って荒れた街を清掃。この行動は中国がニラミを利かせていることをアピールする狙いがあるという見方も広まりました。

区議会議員選挙で『民主派圧勝』投票率は“71.1%”

そんな中、今年11月24日に実施された4年に1度の区議会議員選挙。投票率は過去最高の71.2%でした。開票の結果は民主派の圧勝。『デモ活動を市民が支持した』ということになります。人々は香港の未来をどう予想しているのでしょうか?

【香港の方々の声】
「デモはこれからも続くと思います。」
「私も民主化運動は続くと思いますよ。」
「いまは谷底です。これからも、もがき続けるでしょう。そしていつか日常を取り戻せると思います。」
「香港は中国の一部です。返還されてもう22年ですよ。」
「中国共産党によって自由が握り潰されると思います。」

激動、香港。その行く末はまだ混沌としています。


(11月26日放送 MBSテレビ「ミント!」内『辻憲のちょいサキ!』より)

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