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【特集】「C.C.レモン」から『C』が消えた!?世の中にある『C』を消して応援! "がんを治せる病気にする"プロジェクト

2019年11月22日(金)放送

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今年10月に始まった“あるプロジェクト”が話題となっています。それは、「世の中にある『C』の字を消していく」というものです。このことが私たちの暮らしにどう結びつくのか、その仕掛人にプロジェクトに込めた思いを聞きました。

「キャプテン翼」の作者も賛同

今年10月、あるプロジェクトが始動しました。そのイベント会場での乾杯は、サントリーのドリンク「C.C.レモン」です。しかし、参加者が手にしているペットボトルの商品ラベルは、いつも目にするものとちょっと違います。ラベルの「C.C.レモン」の文字の『C』の部分がピンク色の線で消されているのです。

他にも、会場に置かれたラグビーボールや化粧品に記されている商品名などから『C』の字だけが消されています。そして、漫画「キャプテン翼」の作者・高橋陽一さんの色紙に書かれた「CAPTAIN TSUBASA」の文字からも『C』が消えて「APTAIN TSUBASA(アプテン翼)」に。実は、これは「deleteC(デリート・シー)」というプロジェクトに賛同した商品やメッセージなんです。『delete』とは『消す』という意味ですが、『C』を消して一体どうするのでしょうか。

売り上げの一部が治療研究に

この企画を考えたのが、フリープロデューサーの小国士朗さんです。

「“みんなの力で、がんを治せる病気にする”プロジェクトをテーマに活動している。」(フリープロデューサー 小国士朗さん)

つまり、『C』は『Cancer=がん』の頭文字で、『C』を消した商品やサービスを消費者が買うと、売り上げの一部が、がんの治療研究に寄付されるというものです。『C』を消した商品やサービスを提供している企業は11社あります(※2019年11月22日時点)。
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このプロジェクトの発端は、小国さんが、「deleteC」の代表理事を務めている中島ナオさんに熱い思いをぶつけられたことがきっかけでした。中島さんは5年前の2014年に乳がんになり、11月現在、ステージ4で抗がん剤治療を続けています。小国さんとは2年ぐらい前から近況を報告し合う仲でした。そして1年前、ある決意を伝えます。

「その頃は、がんの治療研究に向けて何か具体的な行動に移していきたい、『もう動き出したい』っていう思いが積もり積もって高まっていた時期。」(deleteC代表理事 中島ナオさん)
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しかし、どんな方法ならその思いを実現できるのか、2人は頭を抱えましたが、そのヒントは1枚の名刺にありました。

「これは全く思いつかないなと思っていたんですけど、ナオちゃんが1枚名刺を見せてくれて、それがアメリカの『MDアンダーソン・キャンサーセンター』っていう、がんの専門病院で働いている上野直人先生。名刺の『Cancer』の文字のところに赤い線がひいてあって、それを見て思いついた。あっ、これだ!『C』を消そうよ!って。」(フリープロデューサー 小国士朗さん)

ラグビーチームや飲料メーカーも賛同

『C』を消した商品の売り上げの一部を寄付してもらって、がんの治療研究に役立てよう。そう思いついた2人は早速、商品名やブランドに『C』を使っている企業をかたっぱしから回りました。その数60社以上で、初めはなかなか理解してもらえず苦戦もしました。しかし、よき理解者との出会いもありました。NTTコミュニケーションズのラグビーチームは、ラグビーを通して「deleteC」を広めようとしてくれています。

「われわれもdeleteCさんの活動に賛同したっていうのが大きい。パワーがある人たちと一緒にやると気持ちも前に出るので、ボールを持って歩いているんですけどね。」(NTTコミュニケーションズラグビー部・マーケティング担当 磯田金吾さん)
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サントリーも看板商品の「C.C.レモン」から『C』を消すことに抵抗はなかったのでしょうか。

「社内的には一部『えっ』て方もいましたけど、説明すると『面白いね』って言ってくれた。ノリのような感じで1週間で仕上げることができました。」(サントリー食品インターナショナル・ブランド開発事業部 阿部泰丈さん)
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もし世の中に『C』の消えた商品がたくさん増えたら、がんの治療研究に役立つだけでなく、がんを患った人たちを勇気づけられる日がきっと来るはず、そう信じて今も議論を重ねています。

「実際にがんという病気を患って治療を受けている方だったりそのご家族だったり、自分自身がそうなんですけど、そういう生活を送っている中で、応援してくださっている企業の商品やメッセージをSNSとかで目にすることができたら、なんかうれしいだろうなって。」(deleteC代表理事 中島ナオさん)

「一緒に笑いながら楽しく社会を変えていく」

小国さんが、がんという深刻な問題に取り組む覚悟ができたのには、2017年のこんな経験がありました。小国さんはもともとNHKのディレクターで、番組取材をきっかけに“ある取り組み”を始めました。それは、「注文をまちがえる料理店」という、認知症の人たちがホールスタッフをするレストランです。注文を受けても忘れたり間違ったりすることがありますが、そんなときにお客さんが「まあ、いいか」と受け止めるだけで笑顔の溢れる温かい空間が生まれました。この試みは大反響を呼び、その後、ACC賞マーケティング・エフェクティブネス部門のグランプリ受賞など数々の大きな賞を受けました。

「『注文をまちがえる料理店』を経験しているから、全くやったことのない『がん』という領域で…。未知のことなんですけど、『注文をまちがえる料理店』のときも同じだったし。」(フリープロデューサー 小国士朗さん)
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がんや認知症と向き合う人たちと、応援したいと思う周囲の人たちをつなぐ仕組み作り。小国さんは普段の生活の中にそのきっかけを作りたいと考えています。

「あんまり眉間にしわ寄せて肩に力入って拳を振り上げてって、あんまり僕は近寄りたいとは思わないので、みんなが思わず笑って、一緒に笑いながら楽しく社会を変えていく。その方がいいんじゃないかなって思っているので、ついつい『(Cを消して)レモン』にしたいなとか、そっちにいくだけ。」(フリープロデューサー 小国士朗さん)

そして、『C』を消した商品が世の中に現れ始めました。店に並ぶ様子に買い物客は…

「いいことやと思うからね。」(買い物客)
「無理せず協力できる。思ったことなかったからすごいなと思う。」(買い物客)

小さな応援を集めるプロジェクトは始まったばかりです。この先の展望は…

「毎年2月4日が『世界対がんデー』っていう世界的啓蒙啓発の日なので、2月4日になったらみんなが当たり前のように“『C』を消す行為をする”みたいになったらいいなと思います。」(フリープロデューサー 小国士朗さん)

※『C』を消した「C.C.レモン」は期間限定の商品です。

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