MBS 毎日放送

ミント! ミント!

毎週月~金曜日 ごご3:49~放送関西のニュースは毎週月~金曜日 ごご4:30~放送

ミント!

「コンブ」が激減...北海道の海で何が?日本から消失の危機も

2019年11月20日(水)放送

SHARE
Twitter
Facebook
はてなブログ
LINE

おでんやお鍋に欠かせない「コンブ」。しかし今、コンブの生産量が年々減少していて、今世紀中に日本の海域から消滅する可能性まであるといいます。いったいなぜ、コンブは減っているのでしょうか。

5年でコンブの仕入れ値が「2倍」に

大阪・中央区のおでん店「あじ菜」。この店では北海道産のコンブなどを使い出汁を取っていますが、実はそのコンブが激減しているといいます。

「最近、すごくコンブがない。値段もだんだん高くなっていますけどね」(「あじ菜」新井朝二店主)

大阪・中央区の空堀商店街にある創業116年の老舗「こんぶ土居」。主に北海道産のコンブを佃煮などに加工し販売していますが、コンブの専門店だけに漁獲量の減少は死活問題です。

「特に良い天然もので傾向が顕著ですが、良いものが手に入らない。漁獲量が下がっているということが大問題です。」(「こんぶ土居」土居純一社長)

5年前に比べ、コンブの仕入れ価格が2倍程度に上昇していますが、今のところ価格は約2割しか上げていません。今後さらに価格が上げれば、消費者のコンブ離れを招きかねず、店主の土居さんは頭を抱えます。

「商品価格も値上がりせざるを得ない状況。原料に関しては大幅な値上がりしています。来年も全然だめなのは確定しているので、値段が下がる要因は考えづらい。」(「こんぶ土居」土居純一社長)

コンブの漁獲量が25年間で「半分」に

コンブは海水温の低い海でよく育つため、日本で食用にされているコンブの約90%が北海道産です。毎年、北海道では7月~9月にかけて沿岸部でコンブ漁が行われます。

日本昆布協会によりますと、コンブは1995年には年間約2万8000tほどの漁獲量がありました。ところが年々減り続け、2019年は推計値で約1万3000tとなり、この25年間で半分以下にまで減ってしまったのです。近年では特に高級コンブの代表の“真コンブ”がここ10年間で3分の2にまで激減しています。
2-B.jpg
大阪に本部を置く日本昆布協会の喜多條淳隆さんは、不漁の影響が北海道の漁師を直撃しているといいます。

「どれも豊作のものがないんですよ、今年。天然コンブの激減を含めて北海道漁連、北海道庁のみなさんといろいろ話をしています。」(日本昆布協会 喜多條淳隆専務理事)

北海道周辺の海水温の上昇で「コンブが十分に育たず」

一体なぜ、コンブは激減しているのでしょうか。海洋生態学について研究する北海道大学の仲岡雅裕教授に聞くと…

「北海道周辺で水温がかなり上がりますので、今すんでいるコンブが生息地として適さなくなる。」(北海道大学 仲岡雅裕教授)

専門家らによりますと、近年地球温暖化の影響もあり、暖かい「対馬海流」の勢力が強まっていて、道南海域の海水温が上昇していると考えられます。また、太平洋沿岸を通る冷たい海流の「親潮」も岸から離れて流れるようになり、道東の沿岸部も同様に高水温化が進んでいるといいます。こうした影響などからコンブは高い海水温に適応できず、十分に育たないというのです。

2090年には主要コンブが消失する恐れも

しかし、日本のコンブの未来はさらに深刻だといいます。

「最悪なシナリオの場合は北海道、東北で今分布している主要なコンブ11種類が全部いなくなる可能性も、モデルで指摘されました。」(北海道大学 仲岡雅裕教授)

このまま地球温暖化が進めば、2090年には北海道周辺の海水温が最大10度ほど上昇し、現在の東京湾と同じくらいの海水温になるとみられています。その結果、日本の沿岸部に生息する11種類のコンブが消失する可能性があるというのです。

料理の根幹変わりかねない大問題

大阪のコンブ店の店主はこの未来予想図に大きな危機を感じています。

「実際、この状況では経営的に成り立たなくて、廃業していく昆布屋さんも、おそらくたくさん出てくる状況だと思います。料理の根幹から変わってきかねない、大問題だと思います。」(「こんぶ土居」土居純一社長)

(11月20日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『知っておきたい異変ファイル』より)

最近の記事

バックナンバー