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【特集】幼児も「無料→1800円」へ!"新スマスイ"の入園料が「倍」以上に...大幅値上げに神戸市民困惑

2019年11月18日(月)放送

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神戸市にある市立須磨海浜水族園。5年後にリニューアルオープンするのに伴い、須磨海岸一帯を大型リゾートにする構想が発表されましたが、水族館の入園料が今の倍以上になってしまうということで、市民からは「ちょっと高すぎるのでは?」という声があがっています。

スマスイ入園料が大人「1300円→3100円」に市民困惑

「スマスイ」の愛称で市民に親しまれている神戸市立須磨海浜水族園。週末は多くの家族連れでにぎわいます。

(男の子)「でっかい魚を見られるのが楽しい。見るとなんか興奮する。」
(女の子)「(Qスマスイ好き?)好き。いろんなお魚がいるから。」
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1957年に市立須磨水族館として開業した「スマスイ」は1987年の全面改装からも30年以上が経過し、老朽化が進んでいます。このため、建物の全面建て替えや周辺の再整備を行い、5年後に新たな水族館としてリニューアルする計画が進められています。多くの人から愛されてきたスマスイ。ところが、リニューアル後の入園料を巡って“憤懣の声”が上がっています。

スマスイの入園料は18歳以上の大人は1300円ですが、新しい水族館は3100円。現在、小中学生は500円、幼児は無料ですが、新しい水族館は一律1800円になるといいます。
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近畿の水族館の“大人料金”を見てみると、城崎マリンワールドが2600円、海遊館が2300円、京都水族館が2050円、などとなっています。新しい“スマスイ”、近畿の水族館の中で最も入園料の高い水族館になってしまうのです。この大幅な値上げにスマスイを長年愛してきた市民たちは困惑しています。

(神戸市民)「2000円くらいやったらいいですけどね。3000円超えてきて、子どももお金かかるのはちょっと考えますよね。」
(神戸市民)「古くなって建て替えるのは仕方ない。それで料金が高くなるのも仕方ない。ただ3000円は高いんちゃうかなと思う。3人で1万円やもんな。焼肉食べられる。」
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また、今は神戸市教育委員会が発行している「のびのびパスポート」を使えば、市内の小中学生は何度でも無料で入園することができます。しかし、新しい施設は年に1度だけ無料で入れる機会を設けるものの、このパスポートを適用する予定はないうことです。

神戸市「国内外から集客可能な大型リゾートを目指す」

倍以上に跳ね上がる入園料。一体なぜ、こんなに高くなってしまうのでしょうか。

「民間事業者のみなさんの斬新な発想やアイデアで、水族園だけではなくて、須磨海浜公園全体を活性化する。」(神戸市 久元喜造市長・2019年1月)

現在のスマスイは土地や施設は神戸市の所有で、民間企業と市の外郭団体が共同で運営しています。老朽化が進む施設の修繕には約15億円が必要なため、神戸市は財政負担などを考えた結果、完全民営化の方針を決めたのです。そして…

2019年9月、神戸市はサンケイビルや千葉県の鴨川シーワールドを運営する会社など7社からなる共同事業体が優先交渉権を獲得したと発表しました。

新たな水族館は5年後に「『つながる』エデュテイメント水族館」をテーマにオープンする予定で西日本唯一となるシャチのショーが見られるほか、周辺にホテルが建設されるなど、約370億円をかけて国内外から集客可能な大型リゾートを目指すということです。
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「西日本から多くの観光客が来るということで、神戸市内に滞在していただいて、観光消費をしていただける。いわゆる“滞在型観光”の推進が期待される。」(神戸市の担当者)

「再整備計画の見直しを」動き出す市民 

ところが…

「私たちは須磨水族園を考える会です。」(デモ行進の市民)

11月10日日曜日、長年スマスイに親しんできた市民たちが再整備計画の見直しを求めてデモ行進を行いました。

「私たちが親子で気軽に通えるスマスイでなくなってしまいます。今のスマスイが続くように、子どもたちが楽しく気軽に通えるように、そういうスマスイであってほしいと思っています。」(デモ行進の市民)

デモ行進の中には須磨水族園のテーマソングを歌うシンガーソングライター・リピート山中さんの姿もありました。

「市立で黒字で、それを切り捨てて、何で民営化をするのか。神戸の財産である良い水族園をなぜ手放すのか意味がわからない。」(シンガーソングライター・リピート山中さん)

神戸市「『民設民営』だと料金の設定が上がってしまう」

これに対して神戸市は「新しい水族館も市内の小中学校が校外学習などで利用する場合は無料にするなどの措置を取る」としたうえで、「民営化はやむを得ない選択だ」と話します。

「市で水族館を新たに整備するとなると、数百億円規模の財政負担が必要となる。『民設民営』という手法を選択したわけであります。最初の投資額を回収するような料金設定にならざるを得ないということで、『民設民営』だと料金の設定がどうしても上がってしまう。」(神戸市経済観光局 安居大樹課長)

「神戸市は(スマスイ周辺)の再整備に税金を使いたくないと。できるだけ民間に全部お金出してもらってやってもらおうと。神戸市はそれで、『はい、よかったね』と。ではそのツケを払うのは誰か。代償として子どもたちやお母さん、お父さんから大きなお金を取ろうという構図。」(リピート山中さん)

都市計画の専門家は「いくら優れた施設であったも市民の納得が得られないものは魅力が薄れてしまうのではないか」と話します。

「魅力というのは、その施設が町にとって『こんなものがあるんだ』という誇りとかを基盤にして生まれる。だから時間はかかるんだけど、住民の間でいろいろ意見を交わして施設を作り上げることはとても重要。もともと公営の施設ですから、そういうことはもっと言える。」(神戸松蔭女子学院大学 中林浩教授)
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11月11日、リピート山中さんは現状をもっと知ってもらおうとスマスイの来場者にチラシを配っていました。

「『あーできちゃった』でずっと後悔してね、そんな生き方も嫌だし。今ならひょっとして引き返せるかもしれないと思うので、こんなことをやっています。」(リピート山中さん)
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長年、地域住民に親しまれてきたスマスイ。新しくできる水族館と大型リゾートもこれまで同様市民に愛される施設となるのでしょうか。

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