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【特集】"カーシェア"で貸したBMWが「無断売却」って!?怒り収まらぬ被害者..."大手だから安心"に付け込む犯罪に注意

2019年11月11日(月)放送

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個人が所有する車を別の人に貸す「個人間カーシェアリング」というサービスで、貸し出した車が勝手に売却されたり、返却されなかったりするトラブルが相次いでいます。

大阪市内に住む大学生のAさん(24)。

「(Q被害にあわれた車というのは?)これですね。(Qなんという車ですか?)BMWのZ4という車です。」(Aさん)

700万円で購入したというこの愛車を巡って、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまいました。2019年7月、車を人に貸し出したところ、勝手に売却されてしまったのです。警察の協力もあって愛車は戻ってきたものの、Aさんの憤りは今も収まりません。

「車が戻ってこなければ、泣き寝入りで、ローンだけが残るという状況です。車好きが車をシェアするサービスだと思っていたので、そこを利用されたのはやっぱり犯人に対しては腹立ちます。」(Aさん)

人気高まる「個人間カーシェアリング」とは?

Aさんが利用したのは、個人が所有する車を別の人に貸し出す「個人間カーシェアリング」というサービスです。マイカーを貸したい人はまず、インターネットで仲介サイトに登録します。借りる側はスマートフォンのアプリなどで、登録された個人所有の車から好みの車種や利用期間を選び、料金を支払います。その後、借り主は貸し主と会った際に“免許証を提示して本人確認”を行い、車を借りる仕組みです。貸す側は、週末しか乗っていないマイカーを平日に貸し出すなどして収入を得ることができるため、人気が高まっています。

Aさんが登録したのはNTTドコモが運営する「dカーシェア」。サイトを利用するためには、まず免許証の写真を送って個人情報を登録する必要があります。試しに取材した記者がやってみると。

「免許証を送って6分で『会員登録が完了しました』とメッセージが来ました。」(記者)

詳しい本人確認はなく、あっという間に登録が完了しました。

貸した相手が“事故?”…その後は連絡途絶える

同様の登録を終えたAさんに、カーシェアの依頼がきたのは2019年7月のことでした。

【実際に送られてきたメッセージの一部抜粋】
『今週の水曜日から金曜日まで大切なお車お借りしたいのですが、ご都合いかがでしょうか?』

Aさんは1日1万5000円で愛車を貸すことを決めました。そして数日後、Aさんは大阪の難波駅前で車の受け渡しました。お互いに“免許証を見せ合って本人確認”した後、車を貸しましたが、返却予定日を迎えても車は約束の場所に現れず、後日、このようなメッセージが届きました。
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【実際に送られてきたメッセージの一部抜粋】
『2日前、歩行時に交通事故あいまして、先程までICUに入っておりました。少し返却伸ばしていただけませんか?本当に現在ほとんど動けない状態です。』

これを最後に男からの連絡は途絶えました。

愛車がネット上でまさかの売却済み…NTTドコモ「当事者同士でトラブルは解決してください」

それからしばらくしてAさんは驚きの事実を知ります。なんと、貸したはずの愛車がネットで売りに出されていたのです。しかも、気づいた時にはすでにソールドアウト。

「(売却額は)大体300万円って聞いています。そんな金額で買えるような車ではないので、もう怒りしかないです。何してくれてんねんと、それだけです。」(Aさん)

NTTドコモにも相談しましたが、取り合ってもらえなかったといいます。

「(NTTドコモから)『当事者同士でトラブルは解決してください』と。『私たちは契約の場を提供しているだけなので一切関係ありません』と電話で言われちゃったんですよ。」(Aさん)

「個人間カーシェアリング」で逮捕者 免許証の偽造し高級外車を売却

そんな中、2019年10月に事態が急転しました。2019年7月と8月に、個人間カーシェアリングで偽造した免許証を使って借りた別の高級外車を中古車販売店に売却した疑いで、住所不定・無職の42歳の男が詐欺などの疑いで逮捕されたのです。Aさんが車を貸す際に見せられた免許証を確認すると、名前や住所は別人のものですが、使われていた顔写真はこの逮捕された男のもので、警察はAさんの事件についても関連があるとみて調べています。

「実際に見たら、正直分からないです。そもそも免許証が偽造されているなんて思っていなかったので、ぱって見せられても見破れなかったですね。」(Aさん)

逮捕のきっかけは男が車を持ち込んだ中古車販売店からの通報でした。店員が免許証を爪でひっかいたら文字がはげたため不審に思ったということです。

偽造免許証に記載の住所に行くと…記載氏名の人物が…

では、偽造免許証に記された名前や住所は一体誰のものなのでしょうか。取材班は偽造免許証に書かれた島根県の住所へと向かいました。実在する住所にぽつんと建つ一軒家。何らかの関係があるのか聞いてみると…

「ここは○○(免許証記載の名前)の家ですよ。だけど今転勤でこっちにはいませんけど。」(島根県の住所に住む人)

なんと、偽造免許証に書いてある住所には、書いてある名前と同姓同名の人物が住む家がありました。何らかの事情で個人情報が洩れてしまった可能性が高そうです。

大手だからとユーザーの安心感に付け込んだ犯罪

Aさんは、偽造免許証を簡単に登録させてしまったNTTドコモ側にも非があるのではないかと話します。

「ホームページとかに『厳密な審査がある』って書いていたので、僕らはそれを信じて車を貸しているわけなんですよ。蓋を開けてみるとそこが担保されていない。厳密な審査がそもそもされているのかも分からなかったので。」(Aさん)

ネット上でのこうしたトラブルに詳しい弁護士は…

「NTTドコモという非常に大きな企業のサービスだから大丈夫だろうという、ユーザーの安心感に付け込んだ犯罪というべきなのだろうなと思います。(取引をする)相手方が個人である以上は、その商品だとか相手方の個人だとかそういったものの性質が、“大きな企業(の仲介)だから安心できる”という保証があるわけではない。」(谷四いちむら法律事務所 谷澤悠介弁護士)

では、今回のNTTドコモの対応については…

「社会的責任としては、偽造を見抜けなかったからすみませんでした、では済まない部分はあると思っています。ユーザーファーストというか利用者が快適に安心してサービスを利用できるようにするには、保証制度だとか保険会社との共同だとか、そういったところは今後はやはり必須になっていくだろうとは思います。」(谷澤悠介弁護士)
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NTTドコモは今回の事件を受け、「車両受け渡し時の本人確認書類を増やすなど運用ルールを見直し、盗難・詐欺被害の補償についても今後検討する」としています。

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