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【特集】「平均年齢86歳」世界最高齢バンドが解散 老いと向き合いながら奏でるジャズトリオ

2019年11月08日(金)放送

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平均年齢が世界で最も高いとしてギネス記録にも認定されているジャズバンドが今年10月末、惜しまれつつ解散しました。メンバー3人の年齢が合わせて260歳。平均年齢86歳。老いと向き合いながら自らの目指す音楽を究め続ける姿を取材しました。

平均年齢86歳のジャズバンド

バンドの名前は「ゴールデン・シニア・トリオ」。平均年齢86歳のジャズバンドです。

ベースの宮本直介さんは82歳。
「ジャズは何もないところから作っていく音楽。自由奔放にやれてグルーヴ、スイングするわけや。あんな音楽は他にない。」
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ピアノの大塚善章さんは85歳。
「ジャズは絶えず即興演奏。一期一会というか毎日が違いますからね。」
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そして、ビブラフォンを担当する最年長の鍋島直昶(なおてる)さんは93歳です。
「僕らがやっている音楽はジャズ。僕の音楽、マイミュージック。マイミュージック=ジャズ。」

「平均年齢が世界最高のバンド」としてギネスに認定

それぞれ60年以上にわたって演奏を続けてきた熟練のジャズメンですが、今から11年前の2008年に、ファンからの要望でトリオを組むことになりました。
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(大塚さん)「2008年の敬老の日ですね。敬老の日に『3人でやってもらえませんか』と(ファンから)。」
(宮本さん)「それが意外と上手くいって、いろんな所からオファーがきて、あちこちでやっているうちにギネスブックに登録された。」

4年前の2015年、ゴールデン・シニア・トリオは平均年齢が世界最高のバンドとしてギネスに認定されました。

バンド活動に終止符 動脈瘤破裂に不整脈

全国各地を飛び回り、行く先々で観衆を魅了してきた3人。しかし、最高齢の鍋島さんは2018年、目の奥にあった動脈瘤が破裂したため、現在は週1回のペースでリハビリに励んでいます。寄る年波には勝てず、徐々に身体の自由が効かなくなってきたため、3人はバンド活動に終止符を打つことを決めました。
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(鍋島さん)「年が90を超えたら、ちょっと無理ですよね。体力的にもね。」

また、大塚さんも…

(大塚さん)「8月7日に入れたんですよ、ペースメーカー。診断してもらったら不整脈ということで。元気な間にピリオド打った方がいいんじゃないって。」
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おぼつかない足取りで自宅の階段を上る鍋島さん。この日は2階にある練習部屋で解散コンサートに向けた最後の音合わせです。鍋島さんはマネージャーに腰を支えてもらいながら演奏します。程度の差はあるものの身体は限界に達しつつあるようです。3人とも最後に演奏する曲目を1曲ずつ、丁寧に確かめるように奏でていました。

最後のコンサート「めでたく解散」の日

10月27日、とうとう最後のコンサートの日がやってきました。大阪・北区で行われたライブで、用意された400枚のチケットは即完売したといいますが、楽屋に現れた3人はいつもどおりマイペースです。

(大塚さん)「めでたく解散。生きている間にファイナルを迎えられるというのは。」
(宮本さん)「こんな年寄りを応援していただいて、ありがとうございました。」
(鍋島さん)「僕はまだジャズをやめるわけじゃないから。」
(宮本さん)「みんなそうですよ。」

そして、トリオ最後の演奏が始まりました。「red roses for a blue lady」や「Memories of You」「Cute」など、これまで幾度となく3人で演奏してきた曲たち。約1時間、渾身の演奏が続けられ、最後はファンらの拍手で幕を閉じました。

(ファン)「最後ということでとても残念。若いミュージシャンにはない味や貫禄や音楽の回し方とか、誰も真似できないと思う。」
(ファン)「みんな僕の師匠みたいなもの。僕も現役ですから。若い頃に3人に教えてもらったジャズの根本的なこととか。だから嬉しいです。」

3人での演奏はこの日が最後となりましたが、それぞれのジャズ人生にまだまだ終わりはありません。

(宮本さん)「またこういうオファーがあればやるかもな。」
(大塚さん)「鍋島さんの家に行って練習しとかなあかんな。」
(鍋島さん)「死ぬまでやりますよ。」

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