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施設利用の中1男子死亡 父親語る「放課後等デイサービス」の課題 職員の体制は十分か?

2019年10月07日(月)放送

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今年7月、大阪府守口市で「放課後等デイサービス」を利用していた中学1年の男子生徒が食べ物をのどに詰まらせて亡くなりました。男子生徒は食べ物をうまく噛むことができない障がいがあり、職員同士の引き継ぎが不十分だったとされていますが、制度そのものの課題が浮き彫りになってきました。

担当職員が外出…他の職員への引継ぎミスか

中学1年だった伊藤健斗君(当時12)は今年6月、守口市の障がい者福祉施設「桜の園」から突然病院に搬送され、20日後に亡くなりました。

「家内が元気に行ってらっしゃいと送り出してバスに乗って行きましたよ。いつもと変わらずです。やり切れんですわ…代われることなら代わってあげたい、親として。」(健斗君の父親 伊藤文隆さん)

健斗君は2歳の時に受けた脳の手術の影響で、言葉を話したり物を噛んだりする機能に障がいがあり、桜の園で「放課後等デイサービス」を利用していました。

「健斗は小さい頃から自分で噛み砕く力がないので、常に細かく刻んで。細かくしないと食べられないんですよ。噛むこともできないので飲み込んじゃう、大量にぱくぱくと。そういうことを常日頃からお願いしてたにもかかわらずね。」(健斗君の父親 伊藤文隆さん)

健斗君の死因は、桜の園で出された昼食の唐揚げやミートボールをのどに詰まらせたことによるものです。その日、桜の園では普段から健斗君を担当していた職員が外出していて、事情を知らない職員が食事を十分に細かく刻まずに提供したのだといいます。職員の引き継ぎミスが事故の原因とみられ、桜の園は「今後このようなことが起きないよう検証する」としています。

「子どものことをおろそかに扱うなら子どものデイサービスはやめていただきたいですね。」(健斗君の父親 伊藤文隆さん)

利用者増加の一方で現場の声は…

健斗君が桜の園で利用していた「放課後等デイサービス」とは、放課後や休日に、障がいがある高校生までの子どもを預かるもので、発達支援などを目的に2012年にスタートしました。利用料は国や自治体から9割以上の補助が出ます。手頃な利用料もあって利用者は年々増え、去年は20万人に。施設の数も1万3000に達し、制度開始から6年間でそれぞれ約4倍に増加しました。(2012年:利用者数約5万人、事業所数約2900か所 2018年:利用者数約20万人、事業所数約13000か所)

急増の一方で、課題も浮き彫りになってきました。大阪市西淀川区の障がい者福祉施設「なちゅらる教室」でも放課後等デイサービスを実施しています。国の基準では子ども10人に対して職員は2人以上と定められていますが…

「1人がトイレ介助とかでいなくなると、残りの9人を1人で見ないといけなくなるので厳しい。制度としてはそれでいけるんですけど、実際の現場としてはなかなか難しい。」(なちゅらる教室 管理者・大倉茜さん)

この施設では子ども10人に対して4~6人の職員で対応しています。

「何でも自分でできる子が10人いるのと、いろんな介助が必要な子が10人とでは、“10人の重さ”が違う。この仕事をしてる立場から言えば、子ども10人を職員2人で見るのは怖い。」(なちゅらる教室 管理者・大倉茜さん)

数を一律に定めた制度に疑問

一方、伊藤健斗君が亡くなった「桜の園」では10人を国の基準ぎりぎりの2人で見ていたといいます。健斗君の父親も、ひとりひとりの障がいの程度を考慮せず職員の数を一律に決めた今の制度に疑問を抱いています。

「大事な子を預かってるわけだから10人で大丈夫なんかなと、たった2人の先生でね。そういう不安はありました。人の命を軽く考えているのか、障がいを持つ子を安全に対処しないといけないのをおろそかにしてたのではないかという疑念はいつも思う。」(健斗君の父親 伊藤文隆さん)

警察は、父親からの刑事告訴を受けて業務上過失致死の疑いで捜査を進めています。

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