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【特集】幼保無償化スタート...多くが「期待」の一方で「負担増えた」の声も

2019年10月04日(金)放送

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10月から始まった幼児教育・保育の無償化。歓迎する声が出る一方で、保護者からは値上げを告げられて困惑する様子が見られたり課題を指摘する声も聞かれたりします。現状を取材しました。

「幼保無償化」に保護者から期待の声

大阪・寝屋川市にある認定こども園「ねやがわ成美の森こども園」。0歳~5歳までの子ども約120人が通っています。今回の幼児教育・保育の無償化では、『幼稚園・保育所・認定こども園に通う3歳~5歳までの全ての子ども』のほか、『低所得世帯の0歳~2歳までの子ども』が対象です。認可外の保育施設でも、保育の必要性が認められれば月額3万7000円を上限に利用料が補助されます。園に通う保護者らは制度への期待を膨らませています。

「すごく家計を支えてもらって、ありがたい気持ちでいっぱいです。(息子が)『サッカー習いたい』とか自分の夢を話し始めたので、せっかく無償化で支えてもらっているので、子どもの教育に充てられるように子どもの意欲を引き出しながら。」(息子を通わせている母親)
「稼いだお金の大半が保育料にいったりするので、そういった面ではすごく助かってます。何か興味があることがあればやらせてあげたいと思うので。」(2人の娘を通わせている母親)

保護者からは喜びの声が上がる一方で、園側は複雑な制度ゆえに説明会を開くなど対応に追われました。

「なかなか(資料を)読み解けないというお母様がいらっしゃいました。それならば説明会を開いた方が皆さんの疑問を一気に解決できるかなと思いました。制度的に結構複雑になってくるので、そういった意味では多少の期待と不安が入り混じっているのが現状です。」(ねやがわ成美の森こども園 田中啓昭園長)

ひとり親家庭では「負担額が増えた」「変わらなかった」が4割

多くの人が支持する無償化ですが、実は全ての家庭の負担額が減るわけではありません。ひとり親家庭の支援などを行う団体「一般社団法人ひとり親支援協会」が実施したアンケートによりますと、今回の無償化で「トータルの負担額は減った」と回答したひとり親が半数程度だったのに対し、「負担額が増えた」「変わらなかった」と回答した人は合わせて4割近くもいました。

■一般社団法人ひとり親支援協会アンケートより■
トータルの負担額は減った…51.5%
増えた…18.8%
変わらなかった…21.8%
その他…7.9%

「施設充実費」が月3000円アップで負担増

「無償化」の裏側で一体、何が起こっているでしょうのか。大阪市在住の加藤さん(仮名・20代)。4歳の娘を認定こども園に通わせるシングルマザーです。所得が低いため、大阪市の補助で保育料は免除されていましたが、10月から新たに遊具や本などに使われる「施設充実費」が5000円から8000円と3000円値上がりした言います。

「『保育を充実させるため』とは書いてあったんですけど、手紙1枚だけだったので正直びっくりしていますね。ほかの園に通っている友達に聞いても皆そういう形で値上がりしているので、びっくりですね…驚いています。」(加藤さん)

ひとり親家庭のアンケートでも「副食費4500円、2000円増えました」「主食費値上がり、副食費の追加、施設費の見直しで増加」などの回答がみられ、“給食費や施設代の値上げなど負担が増えた”という戸惑いの声が複数上がりました。さらに、加藤さんのもとには園から「制服や物品代も値上げを検討している」と連絡があり、負担が重くのしかかります。

「やっぱり(負担が)大きいですね。もっと服も買えるし、お菓子とか、習い事とかもできるので。正直(負担が)大きいですね。」(加藤さん)

なぜこのような値上がりが起こってしまうのか。保育事情に詳しい今井智洋代表理事は「値上がりの理由が不透明なものが多い」と話します。

「(施設充実費で)何を買うからとか、この施設をきれいにするからとか、そういった説明がされれば保護者も納得がいくと思うが、説明がされていないというのがすごく問題だと思う。国や自治体からグレーな所に対しては指導があるようにしっかりしてもらいたい。」(ひとり親支援協会 今井智洋代表理事)

「待機児童問題」に直面した自治体も

無償化によって新たな課題に直面した自治体があります。大阪・守口市は国の無償化に先駆けて、2017年4月から所得に関係なく0歳~5歳の子どもの保育料を無償にして、若い世代の増加を目指しました。守口市民に話を聞くと…

「去年7月に妊娠安定期に入ったときに(守口市に)引っ越しました。」(守口市民)
「守口市は人気なので、私の会社の同僚も無償化というのを決め手に引っ越して来たりしている。」(守口市民)

守口市の人口推移を見てみると、2013年から2017年にかけて0歳~5歳の人口が減り続けていました。しかし無償化を始めた翌年の2018年からは効果が現れ、無償化前と比較して5歳までの子どもが2年間で267人増え、さらに保護者世代の20代の人口も600人以上と顕著に増えたのです。しかし、若い世代が集まってきたことで新たな課題も…

「一応申込みはしていますが、待機児童の形で今いるので。」(守口市民)
「倍率は高そうだなと思うんですけど。」(守口市民)

認可保育施設に入ることができない待機児童が、無償化前の2016年4月の17人から2018年4月は48人にまで増加したのです。

「入所選考に来られる市民の皆さんが想像以上にたくさん来られたので、潜在的な保育ニーズがあるし待機児童を減らす、ゼロにするには(保育施設を)どう確保しようかと。」(守口市こども部 田中秀典次長)

この現状を打開するために、守口市は保育施設を19か所増やすなどして872人分の保育枠を拡大。2019年4月時点では、なんとか待機児童はゼロになりましたが対応に追われました。始まったばかりの幼児教育・保育の無償化。全ての子育て世帯が笑顔になる日はくるのでしょうか。

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